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2024/3/29 18:30/初花凜々/SINGER SONGER

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[今週のつながる劇場]

2015年3月27日

3月27日 ~新宿・西戸山公園野球場~


 私は、「岡本まなみ」。32歳。
 
 今日は、パパの草野球の応援に、3歳の息子・ユウタを連れてお出かけ。
 というか・・・
 今日も、いや今週もかな?
 
 毎週末の日曜日は、必ず草野球の試合に出かけるパパ。
 しかも、4月から10月までと、プロ野球選手並みに。
 週末の野球のために、平日がんばって働いてるってカンジのパパです。
 
 
まなみ えーと・・・野球場は、こっちか。
 
 ユウタを後ろに乗せ、自転車を一旦止めて、スマホで地図を確認した。
 「西戸山球場 地図」・・・で、検索と。
 
 パパの応援でいろんな野球場には行ったけど、
 今日の「西戸山公園野球場」は初めての場所。
 
 この「西戸山公園野球場」は・・・
 JRの新大久保駅と高田馬場駅のちょうど間ぐらいにあります。
 線路沿いの場所なので、山手線の中からもよく見えるんです。
 また、線路の反対側には、「戸山公園」という子供たちが、
 思いっきり遊べる場所もあるみたいです。
 
 
まなみ ユウタ、今日はオウチの近くで良かったね。
    自転車で来られたもんね。
    風、気持ちイイね~!
 
 ユウタは自転車が大好き。
 いつも大きな口で風をモグモグ食べて、喜んでいる。
 
 
(ブレーキ音)
 
まなみ さぁ、着いたよ~。
    パパはどこかなぁ~、いるかなぁ~。
 
 目の前では、すでに草野球の試合が始まっている。
 お腹がポッコリ出たおじさんたちの草野球を、
 同じくお腹がポッコリのおじさんたちがネット裏で見物している。
 つくづく、おじさんたちって、
 野球をするのも観るのも好きなんだなって思う。
 
 ま、私も観るのは結構好きだけどね。
 プロの方がいいけどね。
 
 
まなみ ユウタ、ほら気をつけてね。
 
 ベンチの中にいるパパを見つけたユウタは、
 プラスチックのバットを引きづりながら駆け寄っていった。
 
 野球好きなパパは、ユウタが生まれる前から、
 ユニホームっぽいベビー服や野球のおもちゃなんかを
 買っていたんです。
 そのぐらい、男の子ができたことを喜んで、
 何もわかってないユウタを、
 今からプロ野球の選手するんだって騒いでる・・・
 
 ま、意外とそういう家の子に限って、
 インドア派だったりするけどねぇ・・・ユウタはどうだろ。
 
 
(カキーン)
 
まなみ パパー、チャンスだよー!
    かっとばせー!
 
    あ、そうだそうだ・・・
 
 応援しながら、私はパパから頼まれていることが・・・
 それは、パパの打席の時、スマホのムービーで
 バッティングフォームをベンチから撮影すること。
 あとで、このムービーを見直して、
 バッティングフォームの悪いところをチェックするんだって。
 
 このお願いをされた時、私は毎回思う・・・
 「だからお前はプロ野球の選手かって!!会社員だろ!!」って。
 
 でもまぁ、たいしたことじゃないから撮ってあげる。
 
 
まなみ いけー!かっとばせー!


(カーン!わー!)

まなみ 打った~!走れー!パパ、走れ~!

 レフト前ヒットを放ったパパは、
 大きなお腹を前に突き出しながら一塁へ走ってる。


まなみ ユウちゃん、パパナイスバッティングだったね!
    でも、フォームなんかよりまず痩せた方がいいよね~。ね~。
 
 ユウタも、パパがヒットを打つと嬉しいらしく、
 一緒になってそのへんを走り出す。
 すごくうれしそう!もしかしたら・・・ホントに野球選手になるかも?


まなみ ねぇねぇユウちゃんはさぁ、野球が好きなの?
    それとも、パパのことが好きなの?
 
 
まなみ 試しに質問してみたけど・・・キョトンとした顔。
    自分のおもちゃのバットのグリップを、ガジガジ噛んでいる。

    ま、そうだよね。まだ決めなくてイイよね。
    でも、パパの子供だから、野球好きのところは、
    きっと《つながってるんだね》。

    あ、そうだ!あっちに公園あったから、そこで遊ぼうか。
    パパの試合はまだまだだから、終わりぐらいに戻ってこようね。



END

2015年3月20日

3月20日 ~台東区・隅田公園~


3月20日の舞台は「台東区・隅田公園」

 俺は、「栗山かずき」。32歳。

 今、時間は日曜日の朝7時!
 俺は、早朝の隅田川にやってきた!

 なぜか!?
 なぜ、こんな早朝に、ココへ来たのか・・・

 それは・・・昨日の夜、帰る時に落とし物をしたからなのです。。。


かずき えーと・・・
    昨日、酔っぱらって・・・
    吾妻橋を浅草の方へ渡って来て、ウチの方へ帰るのに・・・
    この隅田公園を横切ったんだよなぁ・・・
    ダメだ・・・ぜんぜん憶えてないわ。。。

 昨日、仕事が終わって、今日休みだから遅くまで・・・
 というか深夜まで飲んだ。
 そして、なぜかタクシーをいつもよりも手前で降りて、歩き始めたんだよな。
 なんで、手前で降りたんだろ?酔っぱらってたのかな?
 いや、違う!なんか急に深夜の散歩がしたくなったんだ・・・


かずき そうだ!
    確か・・・スマホで写真を撮った記憶があるぞ!


(カシャ)

かずき なんだこの写真??
    真夜中の隅田川を吾妻橋から撮ってる??
    何で撮ったんだ・・・
    あ、でも!撮った時間は深夜の1時58分だ。
    やっぱり俺は・・・ここを昨日通ったんだ。。。

 どこに落としたのかぁ・・・?
 彼女のまどかが誕生日にくれた、オリジナルのシルバーキーホルダー。
 まどかデザインで、俺の名前入り。
 先週もらったばっかり。
 それを・・・酔っぱらって落したなんて言ったら、激ギレされるなぁ。。。


かずき ん?
    隅田川の写真の後、もう1枚撮ってるぞ!?
    この写真は何だ?どこだ!?

 台東区と墨田区をまたぎ隅田川の両岸に広がる「隅田公園」。
 開花シーズンである3月下旬から4月上旬にかけて、
 吾妻橋から桜橋の約1kmにわたり、見事な桜のトンネルが現れます。
 台東区側には、水上バスの発着所や、カフェ、ちびっこ公園、
 アスレチックなどもあります。


かずき よし、この写真を撮った場所へ行ってみよう。
    現場にこの事件を解くヒントがあるはずだ!!


かずき あーなんとなく、だんだん思い出してきたぞ!
    川沿いの隅田公園をフラフラと散歩したんだ・・・

 この写真の場所はどこだ?
 同じ場所を見つけるんだ!
 川の向こうのスカイツリーを撮ってる・・・
 この写真・・・どこからとったんだ・・・


かずき ん!?ここか?このCAFEの横から撮ったのか??


(カシャ)

かずき なんか・・・夜中と朝とじゃ、風景が違っててよくわかんないな・・・
    あ、おはようございますぅ~。

 昨日の夜は、こんなにいっぱい太極拳おばさまたちいなかったし・・・


かずき そんで・・・

 喉が渇いて、自販機で水を買おうと思い財布を出した時・・・
 なんか落とした!
 確かに落としたんだ!気がする?
 その時は・・・気にならなかったけど・・・


かずき あそこだ!
    公園の中の、あのアスレチック施設の上に座って、水を飲んだ。
    そうだそうだ、確かに飲んだぞ!

 昨日の夜、酔っぱらって散歩をして、
 最後に水を飲んだアスレチックの施設。
 同じ場所に、現場に行けば、何かを思い出し、
 落としたところがわかるんじゃないかと思い・・・

 その場所に、登って座ってみる。
 俺がアスレチックに登る途中には、ご近所の早起きな
 おじいさまやおばあさまたちが、
 アスレチックをベンチ代わりにして座っている。


かずき スイマセン・・・失礼します・・・

 ここだな。落してるとしたら・・・ここかもしれない。
 Twitterのタイムラインにも、ここで俺がツイートとした思われる
 履歴が残ってる。
 内容はよほど酔っていたのか訳がわからない。。。


かずき んっ!?

 アスレチックに下に・・・キラ~ンと光る金属の物体!?


かずき あ、あった!

 俺は軽快にアスレチックを駆け下りて・・・それを拾った!!


かずき 違ったー!!なんだよ、なんかの部品じゃーん!!

    ・・・ハァ。どうするかな・・・あきらめるか・・・

 そこに、見透かしてるかのような・・・まどかからのメール!
 今日の予定を聞いてきた。


かずき うわっ!こえー!どっかで見られてるのかな・・・

 それとも、二人の気持ちが《つながっている》のか・・・


かずき よし、あきらめる前に・・・一応近くの交番に行って聞いてみよう。
    でも、たぶんないだろうから・・・あとでまどかに謝ろう。

    メールで、今日ランチ一緒に食べようって誘っておこう。



END

2015年3月13日

3月13日 ~人形町・ふくの鳥~


3月13日の舞台は[uri=http://r.gnavi.co.jp/g330027/ /]「人形町・ふくの鳥」[/uri]。

 私は、「松原ゆき」。29歳。

 仕事は、日本橋にある洋菓子店でパティシエ。
 夢だったパティシエにやっとなれた。
 でも、気がつけば・・・29歳。今年で30歳。。。
 人生・・・なかなか厳しい。思い通りにはいきません。


(電話接続中)

ゆき  もしもし、お父さん!
    大丈夫?場所わかる?
    うん、そう、人形町だよ。
    人形町の駅から、そうすぐすぐ。
    さっき、お父さんのケータイに、地図を送ったけど・・・
    見れないよねぇ?
    私、先に中で待ってるから。もし迷ったら電話して!

 今日は、早めに仕事をあげてもらい、
 人形町の焼き鳥「ふくの鳥」さんへ。
 ここで、田舎の福岡から、友人の結婚式のために出てきた
 父親と待ち合わせ。
 私の父は、昔から焼き鳥が大好き!
 仕事仲間ともよく来るココ「ふくの鳥」さんの、
 備長炭で丁寧に焼きあげた鶏肉は香りも味わいも最高!
 新鮮な鶏肉を使った串焼き。
 種類も豊富でお好みの部位も楽しめるんです。


ゆき  とはいえ・・・

 焼き鳥にはうるさい、ガンコな父。
 きっと、簡単に美味しいとは言わないんだろうな。
 なんだって、まずは文句から入るんだから。


ゆき  そういえば・・・
    子供の頃、よく近所の焼き鳥屋さんに連れて行ってもらったな。

 福岡の焼き鳥屋さんは、席に着くと、
 まず生キャベツがお皿に盛られて出てくるんだよねぇ。
 あのキャベツにかかっていた、すっぱいタレが美味しかったなぁ。
 おかわり自由だったから、お父さんがお酒を楽しんでる時間、
 焼き鳥と一緒にずっとキャベツ食べてた。


ゆき  あのお店・・・まだあるのかな?
    懐かしいなぁ・・・

    ん!?それにしてもちょっと遅いなぁ・・・


(接続中プププ)

ゆき  もしもし、お父さん?
    どこなの!?
    え?そうそう・・・ふくろう?
    違うよ!「ふくの鳥」だって!!〝ふく〟しか合ってないじゃん。
    そう!その看板のお店、それそれ!


(引き戸ガラガラガラ)

ゆき  お父さん、ココ!ココ!
    もうー、何どしたの?迷ったの?
    迷ったら電話してって言ったじゃん。

 やっとお店にたどり着いた父。
 5年ぶりに会う父は、なんだかニコニコしてて、やけに笑顔だった。


ゆき  はい、じゃあ乾杯!
    フゥー・・・美味しい。
    ここね、日本酒もあるからね。
    あとさ、東京の焼き鳥屋さんだから、福岡とは違うのね。
    いちいち文句とか言わないでよ。

 父が、メニューでお酒と串焼きを選んでいる間、とりあえず注文!


ゆき  えーと・・・
    「ささみ鶏わさ」「鶏サラミ」「つまみ砂肝」をお願いしまーす。

    いつもね、仕事の人たちと来ると、今の3つをいつも頼むんだよ。
    私もお父さんの影響かな・・・焼き鳥好きなんだよね。

 すると父は、メニューを閉じて、自分のガラケーをパカッと開き、
 ある写真を見せてくれました。


ゆき  え?なになに?何の写真・・・

 それは、私が小学3年生の時、
 父の誕生日に作ってあげた粘土のデコレーションケーキ!
 その写真を、ケータイのカメラで撮ったモノ。


ゆき  うわ、懐かしいー!!
    え、どしたの?なんで?

 聞けば、父が自分の机を整理していたら、
 昔の手帳に挟んであったのが出てきたらしい。
 その時、ケータイで撮った画像を私に送ろうとしたらしいけど、
 うまく送れなかったとか。


ゆき  うん、思い出した。。。これ、お父さんの誕生日にって・・・作ったね。
    私・・・この時から、ケーキ屋さんになりたかったんだなぁ。

 父は、そんな私を褒めてくれました。
 自分のやりたかったことを、ちゃんと叶えてることは、
 とっても偉いって。


ゆき  うん、そうだね。がんばってよかった。
    ま、その代わり・・・結婚はもうちょっと先になりそうだけど。。。
    待ってて、素敵な焼き鳥屋さんを見つけるからさ!

 子供の頃の、あのケーキ屋さんの思いは・・・
 ちゃんと今の私に《つながっていたんだ》。


ゆき  お父さん、懐かしい写真見せてくれて、ありがとう!

    あっ!ねぇ串焼きは決まったの?早く決めてよ、もうー。
    いっつも、お父さんメニュー決めるの遅いって・・・
    お母さん怒ってたでしょ!



END

2015年3月6日

3月6日 ~東京スカイツリータウン・アイススケート~


 僕は、「岡田なおゆき」。25歳。

 社会人となって、この春で丸2年目を迎えようとしてます。
 そして、4月からは、北海道の旭川へ転勤!
 初めての転勤・・・そして東京出身の僕としては初めての地方暮らし。

 今は、そんな不安だけでいっぱいいっぱい。。。

 先週、高校時代の親友から突然の電話・・・


(着信音)

なおゆき おーアキラ!久しぶり!どうしたの!?

 この「アキラ」が、高校時代からの親友。
 大学は別だったけど、今でも地元は一緒。たまに会って飲んだりする。


なおゆき え!?俺が転勤するって聞いた・・・何で知ってるの??
     あ、シゲちゃんか~。

 「シゲちゃん」
 こいつも高校時代の親友。要するに3人が親友同士。
 シゲちゃんのお母さんとウチの母が仲イイので、
 すぐに転勤の情報が伝わっていたようだ。


なおゆき そうなんだよぉ・・・旭川に。
     え?近いうちに会おうって・・・そうだな。
     ウソ!俺のしたいことに、何でも付き合ってくれるって!?
     マジか・・・


なおゆき アキラー!シゲちゃーん!お待たせ。
     さぁ、滑ろうか!

 後日、僕はアキラとシゲちゃんの二人と、スカイツリーで待ち合わせ。
 何でも付き合ってくれるってことなので・・・
 この冬、一度もできなかったアイススケートに
 付き合ってもらうことにした。


なおゆき え?どしたの?「なんでスケートか?」って。
     いや、毎年冬になると滑りたくなるんだよ。
     でも、この冬はいろいろ忙しくて行けなかったから・・・
     で、スマホで調べたら、ギリギリまだスカイツリーのスケートが
     春休みまでやってるって・・・だからココ。

 アキラとシゲちゃんは、なんか気が乗らないようなそぶり。
 25歳の男だけ3人で滑るのが、ちょっと恥ずかしいらしい。。。


なおゆき 大丈夫だよ、ほら~!
     彼女がいるんなら、そういう恥ずかしい気持ちもわかるけどさ。
     俺たち3人、誰も彼女いないだろって!

     ・・・ごめんなぁ。
     彼女のことは言い過ぎたよぉ・・・冗談だってぇ・・・

     アキラ!シゲちゃん!ほら、この僕を見てみろ!
     僕だって彼女もいない!それなのに、春からたった一人っきりで、
     家族も友達もいない旭川に住むんだぞ。
     彼女がいないぐらいどうってことないだろっ!!

 二人は、「あ、確かに」という顔をした。


なおゆき どお?スケートする気になった?ホント!良かったー!

 僕は1年ぶりのアイススケート。
 アキラとシゲちゃんは、かれこれ5年以上はやってないとか。
 そのため、スケート靴を履くだけでひと苦労。。。


なおゆき 履けた?じゃあ、リンクに行くよ。

     ちょ、おい!ダメだって!服をつかむな!
     僕だってそんなにうまくないんだからぁー・・・


(ドシーン)

なおゆき イタタタタ・・・
     うわ、恥ずかしい!恥ずかし恥ずかし・・・

 大の男3人が、はしゃぎながらリンクに入った瞬間・・・転んだ。
 なんだろう、この何とも言えない恥ずかしさは!?


なおゆき ゆっくり行こうぜ、ゆっくりな!
     ケガするから。
     壁沿いを、そ~っと行こう。

 唯一・・・といってもさほどうまくはない経験者の俺が先頭となって、
 その後ろにアキラとシゲちゃんがしがみつき、恐る恐る滑り始めた。

 そんな僕たち3人の横を、小学生や大学生ぐらいのカップルが
 スイスイ滑って追い抜かしていく。


なおゆき ダメだ!よそ見はするな!よそ見をした瞬間、命取りとなるぞ!
     また、さっきみたく転んでもイイのか!?

 アキラとシゲちゃんは、無言で首を横に振っている。


なおゆき そうだろ。例え小学生に追い抜かれようとも、気にしてはいけない!
     このスケートリンクは人生だ。
     イマ一瞬追い抜かれたとしても、勝負はゴールだ!
     ゴールまでに挽回すればイイんだー!

 その姿は、もうスケートを楽しんでるとは思えない。
 リンクの壁を清掃してる人にも見えそうだ。

 そんな時、最後尾のシゲちゃんが、片手でスマホのカメラを向け、
 写真を撮ろうとした・・・その瞬間!?


なおゆき あ、あぶなーい!!

(ドシーン)
(カシャ)

 偶然にも撮れたその写真には、僕と親友の二人が、
 この世の終わりのような顔で氷に倒れこむ瞬間をとらえていた!


なおゆき ハハハ!すごい瞬間が撮れてんじゃん!
     俺にもそれ送って、その写真スマホの壁紙にするよ。

 春からたった一人での旭川生活、さみしくなったら二人に電話しよう。
 彼女のいないこの二人なら、いつでも《つながる》だろうし!



END

2015年2月27日

2月27日 ~日暮里・谷中銀座商店街~


 私は、「仲本なおこ」。45歳。

 これまで、特に取り立てて趣味のなかった私ですが、
 先日拝見した美術館での絵を観て、急に絵が描きたくなったんです。

 そして、ちょくちょくデッサンなどは家でやっていたんですが、
 今日初めて風景画を描くべく、野外にやって来ました。


なおこ さぁ、日暮里に着いたけど・・・
    ここからどっちに行けばいいのか?

 長い間東京に住んでいますが、
 日暮里の「谷中銀座商店街」に来るのって実は初めて。
 でも、風景を描くならば、絶対にあの場所って・・・
 前から思いを募らせていたんです。
 スマホの地図アプリに案内されて、無事目的の場所へ。


なおこ 着いたー!

 そう、私が描きたかった場所「谷中銀座商店街の夕やけだんだん」。
 ここから望める景色。

 日暮里駅の西口を出て、そのまま「御殿坂(ごてんざか)」を降りれば、
 御殿坂と谷中銀座の間に「夕やけだんだん」と呼ばれる階段があります。
 夕方この階段に座って、谷中銀座方向を見ると
 綺麗な夕焼けが見えることから、一般公募で選ばれた名前だそうです。
 夕焼けの光景が目に浮かぶような、素敵なネーミング。
 夕方になると、階段に座って夕焼けを待つ方も現れます。
 夕やけだんだんを降りると、そこが「谷中銀座」の入口です。


なおこ ここだ!
    テレビでは何度も観たことがあったけど、初めて来たわ。
    そうそう・・・せ~の。


(シャッター音)

なおこ あれ?うまく撮れなかったか・・・

 初めての夕やけだんだんにやってきた記念で、
 慣れない自撮りなんてのをしてみたけど・・・ダメね。
 一応、せっかくなので娘のヒトミに送っておこうっと。


なおこ さてと、準備をしましょう・・・

 商店街の階段なので、通行する方の邪魔にならない場所で道具を広げ、
 絵を描き始めることにしました。

 実際にこの階段へ来てみると、ホントに素敵な場所。
 商店街を行き交う地元の住民、また私たちのようによそから来て、お散歩する方々。
 小さい子からお年寄りまで、またかわいいペットも一緒に、
 眺めているだけで自然と笑顔になる。

 そして、夕やけだんだんには、もう一つの呼び名があって、
 それは「夕やけにゃんにゃん」。
 理由は、ここの階段に野良猫・飼い猫を問わず、
 沢山の猫が集まってくることから、そう呼ばれているそうです。


なおこ わ!ホントなんだ!?

 噂通り、階段には何匹もの猫たちが集まり、
 通行人のみなさんからかわいがられている。


なおこ まずは、構図を決めて、下書きをしてるんだけど・・・
    なかなかうまく描けない。
    風景画って、家で描くデッサンと違い、とっても難しいんだな。。。

    あ!そろそろ時間かな!?

 今日は、ここ夕やけだんだんに来て、どうしても見たかったのが
 ココから望む夕陽。
 そのために、しっかり今日の東京の日の入りを、
 ネットで調べてきたんです。
 見逃さないように。


なおこ 一応の確認をしておこう。
    音声検索にして、「日の入り」「東京」で、検索!
    あ、あと30分で日の入りだ。

 じゃあ、今から一番キレイな夕陽が見られる時間ね。
 どおりで、夕陽目当てのお客さんもたくさん増えてきた。
 うれしい反面、心の中では焦っている!
 「夕陽が沈む前に、その他の部分描ききれるかな・・・」

 私の風景画と、夕陽が沈むのと・・・どっちが先なんだろ。


(時間経過)

なおこ うわーっ!!キレイな夕陽ね~。
    あ、写真写真!!

(カシャカシャカシャ)

なおこ ホントに、ココから見る夕陽は最高なのねぇ。。。

 思わずうっとりしてしまってる私、もちろん筆は止まっています。
 結局、夕陽までの描き切れないと判断し、
 今日のところは描くのを止め、
 夕陽の景色を目と胸に焼きつけることへと専念しました。

 この素敵な夕陽を、あとで思い出して、絵の続きを書いてみよう!
 あの夕陽を見てたら・・・なんかお腹空いてきちゃった。
 コロッケかな?夕陽とコロッケが・・・《つながっちゃった》のね。


なおこ よし、じゃあ商店街で買い物して帰ろうっと。
    そうだ、有名なコロッケのお店があったわね。
    あそこで買っていこうかな!

 「ママです。今から帰ります。ヒトミちゃん、コロッケ何個食べる?」

(ピッ)



END

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