DJ Keiの「来た球は打っちゃう!」
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菊池 元男
菊池 元男
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2007年8月20日  0:00
僕のおばあちゃんは「ばぁちゃん」
夏休みが終わりそうなこの時期に、こんな空気の匂いとともに必ず思い出す事があります。

僕の父親は出張が多く、月に一週間くらいしか家に居ない事が多く、母親は産婦人科の看護師のため、急なお産があると何を置いても病院に向かいます。


家に帰っても誰も居ないので、僕は、幼稚園の近くにある「ばぁちゃん」の家に向かいます。

実のおばあちゃんはその頃二人とも健在ではあったけど、疎遠でした。

つまり「ばぁちゃん」は、母親の叔母さん。
実のおじいちゃんの妹と言う事になります。

すこし複雑になってしまいましたが…とにかくばぁちゃんの家に帰る日々が続きます。


ばぁちゃんはとにかく僕をかわいがってくれます。

鯉の泳ぐ庭の池に洗剤を流してしまったり、ピアノの上から飛び降りてテーブルを壊してしまった時だって、全然怒られませんでした。

怒られるどころか…

「もっともっとやんちゃしてばぁちゃんを困らせてちょうだい!」と言われたこともあります。

「ばぁちゃんはなんでそんなに優しいの?」

幼い僕は尋ねます。

「それはおまえのことが世界で一番かわいいからだよ!」

ばぁちゃんはそう言って笑うのです。


実はばぁちゃんには僕よりずいぶん年上の男の子が居ます。

僕が幼稚園のときに中学生くらいなので、同じような遊びが出来ないためか、まったく相手にはされませんでした。

だからいつも遊ぶのは、ばぁちゃん!

ちなみにじいちゃんはいつも静かに囲碁の練習をしているか、出掛けてしまっているかどちらかでした。


直接の孫でもないし、直接のおばあちゃんでもないけど、多分僕たちは世界一仲良しな二人だったのを覚えています。



いつしか思春期を迎えた僕は、ばぁちゃんの家に行く回数も減り…お盆と正月くらいに遊びに行く程度になってしまいました。


そんなある日、僕はどうしてもばぁちゃんの作った「しもつかれ」が食べたくなり、電話をしてばぁちゃんの家に遊びに行く約束を取り付けたのです。


そして当日…

ばぁちゃんの家に行くと玄関は開いているのに中には誰も居ませんでした。

家の中に入ってみると、テーブルの上にメモが置いてあり、「材料を買いに行ってきます。元男はばぁちゃんの座椅子に座って待っててね」と書いてありました。


素直に待っていましたが、少し暇です。

何か面白いものはないかな…と部屋を見渡すと、相変わらず新しい食べ物や飲み物が添えてある祭壇が目に入ります。

今日も多分ばぁちゃんは朝作ったご飯をお供えしてるんだなぁ…

でも少し不思議な感じ…

ばぁちゃんの息子はもうとっくに家を出て大阪の音楽大学に通っているはずなのに、なぜか祭壇にお供えしてある食べ物や飲み物はとてもおじいちゃんおばあちゃんが食べるようなものではなく、むしろ子供が好みそうなものばかり。


そう…昔からばぁちゃんの家に来ると、僕が「食べたい」とねだったものばかり…


そして、もっとよく見てみると祭壇の奥には「僕の子供の頃の写真」


え!?祭壇に僕の写真?

とまどうのも無理はありませんよね…僕は生きてますから…


おそるおそる手を伸ばし、その写真を手に取った僕は、写真たてのうしろに小さな文字を見つけました。


「文雄 3歳」


僕ではありませんでした。とても似てるけど確かに違いました。


ふみお君…3歳


僕は実家に帰ってから、母親に聞きます。

「ばぁちゃんの家の祭壇のふみお君の話、聞いたよ!」

本当はウソです。

ぜんぜんばぁちゃんにその話は聞いてません。


すこし息を整えた様子の僕の母親は、悲しげな表情で僕にこう言いました。

「そっかぃ…ばぁちゃんも元男が大人になって来たからやっと言えたんだね」

わかっていたつもりだけど、母親から聞く事実は、もっと悲しい出来事でした。


「ふみお君」は3歳のとき、ばぁちゃんがほんの少し目を離した隙に川で事故にあい、幼くしてこの世を去った実の息子でした。


当時のばぁちゃんは、見ていられないほど憔悴し、今にも亡き息子の後を追いそうな姿だったそうです。


そこに現れたのが、亡くした息子にそっくりな「元男 2歳」


ばぁちゃんは、僕が遊びに来る日だけを心待ちにし、そしていつの日か成長して、いたずらをする僕に目を細め…生きがいを見つけ、立ち直っていったのかも知れません。



当時中学生の僕は「身代わりの愛」に戸惑い、ばぁちゃんのやさしさを拒むようになりました。

知ってしまった以上、今まで通りにはいかない程、落ち込んだ気持ちになった事もあります。


そんなある日、手紙が届きました。

「元男の後ろに文雄を見ていたのは本当です。でもばぁちゃんは元男が大好きです。だから二人分大好きです。今度時間が出来たらでいいから顔を見せておくれ。」

ばぁちゃんからの手紙でした。

どうしようもなく涙があふれて止まりません。

ばぁちゃんがどんな気持ちでこの手紙を書いたか…


「二人分の愛」

僕が嫉妬したのは文雄君への愛…

僕が肌で感じていたのは、人並み以上の、それこそ二人分以上の愛!

そして僕の存在が、ばぁちゃんの元気を支えていたという事…



数年後…ある夏の日に、ばぁちゃんは危篤におちいり、駆けつけた僕たちの見守る中、息を引き取りました。

「文雄君の写真」も合わせて3人の息子が見守る中で…


だから、ぼくの中の一番大好きなおばあちゃんは「ばぁちゃん」です。


これからもずっと「ばぁちゃん」からもらうことの出来た「二人分以上の愛」を忘れることはないでしょう。

だから僕は愛を信じます。

2007年8月16日  0:00
パンク修理物語(ハセキョウ編)
宇都宮から約10キロ…白沢街道を左に入って河内町の町営プールを過ぎて1キロほど北に渋滞が…

普段ではありえない場所での渋滞です。

うーん…なんで詰まってるのかな?

しばらく行ってみると、一台の車が立ち往生!
「故障かな?まったく迷惑な話だぜ」
あちこちの運転手から心の声が聴こえて来ます。

運転手は車を放置してどこかへ行ってしまったのかな?
みながそう思って気にもしなかったでしょう。
少し渋滞を抜けてしまえば、みんなそれでよかったはずです!

しかし!僕は!

見つけてしまいました!

その辺には川が流れていて、すこし窪んでいるんですが…その下のほうで薄いピンクのカーディガンを着たちょっと綺麗めのお姉さんの姿が!

そのお姉さんは、携帯を片手にちょっと泣きそうに見えたんです。

僕は車を近くの邪魔にならない路肩に止め、向かいました。向かいました。

するとそこにはあの女優長谷川京子に似た女の子が!!!!!!

「あの…車大丈夫?ですか?」半オクターブ下げた声で聞く僕。

すると携帯をそそくさと切りそのはせきょうは「あ!すみません…タイヤがパンクしちゃって!今地元の西那須野の修理工場に電話してたんですけど、ここまで来るのに2時間くらいかかるって言われちゃって」

西那須野からだと確かにこの渋滞では、2時間くらいはかかるなぁ…

djkei「よかったら、ちょっとタイヤ見てみましょうか?」
はせきょう「たすかりますぅ!誰も止まってくれないし、クラクションならされたりで怖くて怖くて…」

そりゃこわいでしょ!
寂しかったでしょ!

djkei「タイヤ交換くらいすぐですから、大丈夫!」

はせきょう「でも…私の車、替えのタイヤ積んでないんですぅ…涙」

djkei「ちょっとトランク開けていいですか?」

djkei「ありますよ♪こ・こ・に♪」

はせきょう「あっ!ほんとだぁ!しらなかったぁ!」

djkei「じゃあタイヤ交換始めますよ?いいですか?」
(さらに半オクターブ下げた声で)

はせきょう「おねがいしますぅ」(多分目はハート)



かっくいい!おれかっくいいよ!
だれも止まって助けてくれなかったんでしょ?怖かったんでしょ?寂しかったんでしょ?

世紀末救世主伝説のケンシロウよりも
クラリス姫を助けるルパン三世よりも
キムを救うジャック・バウアーよりも

かっくいいはずです!

そのかっくいい僕は…

さらに手馴れた手つきで車をジャッキアップ!!
そして手馴れた手つきでレンチをローリング!!
まさに手馴れた手つきでタイヤ交換をものの数分でフィニッシュ!フィニッシュ!

しかも少し寡黙に…

もう惚れているはずです…

はせきょうを振り向こうともせず一心不乱に男の仕事をする僕に…

「さぁ!終わりましたよ!」




わぁっ!


すぐ隣に居ました!はせきょう!



しかもスカートなのにしゃがんでいます…



実は途中から気が付いてました。

はせきょうが「今後の参考のために隣で見せてもらっていいですか?」って聞いてましたもん!
まぁ僕は高倉健並にうなずくだけでしたけどね…




で…まぁはせきょうは「ホントにありがとうございました、ホントに助かりました」
続けて「あの連絡先とか教えてもらえますか?」

djkei「いや…そんなつもりでしたわけじゃないですから!」
さわやかに言い放ちます。

djkei「スペアタイヤはそんなに距離走れないんで、すぐガソリンスタンドかなんかでパンク修理してもらってください」
「じゃあ僕はこれで…」



聴きますよね?連絡先を後を追ってでも聴きますよね?


どんどんはせきょうの車から遠ざかる僕

うしろから追って来る気配を探す僕

振り返らず少しゆっくり歩く僕



でももう自分の車に着いちゃった僕

車のドアをバタンと閉める僕

車のキーを差し込んじゃった僕

エンジンをかけちゃった僕

走り出しちゃった僕

連絡先の「れ」の字も伝えなかった僕…


いいんです…別に最初からそんなつもりじゃなかったし…相手がどんな人でも助けたと思うし…

いいことしたらきっと太陽は見ていてくれるはず!


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