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乗客は足早にそれぞれの家に向かう。
そんな中、あたたかな湯気が、ふわふわと立ち上っている場所があった。
もくもくではなく、ふわふわと。
力強くはないけれど、優しい湯気。
そう、宇都宮駅7番線、8番線側の『立ち食いそば屋』である。
あらかじめ加熱された麺にささっとお湯を通して、
簡単な具とツユをかけただけのもので、うどん好き、そば好きの方にとってみれば限りなく"邪道"な麺。
手打ちのそば、うどんと比べれば、遥かに下のランクにカテゴライズされるものなのに、なぜかウマイんだよね。
砂漠で飲む一杯の水のような、
労働のあとのビールのような、
友人達とわいわい囲むバーベキューのような、
そんなイメージの不思議な美味しさ。
そういえば昔、『一杯のかけそば』という逸話が日本中で有名になった。
貧しい中にも家族間の愛、思いやり、優しさがこめられた、あの話。
ここ最近の不況の中で、そんな話題が出てこないのは、
まだ余裕があるからなのか? それとも本当に余裕がないからなのか?
そんなことを考えてみた。