ワタナベ隊員の調査ファイル
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渡辺 裕介
渡辺 裕介
2011年2月6日  0:00
隊長! 天然氷の話を聞いていたら・・・おーい、くろすけ~^^;
四代目徳次郎、山本さんのはからいで、受講した人たちも実際に氷室(ひむろ)の中を見せていただけました。

細かなオガクズに守られて、夏を待つ『日光天然氷』。
山の北側に位置するため、1日を通して日陰になります。
オガクズの保冷効果と日陰のため、仮に1年放置しても5割くらいは残るという、まさに"天然の保冷庫"。
人類の知恵を感じますね。

冷凍庫が登場するまでは、夏場の「涼」や食材の保冷のために、各地の旅館などへ売られていたそうです。

「天然氷業者」は全国的にも少なく、日光に3軒、長野と埼玉に1軒ずつの、全部で5軒だそうです。
北海道や東北など、もっと寒いところなら1シーズンでもっと多くの氷を作れそうですが、
天然氷作りにとっては"雪が大敵"になるため、やはり極端な豪雪地帯で無い日光くらいの立地が適しているそうです。
あと、硬い氷を作るのに最適な気温が-7度~-8度前後ということで、これも"日光"向き。

さらに「美味しい湧水」もあるので、条件的には非常に優れているんです!

スタッフの方に話を聞いていたら、「氷の切り出しの日を公開しているので、見学も自由ですよ」とのこと。
ぜひ、来たいと言ってみたものの、寒波が来ない限り3度目の採氷は無いようです。
そんな中、会話の中で意外な名前が登場。

「別のところでリポーターのくろすけさんにお会いしたので、前回の切り出しの日をお伝えしてたんですけど・・・」

お~い、くろすけ~! 面白い話は俺にも教えてくれ~! 特に日光ネタ(笑)

2011年2月6日  0:00
隊長! 天然氷を甘く見ていました。。。反省。
5年前のこと、高齢になった吉新さんが「氷屋徳次郎」を廃業しようとしたときに、
"天然氷は日光の宝だよ"と何度も何度も説得し、根負けした親方(吉新さん)から、技術と施設を受け継いだ山本さん=四代目徳次郎。

この方が今回の「日光学」講座『世界遺産とともに守られる日光天然氷Ⅱ』の講師でした。駅での講座のあとには"氷池"の見学も。

昨年の猛暑の中、「ウマイなぁ~」「やっぱりコレだよなぁ」と食べまくっていた『天然氷のかき氷』。
その氷を作る為にどれだけの苦労があったか、まったく知らずにいたことが恥ずかしくなるほど、驚かされることばかりでした。

真冬に、昼夜を問わず"氷池"と向き合い、雪を払いながら寒波の到来をじっと待つ。
池に満ちた湧き水が凍ったら、総出で切り出し、重さ40キロの板氷を氷室まで運び入れる。
今年は2回の切り出しで160トンの氷を得られたが、商品として出せるのは全体の3割程度。

冬だけかと思いきや、夏には出荷のために40キロの板氷を何度も何度も運搬する。

とんでもない重労働で、さらに天候にも大きく影響を受ける。
しかも、以前は「製氷業者が冷凍庫で作った氷」と価格がほぼ同じだったという驚愕の事実。

先代の親方からも「生半可な覚悟じゃあできないよ」と言われていたそうです。

しかし、少しずつ人が集い、"日光の宝"の継承につながっていることを知りました。

透明の天然氷の中には、壮大なドラマがありました。


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