[今週のレター]2017年11月2日
くらげさん こんにちは。「クラゲさん、こんにちは」
北米 44歳 青屋 恵理子様 お父さん。お父さんが亡くなって、早37年の月日が流れましたね。 あの時7歳だった私も、お父さんが亡くなった年齢にあと2年で追いついてしまいます。お母さんが、「あんたたちが悪い事する時は、いつだってお父さんが見ているんだからね」と脅すような育児をしたものだから、神様を信じるよりもよっぽどお父さんの存在を身近に感じながら成長して、今に 至ります。 あの日、棺の中で横たわるお父さんの顔を眺めながら、 それでも私は、「死」というものが、よく分かっていなかった。 わからなかったけれど、今日を最後にお父さんとはもう会えなくなるのだ、 という事は、なんとなく理解していました。 誰にも言っていないけれど、あの日、私は心に誓った事があります。 「お父さんと一緒に過ごした毎日を忘れない」絶対に!絶対に・・・。 お父さんの顔、お父さんと手をつないで歩いた時の手の感触、お父さんの歌う声。夜眠る前に目をぎゅっと閉じて、心に浮かべました。必死でした。 お父さんの記憶が薄れて行くのが、怖くて仕方なかったから。 でも哀しいかな。37年経った今、私の記憶で再生できる内容の 少なさを、当時の私が知ったならば、カンカンに怒らせてしまうことでしょう。 そんな私の記憶の箱の中で、しっかりと残っているお父さんとの思い出の一つがお風呂の中でタオルを使って遊んだ「クラゲさん、こんにちは。」工事のお仕事でどんなに疲れて帰ってきても、お風呂だけはお父さんが私たちと一緒に 入ってくれましたよね。 「クラゲさん、こんにちは。さようなら。クラゲさん、また明日・・・」 ふざけた調子で歌うお父さんの様子に大喜びだった私達。 今、私は同じことをもうすぐ7歳になる娘とお風呂の中でやってますよ。 お父さん歌い方を真似ながら。どうやら、クラゲさんがお父さんの形見となって、代々泳ぎ続けそうです。「クラゲさん、こんにちは、また明日・・・」 お父さん、ありがとう。お父さん、ずっとずっと大好きよ。 |
ご紹介します。
「つたえたい、心の手紙」は、亡くなった大切な方へ向けて
生前つたえられなかった想いを“手紙”として記すことで、
悲しみを乗り越えるきっかけになれば・・・という願いのもと、
冠婚葬祭互助会の(株)くらしの友が、2008年より毎年実施している
活動です。