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[栃木恋物語]

2016年3月25日

2016年3月 第4回


「同級生」 最終回


<前回までのあらすじ>
この物語の主人公、ヤヨイ・ハルカは、15年ぶりとなる同窓会に行くべきか悩んでいた。
小学6年の思い出は、正直、暗いものだったからだ。
その根源となっていたのは、ウヅキ・ヨウコウとの複雑な関係のせいだった。
転校が多かったハルカに、初めから親しくしてくれたのはヨウコウだったが
そのせいで、別れが余計に辛くなった。
かと思えば、中学になると引っ越し先にふらりと訪ねてきて、
そこから2人の付き合いは始まったが、
遠距離という溝を超えらなかった。
月日は流れ、大学時代に就活が縁で、ばったりとヨウコウと再会。
二度目の付き合いが始まったと思ったが、
卒業後の進路で再び別れてしまった。
もやもやした気持ちを抱えたままハルカは四国の役所で勤め始めたのだが
社会人は、ハルカが想像していた以上に厳しいものだったのであった。
そして…


大学で学んだことを生かしたいと、地方自治体に就職したのは良かったが
もともと人付き合いが得意ではないハルカにとって
初対面の街のおじさん、おばさんとの会話は苦痛でしかなかった。
若い子が来てくれたのが嬉しくて、親しみを込めて話しかけてくれるのだが
それが、ハルカにはプレッシャーだった。

そんなことが続き、2年が経つ頃にはハルカは情緒不安定になっていた。
そのあとは、あまり人との交流がない部署へと転属したが
転属先では、ハルカに対して腫れ物に触るようで
それはそれで居心地が悪かった。

結局3年が過ぎた頃、ハルカは自分から退職願を提出し
千葉の実家に戻ることにした。
家でブラブラしていても仕方がないと、事務職の派遣社員として働き始めたが
会話もなく黙々とデータを入力するだけの日々は
気は楽だが、まるで味気が無い。
またしてもハルカは「自分の人生、このままでいいのかな…」と悩み始めていた。

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