[今回のSAKURA情報]

2015年2月25日

さくら市制10周年記念事業 オペラ「雨情とひろとお月さま」について☆

あなたは、オペラを鑑賞したことはありますか?

さくら市が誕生してから毎年開催されている「雨情音楽祭」。野口雨情の詩を合唱や民謡、オカリナ、日本舞踊などで伝えるという音楽祭ですが、さくら市誕生10周年を迎える今年はなんと雨情のオペラ「雨情とひろとお月さま」が上演されます。しかも新作なんですよっ


先日、出演者全員が集まる稽古場へとお邪魔してきたのですが・・・すごいです。


野口雨情の「童謡」というイメージがくつがえされる大迫力の舞台です。それもそのはず。台本も指揮者も演出者も舞台監督も。出演者の方々も、東京や日本、そして世界で活躍されるプロの方々なんです。更に地元さくら市からは、オペラ歌手の近藤佳津江さんと、有志で集まったさくら市民合唱団の方々が集結しています♪


今回は、このオペラ「雨情とひろとお月さま」の台本・作曲を手がけられた岩河智子さん(※写真↓右の方です)にお話を伺いました。
オペラ誕生のきっかけの土壌には、さくら市誕生から毎年続けてきた雨情音楽祭が下地にあります。雨情の詩から生まれた音楽に親しんできたさくら市の方たちがいて、十年かけて蓄積されてきた雨情への愛が、今回オペラという形に発展したそうです。

岩河先生は、雨情の詩を使って雨情とひろの物語を、詩をピックアップして、ストーリー立てて、雨情の詩にほれ込んで作られたそうです。

敷居の高いイメージのあるオペラは、よく総合芸術と言われます。台本が文学、音楽がついて、美術で仕上げます。今回のオペラにもたくさんの芸術家の力が結集して、野口雨情の物語が立体化されます。

今回はオール日本語で上演されるオペラ。豪華な出演陣もご紹介させていただきますと・・・

♪語り手・・・・・竹澤嘉明さん
♪野口雨情役・・・田中誠さん
♪ひろ役・・・・・三縄みどりさん(※写真↓左から2番目の方)
♪雅夫役・・・・・窪田晶子さん(※写真↓一番左の方)
♪ちゑ役・・・・・近藤佳津江さん(※写真↓左から4番目の方)

♪チェロ・・・・・宮澤等さん
♪ピアノ・・・・・鈴木綾子さん

♪作詞・・・・・・野口雨情さん
♪台本と作曲・・・岩河智子さん
♪指揮・・・・・・樋本英一さん
♪演出・・・・・・中津邦仁さん

たくさんの才能が結実した舞台です!!!
オペラの内容は・・・雨情とひろの物語です。そこに雨情の詩によく登場してくる3本柱のモチーフ。月がいつも見ている、鳥が自由に羽ばたきたい、親子の別れ・・・を軸に、物語は進みます。

喜連川出身のひろと出会い、子供をもうけた雨情とひろ。文学への夢を捨てきれない雨情は家庭を置いて、出ていきます。

残されたひろは、雨情を逆恨みするのではなく、雨情の詩を愛し、子供を育てました。特に童謡「雨ふりお月さん」は、ひろの嫁入りを題材にしたといわれる作品。せっかくのお嫁入りなのに、なぜか毅然とした姿で一人進んでゆくお嫁さんの姿。雨情と別れてからも、姿勢を崩さずに雨情の作品を愛した、文学を愛する感性を持つひろだからこそできた、愛の形なのかもしれません。

「雨ふりお月さん」をはじめ、雨情の有名な童謡を散りばめたオペラは、とても親しみやすく、聴きやすく、童謡の奥に潜む深い世界観を感じられることでしょう。

雨情の残した言葉・・・「単純は究極の複雑」。歌い継がれる雨情の詩に潜む究極の複雑を、是非感じてみてください☆



(※写真↓は練習風景です)
今回オペラの台本と曲を書くために、雨情とひろの世界で呼吸してきた岩河先生はおっしゃいます。ひろの生き様は世間の尺度で見たらつらいものだったかもしれない。有名な詩人の影にいた素敵な女性。雨情の詩を守り、残された子供を育てたひろ。その人生はとても豊かで幸せなものだったのではないか・・・。他人には計り知れない夫婦の愛の絆がメロディとなって、岩河先生の感性から芽吹いたのかもしれません。。
さくら市だからこそ出来た、世界にたった一つのオペラ。岩河先生から、オペラ観覧に向けて、皆様へのメッセージをお届けします!

「オペラとは、感情のジェットコースター・・・自分の感情が一気に駆け上がったり、急降下したりします。見に来て下さる方は、音楽に身をゆだねて、自然に聴いて、客席で耳を傾けて、目は舞台に! 小さなお子さんも楽しんで、年配の方は時に一緒に口ずさみながら、既成の童謡も楽しんでください。」

オール日本語で上演されるので、安心ですね。なんの予備知識もないオープンマインドで、是非鑑賞しに出かけてみてはいかがでしょう。感情のジェットコースターが、あなたのお越しをお待ちしております☆

:::オペラインフォメーション:::
・さくら市制10周年記念事業オペラ「雨情とひろとお月さま」は、3月8日(日)午後1時30分開場、午後2時開演。会場は氏家公民館ホール。
・入場は無料で、定員は600名。
・お問い合わせは、さくら市教育委員会・生涯学習課 電話028-686-6621番までお願いします。

(※写真↓は岩河先生の楽譜です。雨情の詩から浮かぶ音符を五線譜にのせて、およそ2時間に渡る舞台の曲は作られたそうです。岩河先生の才能にも感服致します。)