[今週のつながる劇場]2014年5月9日
5月9日 ~麹町・コーヒーショップ ファースト~![]() 私は、「小林エリナ」(28歳)。 下着メーカーで勤務。 今は、新商品の開発などを担当しています。 今日も、ちょっと会社を抜け出して、近所の喫茶店へ。 エリナ こんにちは~。 えーと・・・アイスコーヒーと・・・タマゴサンド。 ください! 会社の近く、麹町にある「コーヒーショップ・ファースト」。 昔ながらの喫茶店。 シアトル系のオシャレなカンジでもなく、 茶色いコーヒーシュガーが置いてあるような重厚感もなく、 ごくごく普通のビジネス街に溶け込む、入りやすいコーヒーショップ。 しっかりと苦みのきいたアイスコーヒーと、 タマゴサンドが私のお気に入り。 他にも、サンドイッチやホットドッグ、お惣菜パンがどれも美味しい! そして、5回に1回は、コロッケサンドも頼んじゃいます。 エリナ うーーーん!!今日もタマゴサンドが美味しい!! そして、アイスコーヒーで落ち着くぅ~。はあ~。 不思議なもので、ここのサンドイッチを食べると、 いつもおばあちゃんのことを思い出す。 なぜなら、小学校の運動会の時、我が家の家族弁当は、 いつもおばあちゃん特製のサンドイッチだったから。 友達のウチのお弁当は、だいたいおにぎりとかお稲荷さんだった。 サンドイッチがメインのお弁当は、ウチぐらいだった。 でも、おばあちゃんの作るタマゴサンドやツナサンドが、美味しかったんだよね。 久しぶりの食べたいなぁ~。 エリナ よしえばあちゃん、元気かな? 久しぶりにメールでもしてみようかな。 「よしえばあ、元気?お母さんに聞いたけど、風邪は大丈夫。」 で、送信と。 おばあちゃんにメールを送る時、気を付けることは、 長文にならないこと。 昔、たくさん書いて送ったら、 読んでるうちに頭が痛くなってきたと怒られたから。 私の中では、1回につき2行までと決めている。 (メール受信音) エリナ 今日の返信は、珍しく早い! 「エリカいつもありがとう(えがお)ばあちゃんの風邪は治ったよ(たいよう)今度はいつ帰ってきますか(ふじさん)」 この意味不明の絵文字も、よしえばあちゃんならでは。 エリナ 今度はいつ帰る・・・か。 ゴールデンウィークは帰れなかったしなぁ。 「まだ決まってないけど、お盆のお休みには帰るよ。 帰ったら、またよしえばあのサンドイッチが食べたい!」 とは送ったものの、お盆に帰れるかな? 夏休みはあるんだけど、 まとまった休みはいろいろやりたいこともあるしなぁ・・・ (メール受信音) エリナ 「お盆に帰っておいで(えがお) ばあちゃんのサンドイッチが食べたいなら田舎に戻ってくればいい(みかん)」 なんで、ミカンの絵文字なんだろ?? サンドイッチの話をしているのに・・・ でも・・・よしえばあちゃんに、「戻ってこい」とか言われると、 正直気持ち揺らぐんだよね。 なんで、わかるんだろ? 友達が徐々に結婚し始めていくけど、私は予定もないし。 仕事も順調といえば順調だけど、将来が不安だし。 東京で暮らし始めて10年。もうすぐ30かぁ・・・。 いろいろ考えちゃうな。 (メール受信音) エリナ また、きた! 「エリナ好きな人はおらんのか(えがお) いたらばあちゃんには教えてよ(ねこ)」 エッ・・・ 頭の中を完全に見透かされてる!! さすが・・・よしえばあちゃんだ。 こんなに孫のことを気にかけてくれるなんて、うれしいな。 よしえばあちゃんとは、いつも〝繋がってる〟って感じがする! エリナ 「うん、わかった!必ず教えるから。 彼氏のことは、お盆に帰った時、いろいろ報告するね。 じゃ、仕事に戻ります!」 あー、送っちゃった。。。 彼氏いないのに。。。 でもまぁ、これで夏までに彼氏を作るという目標もできたし。 よしえばあちゃんに、喜んでもらえるイイ~彼氏を見つけなきゃ! さぁ、会社に戻らなきゃ!! エリナ ごちそうさまでしたー! END |
2014年5月2日
5月2日 ~上野・国立科学博物館 特別展~5月2日の舞台は「上野・国立科学博物館 特別展」。 僕は、「佐藤まもる」(27歳)。 今日は彼女と上野で待ち合わせ。 あまり行くことのない上野。。。 でも、彼女のどうしても「行きたい!」 というリクエストに付き合って、僕は今、 待ち合わせの時間に上野公園の入り口で立ってます。 (メール受信音) まもる スミレからだ。 なになに・・・ 「間違えて、アメ横の方に出ちゃった!公園の方に向かうから待っててね」・・・だって。 ほら、だから慣れない所で待ち合わせするもんじゃないな。 (時間経過) まもる スミレー!ここ、ここ! スミレは、遅れて来たくせに、急ぐ様子はぜんぜんない。 笑顔で、ニコニコしながら歩いて来た。 ま、彼女が楽しそうにしていて、悪い気はしないけど。 まもる そんで、今日は上野公園で何するの? 行きたいって・・・どこ?? 歩き出してわずか1分ぐらいかな。 目的地へはすぐに着いた。 スミレは、そこで僕に、こんなチケットを渡した。 まもる なんだ?「特別展・・・医は・・・仁・・・術」 ナニこれ?? スミレがくれたのは、上野公園の中にある 「国立科学博物館」で6月15日まで開催されている 「特別展・医は仁術(い は じんじゅつ)」という展覧会のチケット。 まもる これ?スミレが来たがってやつって? ふーん、そうか。で、チケットも買ってあるんだぁ。 「医は仁術」ね。。。 わかった・・・よし、入ろう。 スミレって、こういう博物館とか、絵画展とか、歴史展とか、 前から好きなんだよな。 僕はあんまり・・・苦手。 恐竜とかモーターショーとかゲームショーとかならイイんだけど、 難しいのはダメだ。。。 ま、でも今日は、スミレのために、最後まで付き合おう! ただ・・・「医は仁術」って、何の展覧会をしてるんだろ?? まもる あー、ここだ! なんか、こういう博物館みたいのって、 入る瞬間ワクワクドキドキするよな。 え?あースマホね! そうだ、マナーモードにしとかないと。 しーんとした中で鳴らしたらヒンシュクだ! 「医は仁術」 それは、「江戸の医から、未来を眺める展覧会」というキャッチコピー。 江戸時代の医学についての展覧会らしい。 そういえば・・・そんなドラマが以前あったような・・・ まもる (小声で) あ!スミレ、「大沢たかお」さんが、スペシャルナビゲーターだって!! そっか・・・TBSドラマ「JIN」の主演だった大沢さんだ!! 僕は、ドラマの「JIN」と関連があるとわかった瞬間、 俄然展覧会に興味がわいてきた! 500円で借りられる音声ガイドの声も、 大沢たかおさんの声でテンションが上がった! 会場の中は、意外にもたくさんの人で賑わっていた。 賑わってはいるが、もちろん誰ひとりとして話したりしてはいない。 みんな、静かに展示物を順番に眺めている。 その中に、彼女のスミレもいる。 まもる (小声で) さて、僕も見ていこう・・・ 日本の医学や医療は、世界の最先端と言われているが、 その始まりはなんと江戸時代からだという。 江戸時代に、日本で初めての人体解剖が行われたらしい。 また、教科書か何かで聞いたことはある、「解体新書」なるモノも、 この時期に杉田玄白(すぎた・げんぱく)という方々によって翻訳されたとか。 まもる (小声で) ふーん・・・そうなのか。 意外にも人体の構造がちゃんと解明されたのって、 江戸時代あたりからなんだなぁ。 昔の人の寿命が、今の僕たちよりも短いわけがわかった! そりゃそうだ、病気やケガしたって、治し方や体の構造を、 まだ誰ひとりわかってなかったんだもんな。 まもる ん! (小声で)スミレ!もしかしてアレは・・・ 当時の手術を人体模型じゃないか!? へぇ~~~ やはり、今と比べれば人体模型もかなり違う。 実際とはだいぶ違ってるように見えるけど、 でもこの第一歩があったから、今の医学につながっているんだな。 この時の努力が、今の未来を作っているってことか。。。 そして、最後はあのパラパラ漫画芸人の鉄拳が、 この展覧会のために作ったパラパラ漫画の映画を観て、イベント終了。 まもる ぐぐぐぅ・・・このパラパラアニメ・・・泣げるなぁ。。。 まもる なぁスミレ、僕あんま期待してなかったけど、この展覧会「医は仁術」。 すっげー面白かった。 僕たちも、江戸の医学みたいに、 将来のための第一歩を残していこうぜ。 未来のふたりへ、「繋がる」ようにね! スミレは、なんか変な顔をしていた。。。 END |
2014年4月25日
4月25日 ~両国・江戸東京博物館~4月25日の舞台は「両国・江戸東京博物館」。 私は、「町田たつお」(37歳)です。 今日、仕事は休み。 そこで、小学一年生の娘と一緒に、 地元・子ども会の親子ウォーキングイベントへ参加。 仕事が休みの日は、家でダラダラしたいけど・・・ 娘のためにがんばろうっと。 たつお ナオ、集合場所は小学校の校門前でイイんだよな? 親子で校門前に集まって、そこからみんなで歩きながら、 両国にある「江戸東京博物館」を目指し、そこでゲームに参加する・・・ ということらしい。 (メール受信音) たつお ママからメールだ。 「ナオの同級生のママたちに会ったら、ちゃんと挨拶してね」・・・ だって。 そうこうしてるうちに、ウォーキングイベントがスタート。 まずは、数キロ先の両国「江戸東京博物館」を目指して歩きます。 たつお 博物館に行ったら、何かゲームがあるんだって? どんなゲームなんだろ?ナオ、知ってる? そういえば・・・江戸東京博物館に行くの、初めてだな! そんなことを話しながら、かれこれ30分ほど。 目的地の江戸東京博物館に着いた。 地元なので見慣れてはいるが、改めて眺めると・・・ 変わった形の建物だよなぁ、これ。 ビルに足が生えたみたいな・・・高床式の要塞ってカンジ・・・ たつお はーい!町田ナオと父親、2名いまーす! 点呼が終わると、ここでのイベントが説明された。 各親子、それぞれにクロスワードパズルのシートが手渡され、 これを今から親子で協力して、謎解きしていくらしい。 クロスワードのヒントは、 すべて江戸東京博物館の館内のどこかにあるんだとか・・・ たつお へぇ・・・。ナオ、わかった? なんか・・・面白そうだな~!! おとうさん、クロスワードパズル得意だから!ワクワクしてきたぞ! 制限時間は1時間。 1時間のうちに、20個のクロスワードパズルを解けるかどうか? よーい、スタート!! たつお よし、ナオ行くぞ! ふたりは、エレベーターで博物館の内部へ。 一歩中へ入ると目の前にあるのは・・・ドドーンと大きな橋!! たつお なんだこれは?? 博物館の中に・・・こんな大きな橋があるなんて・・・何の橋だ?? ん、なになに・・・書いてあるぞ。 「19世紀前半に架けられた、当時の木造式の日本橋の復元・・・」 だってさ! しかも、これでも半分なのか。大きいなぁー!! ほらナオ、見てごらん!博物館が吹き抜けになっていて・・・ この橋から下のフロアが見えるな。 ホントに博物館の中の橋としても使われているんだ・・・ すごいスケールだな!! 建物の外からは想像もできなかった内部の作りに、 素直に驚いてしまった。 たつお ナオ、どうした?何見てるんだ? この橋の名前が何かだって・・・日本橋だけど?それが・・・ あーっ!そうか、橋の名前が、クロスワードの問題になってたか! すっかり忘れてた!!ナオちゃんは天才だな~。 よし、次の答えを探そう! 江戸東京博物館の常設展示室は、 主に「江戸ゾーン」「東京ゾーン」などで構成されていて、 5階と6階が吹き抜けで、そこに復元された日本橋が架かるという 大きな展示室になっている。 綿密な調査研究を踏まえて復元した実物大模型や、 当時の様子を忠実に再現した縮尺模型、 当時の人々が実際に使っていた実物資料なども豊富に展示されてる。 たつお スゴイな~、ここは江戸時代から戦後の東京へ、 タイムスリップしたカンジなるな。 あれ?ここに江戸時代の芝居小屋がある・・・ ナオ、この問題なかったっけ?あ、「ナ」で始まるここのワードだ! 答えは「中村座」って、書いて。よし、順調だな! 江戸ゾーンから、次に東京ゾーンへ。 東京ゾーンに入ると、江戸からは一変、 文明開化された明治・大正時代のモダンな建造物が復元されている。 また、体験型展示のコーナーもあって、そこには当時の人力車、 日本で最初の電話ボックス、昭和初期の東京の平屋住宅などが体感できる! たつお ナオ、ほら人力車に乗ってごらん!いくよ~! [SE]写メ音 たつお ほら、見てごらん。 これ、ナオがタイムスリップして昔の東京にいるみたいな写真だろ。 江戸東京博物館って不思議な場所だな。 時空を超えて、現代と過去を〝繋いで〟いるみたいだ。 江戸時代へ戻ったような錯覚になる! (ピピピ) たつお おーっと、残り制限時間10分だ! ナオ、急ぐぞ。残りあと何問ある?? よし、さっきの日本橋の方へ戻ってみるぞ! END |
2014年4月18日
4月18日 ~下北沢・510’s Bar~4月18日の舞台は「下北沢・510’s Bar」。 ![]() 私は、「大島ゆみこ」(32歳)。 今日は仕事帰りに、普段立ち寄らない下北沢駅で電車を降りた。 ゆみこ エエッ!!南口・・・こんなんだったっけ?? 駅前のコンビニとかなくなってるし・・・ マックもオシャレになってる・・・へぇ~~~。 実は先日、実家の大掃除をしている時、 1年前に亡くなったおとうさんの遺品の中から、 とあるお店のライターや写真が大量に出てきたのです。 おとうさんが行きつけにしていたお店なのか? それとも、母には言えないようなことをしていたのか? そのお店が〝BAR〟であることはネット情報でわかったんだけど、 なぜそんなにも通っていたのだろうか。。。 とにかく気になったので、いつか近くに行った時にでも、 ちょっと覗いてみようと思った訳です。 そして、それが今日ということに・・・ ゆみこ シモキタの地理はだいたいわかるけど、 念のためにスマホで地図検索と! [SE]タップ音 ゆみこ うーんと・・・こっちか・・・ この角を曲がって・・・路地に入ったところ・・・ [SE]雑踏ノイズ~静寂に ゆみこ あーここだ。 写真の看板と同じだ・・・ 「ゴ・イチ・マル・アポストロフィ・エス(510's)」と書いて、 「ゴトウズバー」と読むらしい。ネットで知った。 こんな雰囲気のあるBARに、しかも女ひとりで入ってイイのかな・・・ それよりなにより・・・メチャクチャ入りづらい・・・ 入口は地下のようで、薄暗い階段を若干忍び足で下りてみた。 ゆみこ ふー。よし! [SE]手動ドア開閉音 ゆみこ あ、あ、あのぉ・・・い、い、いいですかぁ・・・ ひ、ひ、ひ、ひとりなんですけどぉ・・・ どう考えても、私の方が怪しくなっていた。。。 店内は、これぞBARといった雰囲気で、 壁一面にはピカピカに光ったBARカウンターがあって、 その周りには数々のお酒のボトル、そしてキラキラのグラスがある。 BGMには渋めのジャズが、うすーく聴こえる。 カウンターや2人用の席、また10人ぐらい座れそうな席と、 奥行きがあって広い。 とにかく素敵!ドラマに出てきそうな、これぞBARってカンジ! そして、カウンターの中に、マスターらしきバーテンダーさんが1人。 ゆみこ こ、こ、ここ・・・いいですか・・・ 恐る恐る、カウンターの一番端っこに座った。 私は、見てもわからないお酒だらけのメニューを一応吟味して、 結局とりあえずビールを注文。 そして、今日ここへ来た最大のミッション!! そのビールがくる時を狙ってスタンバイをしたのです。 [SE]タップ音 [SE]グラスを置く音 ゆみこ あ!・・・あの、スイマセン・・・ この写真、こちらのお店ですよね?やっぱり・・・ じゃ、じゃあこの男の人・・・ご存知ですか?? 私のスマホに入ってる、 おとうさんの写真をマスターさんに見てもらった。 すると・・・すぐに「あー大島さんですね」と!? ゆみこ え・・・そうです大島です!!私、この人の娘です。大島ゆみこです。 実は父の引き出しの中から、 こちらのお店の写真やライターなどが出てきまして・・・ 気になったので今日来てみたのです。父は・・・常連だったのですか?? [SE]グラスの氷音 お忙しいマスターさんをつかまえて、私は矢継ぎ早に事情を説明した。 マスターは、おとうさんのことをよく憶えていました。 サラリーマンだった頃のおとうさんは、 こちらのお店の常連だったようで、 定年までの数年間、仕事終わりに立ち寄っていたとか。 来る時とはいつも一人で、いつも同じカクテルと同じおつまみで 飲んでいたらしい。 仕事での愚痴をマスターに話したり、一言も喋らない時もあったり、 子どもたちの成長を笑顔で自慢したり・・・ マスターが教えてくれたその光景は、 私の知らないおとうさんの一面ばかりでした。 マスターも、おとうさんが亡くなったことは知らず、驚いていました。 ゆみこ へぇー、これですか!? 父が必ず飲んでいたお酒「ゴッドファーザー」・・・ これをいつも飲んでいたんだぁ・・・(ゴクッ) 濃い!ハーッ、濃いですね! おとうさんが通っていたBARで、 おとうさんが好きだったお酒をいただく。 不思議なカンジ・・・一緒にお酒を飲んでるみたい。 ここは、天国のおとうさんと私を〝繋いでくれる〟・・・ そんなお店かも。 おとうさんのこと思い出したら、またここに来よう! ゆみこ あの・・・今度、妹と母も連れて、また来ますね! END |
2014年4月11日
4月11日 ~新宿・明治神宮球場~4月11日の舞台は「新宿・明治神宮球場」。
僕は、この春から大学生となった「佐藤こうすけ」。18歳。 大学へは実家から通ってます。 高校生時代からやっていた「とんかつ屋さん」のバイトは、 4月からも引き続きがんばってます! (メール受信音) コウスケ あ、バイト先の店長からメールだ。 「2週間後のお店の定休日、スケジュール空けといてください。 こうすけの大学入学のお祝いをしましょう! 夕方5時に、銀座線の「外苑前」に集合です!!」 コウスケ だって。。。 へぇ~、僕のためにお祝いしてくれるんだ! でも・・・なんで外苑前なんだろ?? [SE]雑踏ノイズ コウスケ 店長!スイマセン、遅くなっちゃって・・・ あ、マナミさんも来てたんですか!? マナミさんは、同じとんかつ屋さんで働いている、 唯一の女性スタッフ。 詳しいことは知らないけど、年上でバツイチらしい。 そして、とにかく・・・美人だ。。。 コウスケ 店長、なんで外苑前なんですか?どこに行くんですか? 聞いても、店長とマナミさんは、ニコニコしているばっかで、 ふたりはどこへ行くのかも教えてくれない。 仕方なく・・・後をついて歩いていく。 コウスケ これ、どこに向かってるんですかぁ~?教えてくださいよ~? 無視しないでくださいよ~ねぇ~~~。 外苑前の駅からしばらく歩くと、店長とマナミさんは振り返り、 行き先をやっと教えてくれた。 コウスケ え?ここ・・・神宮球場ですよね?? 受験をがんばった僕の入学祝いに、 今夜のプロ野球観戦をプレゼントしてくるそうだ! コウスケ マジすか!?僕、野球大好きなんですよ!! でも、大学が決まるまではガマンしていたんです。 だから行きたかったんです!ヤバイ、うれしーっ!! ありがとうございます!!! 店長やバイトのみんなが、受験勉強とバイトをがんばってた、 僕の気持ちを察してくれた。 1年半ぶりぐらいに来た、神宮球場。 入場口で、プレゼントしてもらったチケットをもぎってもらい、 階段を上がって・・・いざ、球場の中へ。 コウスケ うわー!ナイターの球場だー。テンション上がる~~~!! 僕は、子供の頃から野球が大好きで、 できることなら大学にも行かないで、 どこかのチームにドラフトで選んで欲しかったぐらいだ。 もちろん、選んではくれなかったけど。。。 コウスケ 店長!もしかして・・・席ってココですか!? ココは・・・5人で座れるファミリーシートじゃないですか!! なんで、こんななかなか取れない席を・・・僕の為に・・・ ありがとうございます! 野球好きで球場マニアでもある僕が喜ぶと思って、 珍しい席を取ってくれたらしい。 しかも、あとから2人、バイトの先輩たちも来てくれるとのこと。 コウスケ そうなんですよ! この団体用のファミリーシートと、2人用のカップルシートは、 1塁側と3塁側の両チームのベンチ上にあって、 選手にも近い特別な席でしょ! あとね、ライトスタンドの一番奥にはまた特別な席があって、 そこだけで食べられるオードブルとか飲み放題とか、 とにかく宴会やパーティーをするには・・・ あれれ!?誰もいない?? 僕が熱くなって、球場マニアの引き出しを開け始めてたら、 店長もマナミさんもどっか行っちゃった・・・ トイレかな?買い物かな? (プロ野球の試合ノイズ) コウスケ キター!チャンスだぞ!!! 初球から狙っていこう!!! マナミさん、今ね攻撃してる方が得点のチャンスなんですよ! [SE]カキーン コウスケ 打ったぁーーー!!走れぇーーー!!ヤッタァーーー!! 僕たちも、そして球場も大盛り上がり。 点が入るたびに、店長とマナミさん、 そして隣の席の人たちとハイタッチ。 マナミさんは初めて野球を観に来たそうで、 ルールもぜんぜんわかんないけど、とっても楽しいみたい。 お店では見たことないぐらいハイテンションだ! そして、店長は・・・ビールの飲み過ぎだ。完全に寝てしまっている。 コウスケ マナミさん、野球楽しいですね! あ、そうだ!マナミさん、お腹空いてませんか? 神宮名物のウインナー盛りって知ってます? 神宮に来たらこれを食べなきゃってぐらい、 有名なウインナー盛りです。 僕、買ってきます!ちょっと待っててください! す、すぐ、行ってきますんで!! (球場の歓声) コウスケ マナミさん、ウインナー盛り買ってきましたよ! ちょっと、店長~。まだ寝てるんですか・・・飲み過ぎですよ。 (メール受信音) マナミさんのケータイに、 先輩のヒロシさんとトオルさんももうすぐ着くとメールがきた。 僕の入学祝いで、こんなにみんなが集まってくれて、 ホントにうれしい! 年上の人たちと、こんなに〝仲良く繋がれて〟、 ホントにバイト続けてて良かった!! [SE]カキーン コウスケ うわっ!!また打ったぁーーー!! (歓声) END |
5月9日の舞台は「麹町・コーヒーショップ ファースト」。