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2014年1月24日

1月24日 ~水上バス~

1月24日の舞台は「水上バス」
東京・浅草。午後2時。

就職してから、ずっと東京でひとり暮らしをする私「木村マナミ」。
そんな私を心配して、今でも毎年、北海道の田舎から両親が泊まりにやって来ます。

今回も、二泊三日で私のマンションに泊まり、
最終日の今日は、浅草を案内し、ランチを食べ、
あとは帰りの羽田空港に向かうだけ。

ちょっと寂しい・・・かも。。。

マナミ 「そうだ!ねぇお父さん、船で行こうか!?」

父と母は、勘違いしたようです。
ここから、北海道まで船で帰れと、私が言ったと思ったらしく、
バカなことを言うな的な顔をしている。

マナミ 「違うから。北海道までじゃないよ!ここから羽田空港の近くまで、船で行こうってこと。乗ったことないでしょ?」

東京に何年も住んでいながら、こんなところがったのか!?
・・・と思うことが、たまにある。
これもその1つ。
テレビでやってたのを観て、一度乗ってみたいと思っていたのでした。

マナミ 「浅草寺のすぐそばにある、吾妻橋ってところから水上バスって船に乗れるんだよ!それで、モノレールの駅まで行こう!ね、そうしよう!」

今ひとつピンときてない2人を連れ、その水上バス乗り場へ向かいました。

「東京水辺ライン」というこの水上バスは、浅草・吾妻橋から乗って、隅田川の船旅が楽しめる。
コースもいろいろあって、浅草からお台場、豊洲、スカイツリーなどあるんだとか。

今回は、モノレールに乗り換えるので、浜松町駅近くの「日の出桟橋」行きのコースで。40分ぐらいらしい。

向かいながら、私はスマホで発着時間を調べてみる。

マナミ 「あ!ほら、ちょうど10分後ぐらいに出る船があるみたい。これに乗ろう!」

私たち親子3人は、吾妻橋の乗り場から水上バスに乗り込んだ。
初めての水上バス・・・
船内は意外にも広々としていて、クルーズ感のある雰囲気。

マナミ 「わ!なんかイイねぇー!お父さん、どお?」

父は、私のことなんか見向きもせず、船内をキョロキョロして、見つけた階段を上がろうとしている。

マナミ 「お父さんどこ行くの!ねぇわかってるの?」

父の後をついていくと、階段の上は船の屋上!

マナミ 「スゴイねお父さん!上にも席があったんだー!今日は天気もイイし、暖かくて気持ちイイねー」

隅田川を下っていく水上バス。
私たちの頭の上を、数々の橋が通り過ぎていく。

マナミ 「これが厩橋(うまや・ばし)・・・あれが両国橋・・・
橋って下から見ると、全部デザインが違うんだね~!」

などと、父と2人で感心していたら・・・

(ケータイ着信音)

マナミ 「あ、お母さんからだ!!」
「ゴメンゴメン、どこにいる?お父さんと二階に上がってきちゃったの」

すっかりお母さんを忘れていました。
しばらくして、お母さんも二階へ合流。

そして・・・やっぱりあの話に。
結婚しないのかどうか?北海道に戻らないのか?彼氏はいるのか?

別にその話を避けてる訳じゃないけど、
水上バスから素敵な景色を観ながら、何もイマ話さなくてもなぁ・・・

マナミ 「わかってるよ・・・来年30でしょ。そろそろ結婚したいなぁ~とは。
たださ・・・仕事も忙しいし、今すぐっていうのはチョットねぇ・・・」

いつものように、当たり障りのないような感じで結婚話をごまかすと・・・
父が小さな声で
「お父さんとお母さんは、お前が心配なんだ。毎日お前のことを考えてしまうから、結婚したい人がいないのなら戻ってこい」・・・と。

マナミ 「あ、そうだ!ビール飲む?下で買ってくるよ!!」

そう言って、私は父の話を中断し、急いでビールを買いに・・・
だって、あの勢いで話を聞いていたら・・・
「うん、そうだね。私・・・田舎に帰るよ」って、思わず言っちゃいそうになったから!あーヤバイヤバイ!

でも・・・私のこと、いっぱい心配してくれてるんだな。
よし!結婚のこと・・・今年は真剣に考えてみようかな。

マナミ 「はーい、ビール!
あ、ほら見て見て!東京タワーが見えてきた!!
写真撮ろう!お父さん、ほら早く早く!!」

(カメラシャッター音)

遠い北海道からでも、いつも私のこと心配してくれたんだ。
お父さん、お母さん、ありがとう。
家族って、どんなに離れていても、繋がっているんだね。

2014年1月17日

1月17日 ~TOYOTOWN アイスガーデン~

東京・赤坂。お昼12時。

今日は土曜日。
俺「吉田まさお」は、午前中だけ出勤だった。

仕事は午前中で終了。
俺は急いで、日比谷から地下鉄へ乗り込んだ。

(メール着信音)

「パパどこ?もうママといるよ」

「ゴメン!今、1コ前の駅。もう着くから!」・・・返信と。

仕事が早く終わるから、赤坂の駅で小学1年生の娘・ヒカルと、ウチの奥さんと、12時に待ち合わせをしていたのだけど・・・
ちょっと遅れた!階段を上って、急いで地上へ。

地上に上がったすぐ、赤坂サカスのところにふたりは立っていた。

「じゃあ、どうする?とりあえずお昼、たべよっか?」

するとヒカルは、思いっきり首を横に振り!
お昼ごはんはあとで、そんなことよりすぐにスケートを滑りたいと。
意志はかなり固そうだった。

「そっか、わかった。じゃあ先にスケートしよう!で、ママは?
ふーん・・・あっそう、サカスで買い物してくる・・・か。
よし!じゃあパパがスケート教えてやるよ!
20年ぶりぐらいだけどな・・・」

赤坂のTBSテレビの目の前にある、赤坂サカスのアイススケート場「TOYOTOWN ICE GARDEN」。
期間限定のリンクとはいえ、
野外のスケート場としては都内最大級の広さらしい。
確かに来てみると、「ここ赤坂なの?」と思うぐらい、広さを感じた。

ヒカルは初めてのスケート、
当然スケート靴の履き方もわからないから、俺が全部やってあげた。
なんか、こうやって靴を履かせてやるの・・・久しぶり。

「土曜日だから、子供も大人もカップルも・・・いっぱいだな。
じゃ、ヒカルいいか。ゆっ~くり立ち上がってみな。
で、そーっと歩くぞ。急がなくてイイから」

ヒカルのことも心配だけど・・・俺も大丈夫かな?
転ぶぐらいはイイ。ただ、ケガだけは絶対にダメだ!

「じゃあ、リンクに入るぞ。すっごい滑るから・・・ゆっくりだぞ。
パパの手を放すんじゃないぞ・・・
ゆっくりな ゆっくりな・・・あ!ヤバイっ・・・」



「イターッ!!だろ、ヒカル。こんな風に転ぶから・・・気をつけなさいイツツツツ・・・」

恥ずかしいからすぐに立ち上がり、ぜんぜん痛くないフリしたが・・・
お尻あたりが若干ジンジンする。

「よし、じゃあまずは、氷の上にまっすぐ立つんだ。
で、壁沿いを伝いながら、ちょっとずつ滑ってみようか。
大丈夫、パパが手を握ってるからな!」

ビビりながらも、好奇心満々で滑り始めるヒカル。
転ぶことなんか、ぜんぜん恐れていない。

「足元ばっかり見てたら転ぶぞ!遠くを見て!遠くを見ながらな。
体重も後ろにしすぎると、転ぶから。ちょっとだけ前のめりに」

そうヒカルにコーチングしてる言葉は、言いながらすべて自分に対しての確認でもあった。

「ヒカル!スケートどお?楽しい?」

ほっぺた真っ赤にして、笑ってる。
うれしそうで、楽しそうだ!来てよかった。

本が好きで本ばっかり読んでる女の子だけど、
こんな楽しそうにスケートをやるなんて、意外だな。
これからは、もっともっといろんなところに連れて行って、
初めてのことをいっぱいさせてあげよう!

「よしヒカル!ちょっと滑れるようになったから、動画を撮ってママに送ってあげようぜ!」

(動画REC音)

「いいぞ!うまい!マジでうまい・・・おまえホントにうまいな。
さっきまで、立つだけだったのに、もうそんな滑るのか!?」

「よし、撮れた!じゃあ、ママに送っておくね。
〝将来はフィギアの選手かも〟って・・・書いてな」

今撮影した動画が、あっという間にママのもとへ。
今さらながら、時代の進化に驚く。いつでもどこでも繋がっている。
この動画、将来のヒカルにも送れたりしてな!なーんてね!

ヒカルはぜんぜん聞いてない。。。

とにかくヒカルは、休まずに何周も何周もリンクを滑る。
俺も横について一緒に。
滑るごとにうまくなる!この成長は子供だから??
上達が早すぎて、我が子ながら驚く!!

(TEL着信音)

「あ、ママ。うん、まだ滑ってるよ・・・てゆーか、あれからずっと。
えーっ!!もう3時間!?滑り始めて3時間も経ってるの??」

ヒカルのすごい熱心なスケートっぷりに、時間はあっという間に過ぎていた。

「ヒカル、もう3時過ぎてるって!さすがに、お腹空いただろ?
ごはん食べようぜ。で、スケートはまた近いうち来よう。ここならすぐ来れるしさ!」

そう説得して、また「連れてくるよ」の指切りげんまんして、スケートは終了。
最後に、ヒカルは戻ってきたママへ、
得意げにうまくなった自分のスケーティングを初披露!
派手に一回転んでたけど。

「あー腹減ったな!さぁ、メシ行こう!」

あれ?ちょっと、お尻のジンジンが気になるな。
うーん・・・これは明日ヤバイかも・・・絶対に湿布を買って帰ろう。

でも、ヒカルとのスケートは、意外な一面が見られて楽しかった!!

2014年1月10日

1月10日 ~ものまねエンターテイメントハウス STAR~


東京・六本木。夜の9時。

つい先ほど、わたし「山本なつみ(独身)」が勤務する、
会社の2014年大新年会が終了したところ。

「はぁ・・・やっと終わったぁ・・・」

今年の新年会の会場は、六本木の美味しい〝もつ鍋屋さん〟でした。
毎年、新年会は会社の全社員参加で、盛大に行われます。

ですが、お酒が進むにつれ・・・
上司たちの長い話や何度もする同じ話、愛想笑い、
聞いてもいない武勇伝や昔話、セクハラ、おやじギャグと・・・
年に一度とはいえ、この時間は結構ツラい!!

どうしておじさんたちは、飲み会というと・・・
仕事の話や肩書きだけじゃなく、モラルさえも無くすのだろうか?

でも、楽しく飲んで騒いでの場ですから、出来るだけ笑顔キープで、
どうしても我慢ができなくなったらトイレに駆け込んで、
メールで同席している同僚に文字で愚痴るという。。。
こういう時こそ、携帯電話。つながってるって、ありがたい!

でも、そんなおじさんたちを順番にタクシーへ押し込んで、
私たちは自由の身となったのです!

「さて・・・ユイさん、まだ食べます?飲みます?歌います?とにかく久しぶりなんだから、朝までいきましょうね!」

仲良しの会社の先輩・・・正確には元先輩の「ユイさん」。
いっつも一緒に仕事してたけど、1年前にユイさんが移動になったので、こうやって飲むのはそれ以来。

お腹はいっぱいだし・・・カラオケもな~んか違う・・・
ということで、ユイ先輩が一度だけ行ったことあるというお店へ、向かうことに。

六本木駅のすぐ近くということだけど、どんなお店なのか・・・
スマホのナビを見ながら歩く、ユイさんの後に私も続く。

「ここですか?〝ものまねエンターテイメントハウス STAR(スター)〟??え!?ものまねのお店!?」

昔、ユイさんも、取引先の方と一度だけ飲みに来たことがあるらしいそのお店は・・・
テレビのモノマネ番組でもおなじみの、モノマネタレントの方々が見せてくれるショーも楽しめて、
さらに食べて飲めるという・・・いわゆるショーパブ的なお店。

「へぇー!私、こういうお店初めてです。なんか・・・六本木で夜遊びしてる~ってカンジになりますね!」

地下の階段を下ると、そこにはミニシアター的な観覧席とステージがある!

「ここでこうやって観ながら、お酒も飲めるですか!?うわー、スゴイですねー!あ、写真撮っても大丈夫ですか!?なんかワクワクしますねー!!とりあえず、かんぱーい!!」

[SE]カシャ

完全にテンションが上がりまくってる私。
客席もいつの間にか満席に。
そうこうしていると、徐々に客席は暗転となり・・・
ものまねのショーが始まった。

[SE]開演のブー

オープニングは「QUEEN」が登場!もちろん、モノマネのね。
洋楽にまったく詳しくない私でも知ってるQUEENの曲。
歌ってる人は、太ってて全然見た目はQUEENっぽくないけど・・・
歌はちょーうまい!!

「わ!矢沢永吉のそっくりさん!!谷村新司って人!わーーーマイケルでしょ、あれ!?あゆ!松田聖子!長渕だぁーーーーー!!」

とにかく似てる!そしてうまいし、なんせ笑える!!

「あっ!!あのイチローのそっくりさん、テレビで見たーっ!!」

「ユイさん!あの人って・・・ダウンタウン・浜ちゃんのそっくりさ~~~ん!!」

いつの間にか、ホントのライブにでも来ているかのような楽しさと盛り上がり!!
私もユイさんも、一緒に歌っていた。

最後は、映画「アルマゲドン」のアノ歌で最高潮に・・・

エアロスミス?
[SE]拍手

「ユイさん!!もうーホントに楽しかったぁー!!ものまねパブって最高ですね。私、ちょっと汗かいちゃいました!」



なんか、久しぶりだったけど・・・やっぱりユイさんとは気が合うし、一緒にいて楽しいな!!
最後に、モノマネさんたちと記念写真まで撮らしてくれた。

[SE]カシャ

とはいっても・・・そろそろ終電の時間。

「じゃあ、そろそろ帰りましょうか・・・なんか、まだ帰りたくなぁ・・・」

またいつでも飲めるじゃん!近いうちにまた来ようね・・・と、別れ際に言うユイさんは、タクシー乗り場へ。

私はトボトボ・・・地下鉄の方へ。
いつでもって言っても・・・
いざ仕事の毎日となると、部署が違うだけでほとんど会わないから、
実際はなかなか行けないんだよなぁ。。。

地下鉄に乗る前に、一応メッセージを送ってみる。

「ユイさんちに泊まってもいいですか?」

[SE]着信音

すぐに返ってきた!
一言だけ・・・「じゃあおいで」だって♪

「ホントっ!!!」

私は、ユイさんのところまでダッシュしながら、お母さんにメール。

「今夜、ユイ先輩のウチに泊めてもらうから。心配しないでね!」

2014年1月3日

1月3日 ~浅草寺~

1月3日の舞台は「浅草寺」

東京都の台東区。大晦日の夜。

除夜の鐘の音を遠くでなんとなく感じながら、
わたくし「田中幸一」はごくごく普通に、新年を自宅で迎えました。

「あけましておめでとう。今年もよろしく」

一応、そんな新年のあいさつを奥さんと交わす。
ただ、なんか恥ずかしいから目は見ないで・・・

「じゃあ・・・年は越しちゃったけど〝お蕎麦〟でも食べようか」

すると、逆に奥さんからこんな提案が・・・
子供たちはもう寝たし、実家から泊りに来ている母親に留守番を任せ、
2人でどこかへ食べに行かない・・・と。

「じゃあ・・・せっかくだし浅草寺の方にでも行ってみる?浅草寺の方に行けば、お蕎麦でもなんでもあるでしょ?」

浅草寺のご近所に住んではいたけど、正月の・・・しかも元日の・・・
しかも年越しすぐになんて・・・来たのは初めて!!

テレビでは観たことがあったけど・・・ホントにすごい人の数!!
雷門から仲見世、仲見世から本堂へと見渡す限り初詣参拝の人だらけ。
とりあえず、年に一回の貴重な光景なので・・・写真を一枚。

[SE]カシャ


ふと思った・・・浅草寺の仲見世ってどのぐらいの長さがあるんだろ?
奥さんに聞いても首をかしげるだけ。でも気になるから検索してみる。

「へぇー。仲見世の長さは250メートルなんだって!
お店は東側に54店舗、西側に35店舗、計89店舗だってさー!
しかもさ、この仲見世って、日本で最も古い商店街なんだって!!ねぇ知ってた!?ねぇ??」

スマホから顔を上げたら、奥さんはもういなかった。。。
仲見世のトリビアは置いといて、俺は奥さんを追いかけた。

「初詣はあきらめようおみくじだけ引いて、あと何か温かいモノでも食べよう」

ふたりは、浅草寺の混雑を避け、六区の方面へ。

その時、奥さんが・・・
「あれ?このお店・・・昔、来なかったっけ??」と立ち止まった。
そこは、大衆演芸場の向かい。
昭和テイスト漂う・・・韓国料理系の居酒屋さん。

「あーっ!!確かにこのお店、来たわー!えーと、まだ・・・ユウカが生まれてなかった!?
結婚はしてた!?あれ??もしかして・・・妊娠中の時じゃなかったっけ?」

俺と奥さんは、同時に同じ思い出をたぐり寄せて、記憶の確認をした。
お蕎麦を食べたかったはずだが、そんなことは忘れ・・・店の中へ。


1月1日、元日の深夜1時過ぎ。
お店は参拝客なのか・・・とにかく呑んでるお客さんで賑わっていた。

「とりあえず・・・瓶ビールとグラスふたつ
それと・・・おでんと煮込みを。うん、とりあえずで。」

「そっかぁ、前に来た時はまだユウカは生まれてなかったのか・・・」

しみじみ時間の経過と、改めて長女・ユウカの成長を感じていた。
すると、奥さんのスマホにメールのメッセージが・・・

[SE]着信音

「いないんだけど?どこ行ってるの?」・・・だって。
トイレにでも起きたのか・・・
深夜にいなくなった親のことを心配したメッセージ。

奥さんは、「ゴメンね!お父さんとちょっとデート」と返信。
俺も自分のスマホから、さっき撮った浅草寺の写真だけを送信。

[SE]着信音

「別にイイよ。なんかおいしいお土産買ってきてね」と、
すぐに返ってきた。

「普通にこうやって、メールとかできるんだもんなぁ・・・」
いつでもどこでも家族が繋がっていることに、改めて感心した。

奥さんが、スマホに入れてある、
子供たちの画像や動画を古い順に見返し始めた。

それを一緒に見ながら・・・一杯、二杯とお酒が進む。
あの時はどうだった・・・この時はかわいかった・・・
その時は心配した・・・とか。

気づけば深夜の3時。

「いやぁ~呑んだ!よし、帰ろう。スイマセーン!お勘定してください」


お土産用で頼んだ「チヂミと焼きそば」を包んでもらい、お店を後に。

結局・・・数年ぶりに2人っきりで呑みに来たけど、
話は子供のことばっかり。でもまぁ、その話が一番盛り上がるからな。

ちなみに、おみくじの運勢は〝小吉〟でした。
だけど、〝家庭は円満〟とのこと。

「今年も、いい年になりますように。」

2013年12月27日

12月27日 ~サンシャイン水族館~

12月27日の舞台は「サンシャイン水族館」
私の名前はテシロギ・サブロウ、70歳。
今日は息子たち家族が栃木から遊びに来るので、朝からワクワクしている。
息子夫婦が結婚して早30年以上、最初の数年は一緒に暮らしていたものの、息子が転勤になり
離れてしまった。孫のサトエは今年で25歳。
すっかり大人の女性になってしまったが、
まだお相手は見つからないようで、それが心配のようで嬉しかったりもする。
そう、私は孫にべったり。そして孫も私にべったりのおじいちゃん子なのだ。

(メール着信音)
「お、サトエからだ。なになに…“もうすぐつくよ。お父さんとお母さんは買い物にでかけたい
らしいから、私はおじいちゃんとお出かけね”か」
孫が今年の誕生日に買ってくれたスマートフォンは今では私の宝物だ。
最初は「そんな難しいもの、使いこなせん!」と拒否していたが、
サトエがかんたん設定をしてくれたおかげで、今じゃメールも朝飯前。
カメラだって使いこなせるようになった。

そうこうしてるうちに“おじいちゃーん、こんにちわー!”とサトエの声。
お、来た、来た!


「サトエ、今日は久しぶりに池袋でも行くか?」
私の誘いに、間髪入れず“サンシャイン!?”と目を輝かせるサトエ。
子供の頃から数えきれないほど通ったサンシャイン。
中でもサトエは水族館が大好きだったっけ。
「サトエ、水族館が新しくなったの知ってるか? 今はアシカが空を飛んでるらしいぞ」
“またまた?、おじいちゃんウソばっかり!”サトエが笑う。



『天空のオアシス』をテーマに、2年前にグランドオープンした『サンシャイン水族館』。
高層ビルの10階という非日常の空間はそのままに、よりエンターテイメント性高く生まれ変わったらしい。
私たちが足しげく通った思い出の水族館は、今、どんな変貌を遂げているのか…。
ドキドキと懐かしさが入り交じった気持ちでエントランスをくぐる。

「お、マイワシの大群! この水槽は昔からあったなぁ。覚えてるか?」
“もちろん!”マイワシを真剣に見つめたまま返事をするサトエ。
“昔は背がちっちゃくて、全然見えないってよく泣いてたのに。今じゃ私と同じ目線か。
もう抱っこしてやる必要ないんだな…” 時間の流れの速さを実感し、少し寂しくなってしまった。

“おじいちゃん、次に行こう”。私の気持ちなどそっちのけで、どんどんと進んで行くサトエ。
相変わらず、せっかちなんだから…と思ったら、サトエがメインの大水槽に携帯を向けていた。
「何してるんだ? ん、動画? そんなもん撮ってどうするんだ? え? インスタ…何だって?」
どうやら撮影した動画を携帯にアップして、友達と共有するらしい。
“私の撮った動画が、世界中で見られるんだよ!”と誇らしげに教えてくれたのだが、
私にはチンプンカンプンだ。
“おじいちゃん、おじいちゃん”と私の後をついて来たサトエは、すっかり私の前を歩き、
世界と繋がっているというわけか。

「サトエ、そろそろアシカを見にいこうよ」
屋外へ出ると大きな円形プールが空に浮かんでいた。
そしてその中を気持ち良さそうに泳ぐアシカたち。
下から眺めると本当にアシカが飛んでいるようでなかなか面白い。
「ほら、アシカが飛んでるって言ったろう?」
“ホントだー! 高層ビルの間をアシカが飛んでるように見えるよ。なんか不思議な景色だね!”
一所懸命その光景を携帯カメラに収めようとするサナエ。
そう言えば、昔も私のカメラをいじりたがって大変だったっけ。
あの時の写真、どこへしまったんだろう。

“おじいちゃーん、一緒に写真撮ろうよ!”サナエが呼んでいる。
「せっかくならペンギンと一緒に撮るか。昔から大好きだったろ」

スタッフのお兄さんに携帯を渡して、ハイポーズ。

“おじいちゃんの携帯にメールするね!”と、サナエが送ってくれた写真はあっという間に私の元へ。
「すごいなぁ、一瞬で写真が共有できちゃうんだから。
昔じゃ考えられなかったよ。
もっと前にこんな携帯があったら、子供の頃のサナエと一緒にもっとたくさん写真撮ったのにな」

悲しそうな顔をした私に気付いたのか、サナエが“おじいちゃん、コレ見て”と携帯を差し出した。
そこに映っていたのは、まだ若い私がサナエをおんぶして笑っている写真…!
「サナエ、これどうしたの? え? おばあちゃんから見せてもらって、携帯に取り込んだって? 
そんなことができるのか?」

“こうすれば、いつでも昔のおじいちゃんと私に会えるでしょ?”サナエが笑う。
一緒に行った動物園、サナエの幼稚園の入園式。いつでも見返したいお気に入りの写真たちが
脳裏に一気に溢れ出してきた。

「サナエ、おじいちゃんの携帯にも取り込んでくれるか?」

“もっちろん!”待ってましたとばかりにピースサインをして見せるサナエ。
そうか、時間が流れることを悲しむことなんてなかったんだ。
あの日も今日も繋がっているんだから。

そしてこれからだってずーっと、だ。

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