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[今週のつながる劇場]

2013年11月15日

11月15日 ~代官山蔦屋~

11月15日の舞台は「代官山蔦屋」
遠距離になってから、繋がってる感じが前よりも強くなった
恋人の姿を上演しました。
僕の名前はタカモリ・ゴウ、28歳。
9月から栃木支社に転勤になったばかりのサラリーマンだ。
今日は土曜日、天気は最高。電車は週末を楽しむ家族連れやカップルで混んでいた。
僕だってもうすぐ…。

今、僕は東京へ来ている。
今日は遠距離恋愛中の彼女、サトミと月に1度のデートの日なのだ。
サトミとはつき合って3年目。
僕の転勤で遠距離恋愛になってからもうすぐ3ヶ月になろうとしていた。

今日はどこへ行こう? 電車にゆられながら携帯に指を走らせる。
「代官山、グルメっと。」
表示された検索結果を吟味しながら、サトミのことを考えた。
“あいつ、イタリアン好きだったよな。あ、でもこの前もイタリアンだから今日はメキシカンなんかもいいかな”

“次は渋谷〜、渋谷〜”(車内アナウンス)
「えっと、渋谷から東横線に乗り換えて…、代官山へ着くのは14時5分か。」
携帯の乗り換えアプリで到着時間を確認。
14時の待ち合わせには5分遅れてしまいそうだが、5分なら許容範囲だろう。

“駅には14時5分につくよ。ちょっと遅れちゃってごめんな。改札待ち合わせでいいか?”
メール送信っと。

(メール着信音)
“ちょっと早く来ちゃったから、蔦屋で待ってます。新しくできたとこだよ”
「え、えぇぇぇ!?」
思わず立ち止まる。どこだよ、蔦屋って! オレがひとりでたどり着けるわけないだろーー!


実は僕は極度の方向オンチなのだ。
しかもトレンドにも疎く、今までのデートはすべて彼女に任せっきり。
乗り換えを調べたり、お店を検索するようになったのは遠距離恋愛になってからの話で、
今日だって携帯がなかったら今頃迷子。ほんと、携帯が繋がってよかったよ…。

“代官山、蔦屋っと”すぐさま携帯で検索。
「駅からは徒歩5分。そう遠くはなさそうだな。にしても、この外観。これ、本当に蔦屋なのか?」

携帯の画面に表示されたその建物はとてもスタイリッシュで、
普段僕が利用しているTUTAYAとは似ても似つかないものだったのだ。
そもそも、僕にとってのTUTAYAは本屋というよりレンタルDVD屋だ。
洋書やジャズの専門書なんて見たことないぞ。

「なになに…」
遡ること30年。1983年に大阪で開業した「蔦屋書店」の夢は
「本、映画、音楽を通してライフスタイルを提案すること」。
その頃の夢は今、叶えられているのだろうか? 
その思いから、今いちど開業当時の夢に向き合うために作られたのがこの「代官山 蔦屋書店」……。

「へー、そうだったのか。専門書コーナーが充実しているのも納得だな」
気付けばアクセスを調べるつもりが、ついついホームページに引き込まれてしまった。
いけない、いけない。サトミを待たせてるんだった!

地図アプリを頼りに蔦屋書店に到着したのは14時20分。サトミ、怒ってるかなぁ…
(☎の音。プルルルル・・・・)
「あ、サトミ? 今着いたよ。どこ? え? トラベルコーナー? 了解。ちょっと待ってて」

「サトミ! ごめん、待った?」
“ううん”と笑顔で首を振る彼女。久しぶりに会う彼女に胸がトクンッと高鳴った。


「へー、広いな。コンシェルジュがいるのも納得だな」
思わずつぶやいた僕に、サトミが“なーに?”と首をかしげる。
「いや、ここにはそれぞれ専門分野のコンシェルジュが30名以上いるんだよ。
欲しい本を探してくれるだけじゃなく、今オススメの本を教えてくれたりもするんだって」

サトミが一瞬驚いた顔を見せて、その後すぐ笑った。
「なんだよ? え、そうだよ、携帯サイトの受け売りです!」
“そんな風に自分から調べることなんてなかったじゃない”サトミが笑う。

「そうかもな、メールや電話も遠距離になってからの方が増えたしね。
離れているのに、繋がってる感じは前より強くなった気がするよ。
あ、今日の夜、メキシカンなんてどう? サトミの好きそうな店探してみたんだけど…」

“頼もしい♡”サトミが腕をからめてきた。
ちょ、照れるじゃないか。
会いたいときに会えなくても、メールや電話で心はいつでも繋がっていられる。
遠距離恋愛もそう悪くない…かも。

2013年11月8日

11月8日 ~SHIBUYA109~

11月8日の舞台は「SHIBUYA109」
ファッションでつながる親子の姿を上演しました。
「え?ごめんなさい、よく聞こえないの。リンカにつき合って買い物してるんだけど、
もううるさくて。あとでかけなおすわ」

ふう、まったくいつまで買い物してるのかしら…。
私はナガヤマ・ミドリ、38歳。
今日は中1になる娘のリンカにせがまれ、渋谷まで買い物に来たのだけど……。
あぁ、うるさい。リンカが目を輝かせて買い物をしている渋谷109は、
私にはゴチャゴチャしてうるさいだけ。
母からかかってきた電話もほとんど聞き取れなかったじゃない。

“こっちこっち!”と向い側のショップからリンカが手招きしている。
「欲しいの見つかった? え? コレ?」
リンカが欲しいと言ってきたのは千鳥格子のセットアップ。
やだ、これ私が大学生のとき同じようなのが流行ったっけ。

「これと似たようなの、ママも昔着てたんだよ」
娘が持っていた服を拝借し、鏡の前で当ててみる。まだイケルかしら?
私の気持ちを読んだのか、リンカが呆れるようにいった“若作り!”

「ちょっと、買ってあげないからねー!」
慌てて“ウソウソ、ママかわいいよー!”とご機嫌とりに走る娘。まったく、調子いいんだから。

いくつものショップがひしめく渋谷109は、今では観光客向けのガイドブックにも掲載される、
日本を代表するファッションスポット。
トレンドアイテムがリーズナブルに揃うから、中高生はもちろん、
最近は主婦層のお客さんも増えてるんだって。


娘が試着している間に私もちょこっと物色。
今年の流行りはキルティングやツイード? チェック柄もブームなんだ。
やっぱり私の大学時代と一緒。流行りって繰り返すのねぇ…。


試着室から出て来た娘。千鳥格子のセットアップを来た姿はどことなく私と似てるかも。
やっぱ親子なんだなぁ…と嬉しく思っていたら、店員さんが声をかけて来た。
え? 今なんて?

「リンカ、聞いた? 今、店員さん“ご姉妹ですか?”って聞いたよねー! 
ママ、お姉ちゃんに見られちゃった♪ パパにメールしよっと!」

「“リンカと渋谷で買い物してます。今ね、店員さんに姉妹に間違えられちゃった♪ 
夜までには帰るから、ご飯食べないで待っててね” 送信っと」

横でリンカが呆れて見ている。いいじゃない、仲良しの両親で♡
ちょっとのことでも繋がってられるって、幸せなことなのよ。

(メール着信音)
「パパが“うまくのせられて買っちゃったんだろー。光景が目に浮かぶよ”だって。」
買い物を終えたばかりのリンカが大きな荷物を抱えて笑っている。
はい、その通りです。バッグまで買わされちゃいましたよーっと。

「あ、おばあちゃんに電話しなきゃ! さっき途中になってたのよ」
渋谷109を後にして、思い出したように母へと電話した。

「ごめんごめん、今お買い物終わったわ。どうしたの? え? 今年も豊作なのね。送ってくれるの? ありがとう。そうそう、お母さん。私が昔着てた千鳥格子のお洋服って実家にまだあるかしら?」

母の用件は実家で大量になった柿を送ってくれるというもの。
こうして結婚後も毎年気にかけてくれるんだからありがたい。

“せっかくなら取りに行けばいいじゃん”とリンカ。
そっか。孫の顔も見せられるし、古いお洋服も探しせるもんね。

「あ、お母さん。私。せっかくだからこれからそっちに向うわ。
柿も欲しいし、昔のお洋服も探したいから。パパにも連絡して、そっちで合流するね」

電話の向こうの母は嬉しそうだ。

「リンカ、パパにメールして。おばあちゃんのとこで一緒にお夕飯しましょって」

“はーい!”とパパにメールする娘。
こうして離れていてもすぐに繋がれる。当たり前の日常が愛おしい。

「ママの昔のお洋服が見つかったら、リンカ、一緒に着てお出かけしましょうね」
“えーー!恥ずかしいよ!”と言いつつも笑っている娘。
さ、おばあちゃんちに急ぎましょう。

2013年11月1日

11月1日~アンダーザツリー~

11月1日の舞台は「アンダーザツリー」。
気の合う仕事仲間と、
これからもつながっていく将来の姿を上演しました。
私の名前はタテヤマ・シゲル、34歳。
この秋から栃木へ赴任が決まり、家族で引っ越して来たばかりだ。
家族でゆっくりと近隣散策をしたいのだが、
まだ東京に残る仕事があり、
週末は東京と栃木の行ったり来たり。
今も東京へと向う電車の中で引き継ぎ資料に目を通している。

(メール着信音)
「“パパ、はやくかえってきてね!”か」
嫁の携帯を借りたのだろう。
3歳になる息子のリクトから送られて来たメールには
一生懸命打ったと思われるひらがなが並んでいる。

「あしたかえるね。かえったらあそぼうな」返信ッと。
こんな些細なメールのやりとりが家族との繋がりを再認識させてくれる。
がんばって早く仕事を片付けようという、モチベーションにもなっていた。

東京本社での仕事も無事に片付き、ホテルへ帰ろうとしていたとき、
後輩の杉山から飲みに誘われた。
なんでも、最近ハマっている日本酒バーがあるらしい。


“とにかくオシャレなんスよ!”と語る杉山に連れられて来たのは
阿佐ヶ谷にある『Japan酒Bar Under the Tree』

“オシャレだ”という杉山の言葉に思わず納得。
その外観はまるでワインバーのようで、
僕の中にあった「日本酒」のイメージを
大きく覆すものだった。


“日本酒はおやじくさいとか、そういった認識を変えたくて”
と話すのはオーナーさん。
日本酒にもっと興味をもってもらいたいとの思いから、
今年の3月にこのBarをオープンしたそうだ。店内に張り出された日本酒のメニューには1〜10までの“ビギナーおすすめ度”が書いてあったり、
少しずつ色んな種類が楽しめる利き酒セットが用意されている。

なるほど、ここなら日本酒初心者でも気軽に楽しめそうだ。

「日本酒ってもっと地味なところで、チビチビ飲むものかと思ってたよ」
そういうと、杉山は“僕もそうなんスよー!”と大きくうなずいた。
どうやら、すでに酔いが回ってご機嫌らしい。

ワインブームや焼酎ブームを経て、今年は日本酒ブームなんだという。
というのは、40代の作り手たちが成熟した技で支える日本酒を土台に、
若手の作り手たちが既成概念にとらわれないクリエイティブな酒造りを展開。
そしてまさに今が、史上最高の味わいを楽しめる日本酒新時代だというのだ。

「繋がってるんだな…。なんか、オヤジと酒が飲みたくなって来たよ」
すでに寝そうな杉山を横目にオヤジへメールすることにした。

「久しぶり。元気にしてるか? 今、東京で後輩と飲んでるんだけど、
日本酒の奥深さにハマりそうだよ。オヤジ、好きだったよな、日本酒。今度教えてくれよ」

(メール着信音)
「お前からメールなんて珍しいな。いいぞ、いつでも飲みに行こう。リクトは元気か?」

「まったく、オヤジのやつ、結局オレより孫かよ」
思わず出た独り言に杉山が反応した。
“いいじゃないですか、3世代で繋がってて。あー、おれも早く結婚したいっス”

「そんなだらしない飲み方してちゃ、嫁さんなんて来ないぞ」
笑うオレに、杉山が“そんなぁ〜”と項垂れている。


「あ、嫁さんにもメールしとこう。
 “今、後輩と飲んでるよ。今度連れてくから、
 家庭の味でも食べさせてやって” 送信っと」

“あ、今、既婚者の余裕見せつけませんでしたー!?”と杉山。
バレたか(笑)

いつか杉山にも家族ができたら、そのときは家族ぐるみでつき合えたらいいな。
子供通しが遊んでる横で、俺たちは酒を飲んで…。
どんどん繋がって行く将来の想像に、笑みがこぼれた。





★アンダーザツリー (Under the Tree)
 
 東京都杉並区阿佐谷北2-2-7 喜楽ビル 1F
 03-5356-6155

営業時間:火~木、日祝 18:00~24:00
    :金土 19:00~26:00

2013年10月25日

10月25日~クルル・ザ・ポップコーン~

10月25日の舞台は「クルル・ザ・ポップコーン」。
東京に住む祖母に会うついでにショッピング!
途中、人気のポップコーン屋さん前での親子のつながりを上演しました。
「え? 50分待ち!? エリカ、やめようよー」

すがるように娘の顔を見たものの、娘は無言で顔を横に振った。
はいはい、並ぶんだね。わかりましたよ。

私の名前はミヤケ・ユウゾウ。48歳。
今日は高校2年になる娘のエリカと都内に住む祖母を訪ねて出て来たのだけれど、
“ちょっと表参道にでも寄ってこうか?”なんて提案したのが間違いだった。

ふらふらとウィンドーショッピングしてるうちはよかったのだが、
エリカが見つけたのはどこまでも続いていそうな長い行列。
“なんか、美味しそうなニオイがする!”と走り出したエリカを引き止めようとしたのだけど、
時すでに遅し。
“絶対食べたい!”と言い張る娘に負けて、行列に並んでいるというわけだ。

この一瞬にして娘を虜にした甘い香りの正体はポップコーン。
そしてこの長い行列の先にあるのが、先日日本初上陸して話題になっている
“ククルザ・ポップコーン”というわけだ。

「なぁ、たかがポップコーンだろ? どうしてこんなに並ぶんだ?」
ぼやく私をエリカが“だって流行ってるんだもん!”と一蹴。
さらにパパパッと携帯をいじって、私に説明してくれた。
なんでも、このシアトルからやってきたこのポップコーン屋さんの特徴は、36種類もあるんだとか。
さらに2種類のトウモロコシをフレーバーごとに使い分けて、食感まで変えてるんだって。

“ほー、こうやって娘は世界と繋がってわけか…”
ポップコーンよりも垣間みた娘の成長の方に興味津々な私。
それに気付いたのか、娘に“ねぇ、聞いてる?!”と怒られてしまった。


「聞いてるって。36種類もあるのか?? 父さんの時代はポップコーンなんて塩味しかなかったんだぞ。
それにポップコーンが人気のスイーツになるなんて信じられないな。
だって、映画館で食べるもんだろ、あれって。」

“まったく、オジさんなんだから…”娘が独り言。
あのー、しっかり聞こえてますけど!

(メール着信音)
「あ、母さんからだ。“ちゃんとおばあちゃんトコに着いたの?”だって。
“エリカに連れられてポップコーンを買うのにすでに30分並んでます”送信っと」

(メール着信音)
「“ポップコーンに30分!? 映画でも見るつもり?”だって(笑)」
“ったく、似た者夫婦なんだから” エリカが笑った。

「結婚する前は、母さんともよく映画に行ったなぁー。ポップコーンを買ってね。
でも母さん、映画が始まる前に全部食べ終わっちゃうんだよ。
食いしん坊はそのときから今も変わってないな」

そんな昔話をしてるうちに、気付けば店内へ。
「え? こんなにあるの!? トリュフ味って、すごいな!」
ズラリと並ぶ見たこともないポップコーンに、娘そっちのけでテンションが上がってしまった私。

「メープルベーコン味なんてのもあるのか? 
せっかくだから色々買って、おばあちゃんや母さんのお土産にでもするか!」

(パシャ カメラ音)
ん? 何だよ、エリカ。“お父さんがはしゃいで困ります。
今度はお母さんが一緒に来て、そのまま映画デートでもしたら?”
おいおい、そんなメール送らないでくれよ!
・・こんなたわいもないことで笑っている私たち。
ふと、こんな時間が幸せだなーと感じてしまう。

「あ!もうこんな時間じゃないか! おばあちゃん、待ちくたびれてるぞ!
エリカ、おばあちゃんに電話して!」

私たちはいつでも、つながっている。今日はポップコーンと一緒に!

2013年10月18日

10月18日~東京駅~

10月18日の舞台は東京駅。大学を卒業して10年。同窓会に出席した女性の友人、元カレとのつながりを上演しました。
私の名前はサガワ・マリコ、32歳。
今は丸の内で行われる大学時代の同窓会に出席するため、同級生のリナと一緒に東京駅へと向かう電車の中だ。

(メール着信音)
「あ、お母さんからだ。
“今日はどこへ泊まるの? 飲みすぎちゃダメよ”って、子供じゃないんだから」
リナが“うちもおんなじだよー”と笑う。

大学を卒業して早10年。仕事に夢中になっていたら、あっという間にアラサーになっていた。
気付けば同級生の中で独身組は残りわずか。言わずもがな、リナはこっちサイドだ。

(ピピピ 携帯をいじる音)
「同窓会の連絡がFacebookで来るとはねー。ま、Facebookでみんなが繋がったから当然っちゃ当然だけど、時代ですな」
“オバさんっぽいよ”リナに笑われてしまった。

携帯画面に映し出された参加者リストを見て思わずため息。
「リナ、アタシとあんたくらいだよ。名字変わってないの(苦笑)。みんなに“なんで結婚しないのー?”って質問責めにされる覚悟しといた方がいいかもね〜」
“マリコがいてくれてよかったよ”と、リナ。まったく同感だよ。

ん? この名前は…。私の表情の変化に気付いたのか、リナが携帯の画面を覗き込んで来た。
“あ、マリコの元カレも来るんだ。就職で自然消滅しちゃったんだっけ?”とリナ。
……、やっぱり覚えてました? やばい、急に緊張してきた。

久しぶりの東京。渋谷や新宿にはたまに遊びに行ってたけど、東京駅は久しぶり。
「えーー、こんなにキレイになっちゃってる! 
超高層ビルの中に昔の駅舎が囲まれてて、不思議な景色だねー」

一眼レフを構えて写真撮影に夢中になる外国人観光客に紛れて、私も一枚。
(パシャ)
「お母さんに送ろうっと。“東京駅がキレイに生まれ変わってるよー!”っと」

創設時の外観に忠実に、去年改装工事を終えた東京駅。
来年で100周年アニバーサリーを迎えるその姿は、今も昔も変わらず堂々としてエレガント。
とくにドーム内部の装飾は美しく、花飾りや刀剣、鳳凰などあちこちに散りばめられた
レリーフを探すだけでも楽しい。

(メール着信音)
「“新しいだけがいいってわけじゃないんだね。古き物も大切にしないと”だってさ。
で、会場どこだっけ?」

携帯で地図を見ようと思っていたら、後ろから肩を叩かれた。
“あ!”と、私より先にリナが声を上げる。
「え? 何?」
振り返ると、そこにいたのは元カレ。“よ!”なんて、いたずらっぽく笑う顔が全然変わってない。

「お、お久しぶり…」チラ。
あー、さりげなく薬指チェックしちゃう自分が情けない。でも、指輪ナシ、と。

“先行くねー!”と歩き出しちゃったリナ。
“古き物も大切にね!”って、ちょっとーーー!

「元気だった?」
ぎこちなく聞く私に、彼は笑いながらうなずいた。そして“お前は相変わらず仕事漬けなんだな”って。
どうやら、彼は私のFacebookをチェックしてたらしい。私の色気ナシの私生活が丸見えだったってわけか…。ん? 気にしててくれたの?

“友達申請、くれると思ったのにな”と彼。携帯をいじってると思ったらピコンっと私の携帯が鳴った。
「あ、申請メール。えっと…、承認。これでいいかな?」
なんだか照れくさい。でもこうしてまた繋がれたことが嬉しくて仕方ない。
きっとこれからも、たくさんの人と繋がって行けるのかな。

「先、会場入ってて。あとから行くね」
お母さんにメールしとこう。
「“古き物も悪くないかもしれません”っと。」さ、昔の仲間と繋がりに行こう。

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