[Special Interview_下]主催フェスの初回が中止、それでも恒例になれたワケ~10-FEET独占インタビュー(下)![]() 初回が台風で中止となった主催フェス「京都大作戦」を振り返る10-FEETの3人
■当初1度きりだった「京都大作戦」、中止で真っ青に…TAKUMA ──野外フェスは興奮と楽しさがある一方、天候リスクもあるのが難しいのですが、「京都大作戦」でも色々とご苦労されてきましたね。 TAKUMA はい、地球なんで…。(笑) やっぱり色々ありましたね。 ──「やるぞ!」と言った2007年の初回ができなかったんですよね。 NAOKI 台風ですね~。 TAKUMA 毎年やるつもりじゃなく、「1回だけフェスみたいなことやらせてください!」とやったのが中止になり、本当に悲しかった。「また来年」はなく、バンド人生一度きりのフェスがなくなったので、真っ青に…。ちびまる子ちゃんみたいになってました。 KOUICHI 実は公演当日は、めっちゃ晴れたんですよ。 NAOKI 前日の予報でドンピシャで台風が来るから、危険なので中止を発表したら、深夜のうちにすごいスピードで通り抜けたみたいで…。起きて外を見たら快晴で、ヒザから崩れ落ちました。(笑) KOUICHI よけいショック、「できたな…」みたいな。 TAKUMA お客さんも「なんでやらないの?」って感じですが、よく見たらステージの屋根が半分めくれ上がってた。機材やステージの状況を考慮して、前日までに中止が決まるんです。 ──翌年はリベンジで、「去年は台風でごめんな祭」の副題をつけて無事開催され、そこから根付いた感じですか? TAKUMA ベリテンの話じゃないですけど、「同じメンツで来年もう1回やろう!」となった。フェスは1年近く前からオファーしますから、結局2年越しで開催できて、盛り上がって楽しくできた。僕らも嬉しかったけど、出てくれたDragon Ashとかも「毎年やりなよ」「来年も出してね!」と言ってくれて、それでもう少し続けようと。だから、台風が来てなかったら1回で終わってた、おそらく。 ──「また来年」と言われたら、責任感も生じてしまいますね。 ![]() 「京都大作戦」を毎年開けるようになった喜びを語るTAKUMA
TAKUMA でも、純粋に嬉しかったですよ。2008年のライブが終わった瞬間、「来年もよろしく」と言われたら、僕たち3人「これもう1回できるの?」「ほんまにいいんかな、嬉しいな!」という気持ちでしたね。 ──京都大作戦を続けるのは、10-FEETの生き甲斐のようなものですね。 NAOKI 10周年アニバーサリーが周りのおかげで続けられることになり、年1回恒例になった。出てもらうアーティストは、僕たちが大好きな人ばかりで、お客さんにも知ってもらいたいんです。出演者発表前にチケットを買ってくれるのは、信頼関係を感じますし、僕らも自信を持って「この人たちすごいライブするから、みんな見てね」と。「新しく好きなアーティストができました」と言われるとやっぱり嬉しくて、僕らにとってもごほうびの2日間なんです。 ![]() ■手術を機に禁煙、“健康ドラマー”目指す…KOUICHI
──結成から28年、大変だった時期もあったかと思います。KOUICHIさんには昨年のベリテン後、思いがけないアクシデント、ニュースもありました。 TAKUMA コーヒーショップをやるっていう話?(笑) なんでしたっけ? KOUICHI 入院ですね。人間ドックに行ったら「肺がよろしくない」(肺分画症)と。手術をすることになり、すぐ復帰できると思ってたら、2か月ぐらい休ませてもらって…。もう今は全然大丈夫ですが。 ──2か月もバンドを離れるのは、やはり心配であったかと思います。 TAKUMA 僕とNAOKIは連絡取り合って、詳しく状況を聞いてましたから、命に別状なければと。時間が多少かかっても、また一緒にやれるのなら、体を一番に考えて欲しいという感じでした。 ──TAKUMAさんも2007年に喉の調子を崩して、少しお休みされた時期がありましたね。 TAKUMA あの時はメンタル結構やられましたよ。2年ぐらい痛めてました。復帰後もなかなか思い通りに体が動かない時期があったし…。でも、それがなかったら今の自分はないなと思える過去になり、意味あるものになってます。 ──サポートドラムに後輩のドラマーを呼ばれたシーンも印象的でしたが、大変なこともあったでしょうね。 TAKUMA いや、頼もしかったですよ。 NAOKI ドラマーが変わるとむちゃくちゃ変わるな…と身に染みて感じました。サポートの方々は一流ばかりですが、ノリが違うので勉強になりました。改めて、「KOUICHIはすごいんだな」とも思いましたね。 KOUICHI 絶対思ってないけどね!(笑) ただ術後に時間がかかり、肺なので呼吸がしんどくて…。今はもうタバコもやめ、“健康ドラマー”でいこうと思ってます。 ──NAOKIさんもライフスタイルに変化があったそうですね。 NAOKI 僕も年齢も年齢なので、お酒をやめたり、トレーニングしたりしてます。 ──お酒をやめたとは、結構大きな変化ですね。 NAOKI 冷静な目で酔っ払いを見てるのは、楽しいんですね。打ち上げの飲み会は雰囲気が楽しいから、自分はアルコールが入ってなくても楽しめることに、気づきました。 |
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■進化する曲作り、変わること変わらないこと…NAOKI
![]() 「ソフトで曲作りは早くなっても、変わらないものはある」と語るNAOKI
──改めて10-FEETの楽曲は、どんなふうに曲作りが行われているのかお話しいただけますか? TAKUMA ふだんから鼻歌とかでストックをためて、その時その時に生まれるアイデアで組み合わせている感じです。食材を集めて、「これならこんな料理ができるな」という感じです。 ──その後にメンバー3人で、味付けを相談し合っていく感じですか? TAKUMA そう、そんな感じ。スタイルは結成当初からあまり変わりません。ただ、今はスタジオ以外でも音楽データを渡し、PCの作曲ソフトでリモートでできる。みんなでスタジオに入れない時間も作曲や相談に使えるので、環境はすごく良くなったと思います。 NAOKI 音楽ソフトでスピードはより早くなり、個々でできる時間が増えました。でも新曲は毎回、曲によってスムーズにいく時も煮詰まる時もあるのは、ずっと昔から変わらずですね。 ──今年のベリテンライブを本当に楽しみにしています。改めて、ベリテンにかける意気込みを聞かせてください。 ![]() 今年もベリテン司会を担当するRADIOBERRYの渡辺裕介アナと並ぶ10-FEETの3人(8月上旬、東京・麹町のJFNセンタ-ビルで)
KOUICHI 去年できなかったので、僕らはその分も精一杯やりたいと思います。 NAOKI 去年セットリストをSNSで出しましたので、今年はその通りやるのか、そこから色々変わるのか? それも含めて、ワクワクしながら楽しみにしていてください。 TAKUMA 今KOUICHIとNAOKIが言ったようなことは、お客さんも同じように思う部分があるはず。去年の分も、みんなと昇華できたらいいなと思っています。 ──10-FEETの皆さん、どうもありがとうございました。 インタビュー(上) インタビュー(中) 10-FEETも出演する「ベリテンライブ2025 Special」は9月27日(土)、28日(日)開催! 詳しい情報はこちら |




(インタビュー / 渡辺裕介)