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[さくらカフェブレイク]

2013年3月27日

*さくら市ミュージアム開館20周年特別展~日本の情景 美の競演~*

さくら市ミュージアム開館20周年特別展「日本の情景 美の競演」の情報*


5月1日開館20周年を迎えるさくら市ミュージアム。

それを記念して3月16日から開館20周年記念特別展が開かれています。

その名も

「日本の情景 美の競演」


入ってすぐのロビー そして2つの展示室に 52点もの作品たちが展示されています。


一体どんな作品たちに出会えるんでしょう。

さくら市ミュージアムの学芸員 大木礼子さんにご案内いただきました。


「日本の情景 美の競演」ですから もちろん中心となるのは日本画。 

懐かしい風景や 草や 花など

日本の情景を描いた作品たち
が飾られています。


時代は近代・現代

100年の間に描かれた作品たち

ひとくちに100年と言っても

作家さんによって書き方や想いは様々


作品の中には現在栃木県で活躍されている地元の作家さんの作品たちもあります。


入口を入ってすぐ目に飛び込んで来たのは

縦が2m 横が4mもある大きな大きな白と赤の牡丹が描かれた絵
この作品は今回の展覧会でもメインになる作品で

開館20周年ということで特別に初めてお借りした絵だそう。


松尾敏男さんの「朝霞」


タイトルを聞いて この絵が朝の絵だと初めて気づく。

背景がグレーなので 日が落ちて夜と夕方と境目の風景にも見えなくない。


「そうなんですよ 全体的にグレーで太陽もグレーなんで

 もしかすると なんか暗い絵かな?と思ってしまうかもしれませんが

 よく観ると 本当に瑞々しくて

 今から何か始まるという予感が含まれているような

 いろんなドラマが含まれている・・・

 大作だと思います。



 ぜひじっくり 近くから観たり 遠くから観たりしていただくと
 
 色んな世界が見えてくるかと思います。」


と大木さん。


夜が明ける直前に咲いた綺麗な赤と白の牡丹。


メインの作品というだけあって 事前にホームページでは拝見していたんですが

生でみるとその迫力や瑞々しさがダイレクトに伝わってきます。

朝 一日のはじまりに これからまさに放たれようとする牡丹の生命力。

そんなパワーがもらえる作品です。


おなじくロビーに飾ってある大きな満開の桜を描いた作品。
栃木県出身・在住で昨年お亡くなりになった松本哲男さんの「麗」


「優しくて 本当に色合いも美しくて

 もう包み込まれるというか

 自分たちがこの中に入りたい。というか。

 本当に綺麗な桜の風景です。」


とうっとり語ってくださる大木さん。


本当に桜に包まれているような

桜の香りがふわっと香ってきそうな そんな作品。


桜って生で見ると感動しますけど

絵の桜でこんなに感動したのは初めてでした。


奥の展示室に入ると・・・目に飛び込んで来たのは

迫力満点の金の屏風。
那波多目功一さんの「富貴花図」

まぶしいくらいに きらびやかな作品。

同じ牡丹の花でも

最初にみた松尾敏男さんの牡丹とはまた違った雰囲気の牡丹です。



「那波多目さんという方は非常に現代的な考えを持っている方なので

 西洋の絵から描き方をどんどん自分の中で取り入れていますから
 
 とても描写が写実的というか

 写真にも似た 本物そっくりに描いています。」

と 大木さん。

ほんとに もしかしてこれ押し花?!と思わんばかりに

まるで本物の牡丹のよう。


「多くの日本画家の方はこういった展覧会に出した時に

 もうそれで完結するんですね。

 でも那波多目さんは 展覧会に出して自分で作品をみて

 何か足りないな。と思ったら

 どんどん書き足していくんです。


 お手持ちのリーフレットを見てみてください。」

と言われ見てみると・・・

あれ?何かが足りない!!


ひらひらと飛んでいる2匹の蝶が

リーフレットに掲載されている作品には描かれていない
んです!!!


しかも本物そっくりの蝶で

まるで本物の蝶が作品の牡丹のまわりでひらひらと舞っているかのよう。

どこかの展覧会が終わった後に書き加えられた2匹の蝶だったんでしょう。


「那波多目さんは 作品をだんだん進化させる。という考えをお持ちなんです。」
 

次にあなたがこの絵に出会うときは また どこか進化しているかも?!


50点以上もある作品たち。かなり見応えがあります。

最後に観た作品は 

思わず 「うわーぁ すてきな一枚。」

とうっとりため息がでちゃうような作品。


ブルーのグラデーションがどんどん上にいくにつれ薄くなっていき

上の方はほとんど白い大きな一枚の絵。


「これは 海ですか?」

と 聞くと

一瞬間をおいてから


「そうですね。何に見えるでしょうか。」


と ちょっと戸惑い気味の大木さん。


え?!海じゃないんですか!?海かなと思ったんですけど・・・とうろたえる私。


「これを描いた作家は荒井経さんという方なんですが

 「作品を見て 作品を見ないで欲しい。」

 とおっしゃるんですね。

 というのは 

 「作品を見て 自分でこの中で旅をして欲しい。」

 とおっしゃるんですよ。

 ですから これを見て海と感じたら海でもいいんです。

 ・・・ちょっともう少し近づいて見てみてください。」


と大木さんに言われ 近づいてみると・・・


海じゃない!!!この絵は・・・


海じゃない!!!!!


悲鳴のような驚きの声をあげる私。←美術館なのに。


これは・・・山里?!


川があって人々が暮らしているような風景が見えてくるではありませんか。
「海とおっしゃった方は初めてかもしれません。」

と大木さんに言われ急に恥ずかしくなってきた私。


そんな私に


「でも 海でいんですよ。

 それは見る人の気持ちなので

 荒井さんも別に何と思って描いているわけではないんです。」

と優しい大木さんが指差す先を見ると

タイトルに「景色」の文字。

山里の風景でも海でもなくこの絵のタイトルは

「景色」

なんですね。


「荒井さんは喜んでいると思いますよ。

 色んな見方があって。」


と 思わず「海!」と自信満々に言ってしまった私に

次から次へと温かいお言葉をかけてくださる大木さん。


でも どうでしょう。

あなたは何に見えるでしょう?

やっぱり山里?

海?空?宇宙?


ひとそれぞれで ほんとに いいのかもしれない。

そんな風に絵をみていると

なんだかとても楽しい気分に。


いつのまにか 絵を見ることがこんなに楽しいという事を教わっていました。



「堅苦しいものではなくて 誰でも気軽にとても楽しく見られると思います。

 日本画ってちょっと馴染みがないな。とか

 なんとなく取っつきにくいな。っていうのがあると思うんですけど

 本当に身近に見てもらって 心を癒すと言いますか

 そこから扉が開いて色んなことを感じていただければいいなと思っています。


 日本画なんですが題材は自然のものとか桜とか花がありますから

 小さいお子さんでも見て充分楽しめるものだと思いますし

 分からない時には一緒に来たお父さん・お母さんやお友達とかに聞いて
 
 色んな会話をしながら見ていただきたいと思っています。


 20周年ということなので 

 より多くの方に来ていただきたいと思っています。

 お待ちしています。」


と大木さん。
 

 
これまでさくら市ミュージアムで行われる数々の企画展を取材させていただきましたが

それまでは全く知識がなかった美術の世界。

取材がある度に 事前に調べて調べて そして実際にインタビューで詳しくお話を伺って


そうしているうちに 美術というものが身近になり

なにも堅苦しく考えなくていいんだ

思うままに 感じるままに みればいいんだ。

なんてことに気付いて


さくら市ミュージアムの取材に来るのがいつも楽しみで楽しみでしょうがなくなっていました。


SAKURA FMが始まった当初からお世話になっていた大木さんには

たくさんのことや美術の楽しさ うきうきする気持ちを教えてもらいました。


今回も 日本画といえば すこし堅苦しいイメージがあったけど

全然堅苦しくなんかなくて

むしろ こんなに胸がきらきらして

木々や花の生命力や美しさにパワーをもらえるものなんだって

感動しっぱなし。


日本の風景に

自然の力に

絵のパワーに

この春 前へと一歩進む勇気をくれるような

そんな展覧会です。 


≪開館20周年特別展「日本の情景 美の競演」≫

場所:さくら市ミュージアム―荒井寛方記念館―
   栃木県さくら市氏家1297

会期:前期 3月16日~4月14日
   後期 4月17日~5月19日

開館時間:午前9時~午後5時

休館日:月曜日 第3火曜日
    (4月29日(月)・5月3日(金)~ 6日(月)は開館)

観覧料:一般300円 大学生以下は無料

*4月28日と29日は開館記念として観覧料が無料となります*

お問い合わせ:028-682-7123(さくら市ミュージアム)


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