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生コマ

[さくらカフェブレイク]

2013年1月16日

*第17回 栃木・日展作家展*

☆リスナープレゼント☆
栃木・日展作家展の招待券をペアで10組20名様にプレゼント!
プレゼント応募フォームからメッセージを添えてご応募お待ちしてます!締め切りは今週日曜日1月20日まで。

現在さくら市ミュージアムで開催中の栃木・日展作家展の情報!!


毎年 東京・六本木の新国立美術館で開催される日本最大級の総合美術展・日展

その日展に入選した作品の中から

栃木県の作家さんだけの作品を集めて展示
するのが「栃木・日展作家展」です。


現在さくら市ミュージアムで開催しているということでお邪魔してきました*


ご案内いただいたのは日展評議員であり

栃木・日展作家展の会長でもある杉山吉伸先生です。
さくら市ミュージアムでは17回目の栃木・日展作家展

以前は宇都宮市にあった上野百貨店で三十数年間開催されていました。

上野百貨店の閉店に伴い その後どうしようか・・・と思っていたところ

現在のさくら市ミュージアムで開催できることになり


「ミュージアムには本当に感謝している。」


と感慨深げに話す杉山先生。


というわけで 栃木・日展作家展の歴史は

さくら市ミュージアムと上野百貨店で行われていた期間を合わせて50年ほどですが

日展そのもの自体の歴史は長く明治40年に始まり今年で105年


「恐らく私の知る限りでは

 世界でもこのようなスケールの大きい展覧会は珍しいと思います。」


と杉山先生。


そんな日展に入選した作品の中でも

栃木県の作家さんだけの作品を集めて展示したのが「栃木・日展作家展」。


最初はこんなに沢山 栃木県から日展に入選する方はいなかったそう。

杉山先生が日展に初めて入選したのは まだ大学生だった頃。


当時大学生の杉山先生は「栃木県でも日展を盛り上げていきたい。」

と願いつつも なかなか発展せず

「文化不毛の地」などと言われ悔しい想いもしたそう。


「日展のような一番スケールの大きい展覧会が
 
 栃木県でできない。というのは淋しいなあ。という風に私は想っていました。

 だから今こうしてさくら市ミュージアムで開催できているのはとても嬉しいことだし

 この栃木・日展作家展を続けることで

 栃木の文化が発展していく原点になっているんだと思います。」


と語る杉山先生。


杉山先生の想いが実を結び毎年作品の数も増えていき

今ではミュージアムに入りきれんばかりの栃木県の作家さんたちが誕生しました。


実際に杉山先生に会場を案内していただく前に

杉山先生の絵を観るときの心構えを伝授していただきました。


「注意して観ていただきたいのは

 絵というのは女の人なら女の人 花なら花を 山なら山を
 
 そっくり綺麗に描くというだけが絵じゃないんです。

 表現技術を身に着けていかなければならないというのは基礎・基本ですけど

 ただ単に綺麗に描かれた絵を「うわ~写真みたいだね。」と観賞されるのは

 私としては大嫌いなんです。

 ただ綺麗に描く。というのではなくて

 自分を表現していく。


 どういう風に表現するかは 観る人の考え方ですね。」


と杉山先生。


では その心構えを胸に いざ 展示会場へ!! 
    


ミュージアムに入ってすぐ正面にどーんとまず現れたのは杉山先生の作品。

(注)杉山先生の作品 本物は現在巡回展に出品され巡回中ということで

   ミュージアムには飾られているものは写真です。
素敵な女性が描かれている杉山先生の作品。

モデルは先生の奥様なんです。


「ただ肖像画を描いたわけではないんです。

 私が今回描いたのは人物ですけど

 そのモチーフを通して自分で表現したいことをこの人に託して描く。

 という風なことなんですよね。」


と杉山先生。


昨年度も杉山先生に取材させていただきましたが

その時もモデルは奥様。

ただ同じモデルでも 今回の絵は昨年度の絵とは大きく違います。 


「3.11の大地震で私のアトリエの壁が崩れ落ちたりしてしまったんです。

 その時に 風化・変貌をしたアトリエの中

 高齢になって変貌していきますけど そういう人間(奥様)との関係というか

 そういうものを描きたいということで 今回このように描きましたけど


 今までは人物の後ろにもっともっと私が世界各地で集めてきた物を並べて描いていたんです。

 でも今回は今まで沢山描いてあった余計な物を出来るだけはずして

 壁が崩れ落ちた感じなんかを強調したい
と思いました。」


と語る杉山先生の作品は 昨年度よりもずっとシンプルなものになっていました。


そのような杉山先生に作品をはじめ

会場には 日本画・洋画・工芸美術・書の4部門

59点
の作品が展示され

すでに多くの方々が作品を観にいらっしゃってました。
中でも群を抜いて数が多いのは洋画。


ちなみに今年度 日展に出品された作品の数は約1万4千点

そして入選した作品が約2500点

入選するのも一握りなんですね。


ここまで来るにはみなさんそれぞれ相当な研究会や勉強会を重ね

苦労と努力をしてきたのでしょう。

中には 入選した際に 涙ながらに杉山先生に喜びを語り

親戚一同に連絡し大喜び。なんて入選者も少なくないそう。



釜場の入口を描いた大田原市の作家さんも

久しぶりに日展に入選し とても感激・感動された作家さんのひとり。


焼き物を焼く釜場。周りがすすけて煉瓦が黒くなっているような絵。

どうしてモデルにこの釜場を選んだのだろう・・・と思うけど

一度観たら心に焼きつくような印象的な絵です。


「普通はあまり一般の方は心に惹かれないような

 何が良いんだろう・・・というような釜場の入口を自分なりに描いたんですよね。

 こういうモチーフは日展全体を見ても これ1点きり。

 他にはないですね。
そういう風なところの良さがありますよね。」


と杉山先生。


絵画は自己表現だから 同じような・似たような風景とかはないでしょう。」


たしかに。よく見ると絵の横に書かれたプレートには

「師:杉山吉伸」

と書かれた作品がほとんど。

入選した作品のほとんどが杉山先生の教え子さんなんです。

でも同じ先生に習っているにも関わらず

それぞれが全然違うモチーフを題材にしていて

それぞれが全然違う色彩で

それぞれが全然違う印象の絵


そこには

「指導者は自分と同じようなものの考え方を指導してはいけない。
 
 ひとりひとりの自己主張・個性が出ないといけないし

 先生と同じようにみんなを指導したらこういう風に芸術は発展していかない。

 そのひとそのひとなりに素晴らしいところは必ず持っていますから

 そのひとが持っている特徴を強調してあげるんです。」



という杉山先生の指導に対する想いがありました。
 

だから 人物を描く人もいれば 日本人形を描く人もいれば

錆びついた貨物列車を描く人もいる

ケーブルのようなものを描く人もいる。
先生がおっしゃっている「個性・オリジナリティを大切にすること。」

という言葉が この展示を観れば一目瞭然です。


先生のご指導のモットーのひとつは

「綺麗に描く。というのではなく 個性を大切にする。」ということ。


「あなたがたは自分の表現を言葉で表現することが得意。

 私ももし自分でそういうことができたら

 日記を書いたりしたいけど そういうことはできませんから

 私たちは絵で自己主張をしているんです。

 絵画でもって自己主張する。

 粘土でもって 焼き物でもって自己主張する。
 だから表現の仕方は人によってそれぞれですけど

 自分を表現していくということの大切さを一般の人には知ってほしいわけです。


 多くの方たちにミュージアムに来て観ていただきたいなと私は最後にお願いしたいですね。
 
 ひとりひとりがみんな違う。というところに眼目をおいて観て欲しいと思います。」

 
と語る杉山先生。


そんな杉山先生のお話を聞いていると

そして それぞれの個性が溢れている作品たちを観てると

自分は自分でいいんだと

背中を押されるような瞬間がありました。


文化不毛の地と言われていた栃木県に

今ではミュージアムに入りきらなくなりそうなほど沢山の素晴らしい作品が誕生しました。


≪第17回栃木・日展作家展≫

場所:さくら市ミュージアム―荒井寛法記念館―
   栃木県さくら市氏家1297

会期:平成25年年1月5日~2月3日

開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

休館日:月曜日

観覧料:一般300円 高校・大学生200円 小・中学生100円
*未就学児・さくら市内の小・中学生は無料

お問い合わせ:028-682-7123(さくら市ミュージアム)


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