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生コマ

[さくらカフェブレイク]

2012年10月31日

*足利尊氏 その生涯とゆかりの名宝*

栃木県立博物館で開催している開館30周年記念 特別企画展「足利尊氏 その生涯とゆかりの名宝」

さくら市からも足利尊氏ゆかりの名宝が出品された!ということで

栃木県立博物館の学芸員 江田郁夫さんに詳しくお話を伺いました。
栃木県立博物館の開館30周年を記念して開催されている

「足利尊氏 その生涯とゆかりの名宝」

10周年の時は中国の浙江省
20周年の時はフランスのプロヴァンスを取り上げ
今年30週年。

どうして足利尊氏をピックアップしたのか聞いてみると


「一番名前的には著名な武将であり

 しかし 

 残念ながら尊氏と栃木との関わりはあまり知られていないということで

 今回は地元・栃木のスーパースターに登場願いました。」

と江田さん。

足利尊氏は学生時代に歴史の授業でならったことがあるけど

栃木にゆかりの深い武将だという事はあまり記憶になかったなあ・・・。


「室町幕府を開いた人」


そう授業では習った方が多いかと思います。

その通り。尊氏は室町幕府を開いて戦乱を治めた将軍。

しかし

「この企画展で色々な展示品をご覧いただいてもたれる印象っていうのは

 武将としての尊氏ではなくて
 
 人間としての尊氏。
だと思います。」

と江田さん。

教科書では教えてもらわなかった人間としての尊氏。

一体どんな一面が見られるんでしょうか。

私もぐるりと一周ご案内いただきました。

入ってまず

今回栃木県で初めて披露される現存最古の足利尊氏坐像がお出迎え。

どーんと座ってこちらを見ています。

「足利尊氏坐像(大分県安国寺蔵)」
少したれ目でがっしりとした下あご。

とてもおおらかで優しくて包容力がある。


そんなイメージを持たれる方も多いかと思います。


入口でこの坐像と対面したとき

動けなくなるくらい 何か心にぐっとくるものがありました。

なんでか分からないけど涙が出てきそうになるくらい。


自分が産まれるずっとずっと前に作られた坐像。

色んな人や人の想いを見て来たんだろうな。

何か魂が伝わってくるような

今にも動いて優しい声で語りかけられそうな

そんな不思議な感覚に陥りました。


この坐像はチラシやHPなどに載っているので事前に資料で見てはいたんですが

実際目の前にすると

思っていたよりもすごく大きいな。という印象。


それもそのはず。

これ 等身大の尊氏なんだそう。

座高は被っている烏帽子まで含めてだいたい1m

そこから想像しおそらく尊氏は身長150~160㎝くらいだったと思われます。

目には玉眼が入っているので見つめれば見つめ返してくれる


「顔の表情もとても生き生きとしていて

 在りし日の尊氏が間近で見られる。ということになると思います。」

と 江田さん。

そんな尊氏坐像に思わずじーっと見入っている方もたくさんいらっしゃいました。


まだまだこの坐像は入口です。

ここからたくさんの尊氏に出会い感銘を受けることとなるでしょう。

なにせ今回の企画展

国宝が2点・国の重要文化財が50点以上

全体で160点もの尊氏ゆかりの品々が展示
されています。


中でも これは絶対よく見て欲しい!というものは?と聞くと


「それぞれ想い入れがあり ひとつと言わず全部よくご覧いただきたいところですが…

 あえてひとつ挙げるとすれば

 尊氏の先祖が故郷・足利に作った樺崎寺に祀られていたとされる

 運慶作の大日如来坐像2体
 
 これは必ずご覧いただきたいと思います。

 運慶は日本の彫刻師を代表する仏師と言っていいと思うんですが

 その仏師が作った仏像が2体もこの足利にあって

 残念なことにそのうちの1体は栃木を離れてしまったんですが

 今回2体揃って「初めての里帰り」ということになりますので

 じっくりとご覧いただきたいと思います。」


この坐像は実は表面的に見ているだけでは分からない

隠された内部の秘密があります。

それも展覧会では見ることができるのでそこも必見です!!


そして 忘れちゃならないのが 

この企画展にはさくら市からも尊氏ゆかりの名宝がいくつか出品されているということ!!


そもそもさくら市は足利尊氏ととても関わりが深い町

尊氏の子孫が最終的に江戸時代に現さくら市の喜連川に住んでいました

今回の尊氏展にとってなくてはならない町のひとつなんです。


喜連川に住んだ尊氏の末裔・子孫は「喜連川公方」と呼ばれていました。

その喜連川公方ゆかりの品・代々に伝えられた重要な名宝が展示されています。


その さくら市から出品された名宝とは・・・!!

「足利尊氏坐像(さくら市龍光寺蔵)」
ひとつは喜連川の龍光寺に祀られている尊氏坐像

大変貴重な坐像です。

他には

足利氏の子孫だからこそ残されている系図

一年のスケジュールを書いた年中行事と呼ばれるものなどがさくら市から出品されました。

「尊氏以来の足利氏のあり方を具体的に覗わせてくれる

 とても貴重な資料だと思います。」

と江田さん。


もしかしたら地元さくら市の方も見た事がない方も多いのでは?

さくら市にはこんなに誇れる歴史的資料が残されているんですね。


他にもなかなか見ることができない貴重な物がたくさん展示されます。

とても珍しい文化財・国宝も2点出品!!


ひとつは「宝積経要品」


足利尊氏と尊氏の弟・直義とお師匠さんにあたる夢窓疎石というお坊さん

この3人でそれぞれ分担してお経を写したもの


「3人の字を見比べると人柄の違いも具体的に覗えるんじゃないかと思います。」

と江田さん。

確かに。字って本当に人柄が現れるんだなあ!と思いました。


「夢窓疎石や直義のとても綺麗な字に比べると

 尊氏は少し大雑把な感じもしますし

 彼の大らかさも示しているかのように見えます。

 ぜひ彼の自筆もご覧いただきたいと思います。」

と江田さん。


この自筆が見られるのも会期中の2週間だけ!!

大変貴重なものなので展示期間が限られてしまうんです。

「宝積経要品」は10月30日~11月11日まで。


もうひとつ展示を予定されている国宝は清拙正澄というお坊さんが

亡くなる時に書いたと言われている大変迫力のある墨跡(墨で書いた字)。

こちらは11月10日~11月25日までの展示です。


「ぜひ何度でも足を運んでいただけたらありがたいです。」

と江田さん。


なかなか見ることができない国宝。このチャンスに一度は見ていただきたい!!


「栃木のみなさんに初めてご覧いただくというものが沢山展示されています。

 たとえば尊氏坐像は本来大分県にあるものですから

 実際ご覧いただくことはなかなか難しいかと思います。

 今回の尊氏展は規模的にもこれまでの最大規模の尊氏展ですし

 たぶん最初で最後の尊氏展になろうかと思うんですが

 この機会にご覧いただければとても嬉しいと思っています。」



と江田さん。


歴史は学校で学んだ以来だった私でも

みるみるうちに引き込まれた尊氏展。

もう2度と会うことはないかもしれない尊氏坐像との出逢いは

私にとって衝撃でした。

歴史がぐんと身近に感じられた日。


ぜひあなたの目で心で感じていただきたいです。

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≪開館30周年記念特別企画展 足利尊氏 その生涯とゆかりの名宝≫

期間:10月13日(土)~11月25日(日)

場所:栃木県立博物館(宇都宮市睦町2-2)

開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)

休館日:毎週月曜日

観覧料:一般1000円 大学生・高校生500円 中学生以下無料

   *11月3日(文化の日)は無料です*

お問い合わせ:028-634-1312(栃木県立博物館)



*足利尊氏にゆかりの深い4館連携のスタンプラリー開催中*

4館すべてのスタンプが押されたチラシをお持ちいただくと素敵な景品がもらえます。
・栃木県立博物館
・足利市「史跡足利学校」
・茨城県古河市「古河歴史博物館」
・栃木県さくら市「さくら市ミュージアム」

さくら市ミュージアムでは11月2日~12月24日まで
企画展「喜連川御城下―その暮らしと文化―」が開かれます。
ぜひこちらもお越しください。


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