[さくらカフェブレイク]2013年2月6日
*武田美穂さん・絵本ライブ*![]() これ。
懐かしー!!と思った方もいれば はじめて見る。という方もいるでしょう。 ちなみに私は「なつかしー!!!」派。 「となりのせきのますだくん」は今から22年前・1991年に発刊され いまでも全国のお子さん達に愛されている絵本です。 どんな絵本か簡単に内容を紹介すると・・・ 主人公は小学生のみほちゃん。 「わたし、今日、学校へ行けない気がする。」 物語はそんなみほちゃんの一言から始まります。 隣のせきのますだくんは緑色の怪獣。 なわとびもかけっこも苦手 給食のにんじんもとりにくも嫌いなみほちゃんに ますだくんはいじわるなことばっかり言います。 ![]() ある日 みほちゃんが大切にしていた鉛筆をますだくんに折られてしまいました。
ついに みほちゃんはますだくんに消しゴムを投げつけて そのまま逃げるように帰ってきました。 「明日きっとますだくんにぶたれるんだろうな。 学校いきたくないな。おなかいたくならないかな。熱でないかな。」 って 憂鬱な気持ちで学校に行くみほちゃん。 ところが 校門でまちぶせしていたますだくんはみほちゃんの手をつかんで 「ごめんよ」と言いいました。 そして二人並んで校舎に入って行く後姿。 そのますだくんの後姿は 怪獣ではなく 人間の男の子の姿でした。 ![]() この絵本に私が初めて出会ったのは小学校1年生でした。
一時期クラス内で「ますだくんブーム」がやってきたのを思い出します。 みんな怪獣の姿をしたますだくんが 嫌な奴なのに憎めなくて小学生たちの人気者に。 「ますだくんっておまえのことだべ!」 なんて冗談半分でからかい合ったりする男子も続出したり。 そんな 当時クラスの一大ブームとなった「となりのせきのますだくん」の作者・武田美穂さんが このたび さくら市にやってくるのです!! 2月24日に氏家図書館で「絵本作家講演会・絵本ライブ」を開催される武田美穂さん。 絵本ライブって一体どんなことをやるの?! 武田美穂さんってどんな方なの?! というわけで 絵本作家・武田美穂さんに電話でインタビューさせていただきました* 「となりのせきのますだくん」をはじめ 「すみっこのおばけ」や「あしたえんそく」 そして読むとおもわずよだれが出てしまうようなおいしい絵本 「ハンバーグハンバーグ」「パパ・カレー」「オムライス ヘイ!」 など 多くの方に愛される絵本を生み出されている武田さん。 まずは武田さんご自身についてお聞きしました。 そもそも武田さんが絵本作家になろう!と思ったのは20代の半ば頃。 小さい頃に絵本に囲まれて育った中で絵本作家の夢が生まれた。 という訳ではないんですね。 絵本作家になるきっかけをくれたひとりの女の子との出会いがあったんです。 20代の頃 武田さんが某区立図書館でアルバイトをしていた時に出会った当時小学4年生の女の子。 武田さんがカウンターに座っていると 新参者の武田さんは子どもたちに取り巻かれます。 ある日 その中のボス(小学4年生の女の子)が 「私のために絵本読んで。」 とやってきました。 言われるままに読んでいたら 「感情がこもってない。」だのと小学4年生の女の子に駄目だしばかりされる武田さん。 それでも武田さんがひとりになるのを見計らっては 何度も何度も「絵本読んで。」とやってくる女の子。 いつしか沢山の子供たちに囲まれながら絵本を読むようになっていました。 「私はまるで手下のように彼女が持ってきた本を読まされている感じでした。」 と笑う武田さん。 「でも その本がすごく良かったんです。みんな。 今考えると 絵本作家になるためにこれはおさえておいた方がいいっていうような本とか 当時のものすごく新しいきらきらしている絵本とか。 小さい頃は弟の絵本はあったんですけど その女の子に読まされた本というのは それのどれとも違っていて 新しい地平が開けたような感じがしました。」 そう語る武田さんの言葉に思わず感動の鳥肌が。 その女の子は武田さんにとって 出会うべくして出会ったひとなんでしょうね。 人生の中できっとそういう人って何度か現れるのかもしれませんね。 「私の恩師は何人もいるんですけど その中に小学校4年生の子が同列で混じっていて しかも私の人生に相当影響を与えていて。 でも本人はそれを知らないと思います。」 と武田さん。 そうですよね。きっと知ったらびっくりするだろうなあ。 人に影響を与える人って 案外自分では気づいていなかったりするんだろうなあ。なんて。 そんな小学校4年生の女の子に出会い 絵本作家を志し 今ではたくさんの素敵な絵本を世に送り出し続けてくれている武田さん。 ![]() 絵本作家になってよかったなあ。って思うときってどんな時ですか?と聞くと
「こどもたちから手紙をもらって たとえば 小学校1年生のときには 「ますだくんって怪獣が縄跳びをしていて面白かった。」 って感想を書いて来た子が 4年生になってまた読み返したら感想が変わっていた。というような そのような手紙が来た時には もう冥利に尽きると思いました。」 とおっしゃるではありませんか。 分かる!!分かります。 実は私も今回インタビューをさせていただくにあたり 「となりのせきのますだくん」を読み返してみたんですが・・・ 小学校低学年の時は 最後に人間の後姿になっているますだくんをみて 「ますだくんは変身したんだ。」 と思っていたんです。 でも 今読み返してみて気付いたんです。 ますだくんって変身したんじゃなかったんだ。 きっとみほちゃんはますだくんのことが怪獣に思えちゃうくらい怖かったんだ。 って。 そのことを武田さんに伝えると 「そうなんです。心のフィルターで見ていたというか。」 と。 そうか。20年越しの発見。 改めてこうして大人になって絵本を読み返してみると 幼かったころには分からなかったことや 新たな絵本の魅力が再発見できたり とてもおもしろいし 感動するなあ。 そうしみじみしていると 「そんな風に2回も読んでいただけると すごく ああ よかったなあと思います。」 と 互いにしみじみ感動。 もうひとつ 大人になって気付いた重大ポイントは 主人公の名前が「みほちゃん」 そして作者の名前も「みほさん」だってこと!! これはもしや実話だったのか?! 武田さんにその真相を聞くと 「名前をつけたのはつい出来心で自分の名前にしちゃったんですけど でも 私自身が本当に給食も残さず食べられなくて 縄跳びも跳べなくてという経験があったので そういうような実体験の部分もあったんですけど ますだくんというのは 担当編集者の男の子が 目つきの悪い怪獣みたいな子で 締切だって言って来るんですよ。 それがすごく嫌で ある日 「ああ いやだ あの目つきの悪い怖い男の子がまたやって来る・・・」 って思った時に 朝 「おなかいたくなればいいのに・・・。 なんか熱でたって言っちゃおうかな。」 なんて思いながら彼の顔を思い出した時に怪獣が浮かんできました。」 !!! そんなますだくんの誕生秘話があったとは!!! 思わず 「ありますよね~。大人になった今でも「熱が出ればいいのに・・・」なんて時!」 と言うと 「はい。最近もあります。」 と とてもおちゃめな武田さん。 そんなとても優しくて素敵な武田さんが2月24日にさくら市の氏家図書館にいらっしゃいます* 題して「絵本ライブ」。 音楽のライブならぬ 絵本ライブって一体どんなことをやるんでしょう? 「口頭で 絵本ってこういうものだ。と言っても なかなか伝わりにくいので 自分の絵本をみなさんに観ていただいて そこで感じていただきたいというのがありまして・・・。」 と武田さん。 ということは・・・武田さん直々に読み聞かせをしていただける?! 「はい。アルバイトで昔読み聞かせをやっていたのに下手くそなんですけど・・・。」 ととても謙虚な武田さん。 当日は「となりのせきのますだくん」や おいしい絵本「オムライス ヘイ!」など 何冊か武田さんが作った絵本を作者直々に読んでいただけるんです!! なんという贅沢!! 「それぞれきっとみなさんのリズムで読んでいると思うんですけど 作家としては実はこういうリズムで作っていたんだよ~。というのを知ってほしくて。 でも みなさんは好きなリズムで読んでいただきたいと思うんですけど。(笑)」 と武田さん。 作家自身が自分の絵本を自分で読むということは 目の前でリアルな反応を生で感じられるということ。 それってどんな気分なんでしょう?と聞くと 「リフレッシュされるというか。 読者が目の前にいなくても絵本の向こうにいる人たちのことを考えながら 試合を挑むつもりで描いたりするんですね。 それが目の前で起こると なかなか楽しいです。 また頑張ろうっていう気持ちになります。」 と武田さん。 きっと氏家図書館でもその素敵な戦いの火花が切られることでしょう。 しかも 絵本ライブには なんと原画もお持ちいただけるとか!! ひょー!!! 最後に 絵本・絵本ライブを通じてどんなことを伝えたいですか?とお聞きすると 「五感というか 手触りや めくりや 自分の中のリズムとか そういったもので 本というのは 自分にとってもクリエイティブなものだと思うんです。読むだけで。 みんなに紙物の本とか絵本を忘れないでほしいと思って。 絵本っておもしろいんだよ。ってこと。 あと 自分の中でひとつ創作的なことをして読んでいくものなんだよ。 ということをお伝えできたらなと思っています。」 と武田さん。 私も改めて 絵本のページをめくるときのわくわく感や 絵本から感じる匂いのこと 何度も何度も読み返して読んだ懐かしい気持ちのこと 絵本で育ててくれた親のこと 色んな大切なことを思い出したりして。 絵本ライブでは来ていただいた方からの質問にもお答えしてくれるそう。 あとは当日あなたが武田さんに会って直接色々聞いてみてくださいね* 「いっぱい質問もしてほしいなって思っています。 ぜひぜひお待ちしてます。」 と武田さん。 20年ぶりの絵本との再会。 そしてその作者とのインタビュー。 私にとってもとても貴重なインタビューでした。 インタビューが終わってから 「当時小学1年生だった子が 今ではこんなに立派にラジオでお話しされているなんて・・・。」 と 感慨深い口調でお話ししてくださったことがとてもうれしくて 私も あの頃 主人公のみほちゃんのように 「おなかいたくなればいいのに。 熱がでればいいのに。」 って 学校いきたくないな。って思っていたタイプだったから となりのせきのますだくんの絵本にどこかシンパシーを感じていた。 大人になって 実際に作者の方とこうしてそんなお話ができたりするなんて とても嬉しいこと。 24日はあなたも実際に武田さんにお会いしてお話ししてみてください* さっそく本屋さんにいって「となりのせきのますだくん」を買に行こう。 いつか 自分に子供ができたら 読んであげるんだ。 なんて言うかな。どんな反応するかな。 ますだくんが怪獣じゃなかったって。わかるかな。 親から子へ 絵本って そうやって ずっと繋がっていきますよね。 話がそれてしまいましたが 2月24日のイベントは 武田さんの絵本・そして素敵な武田さんワールドに会いに ぜひお子さんも大人の方もいらしてください* 先着70名ということで 行きたい!という方は今すぐこちらへ!! 申込み方法は3パターンあります。 ・氏家図書館に直接行く。 ・氏家図書館に電話で申込み。028-682-9889 ・氏家図書館にFAXで申込み。028-681-0082 お名前・住所・電話番号・人数をご明記ください。 申込み期限:2月16日(土) ≪武田美穂さん・絵本ライブ≫ 日時:平成25年年2月24日(日) 13時30分~15時30分 場所:氏家図書館 栃木県さくら市櫻野1321 定員:70名 参加費:無料 お問い合わせ:028-682-9889(氏家図書館) ![]() |
「となりのせきのますだくん」という絵本 ご存じですか?