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[今回のSAKURA情報]

2014年12月10日

現在さくら市ミュージアムで開催中の企画展「模写そして創造へ 荒井経の仕事」について☆

やってきました、さくら市ミュージアム。木々に秋の気配を残しつつ、吹く風には冬の息づかい。今回はどんな展示がみられるのか・・・楽しみですねっ

しかも今回は贅沢にも、企画展の主役・日本画界の若きプリンス・荒井経(あらい・けい)先生と一緒に鑑賞させていただきました☆

荒井経先生は宇都宮市出身の日本画家。東京藝術大学で教べんをとる先生でもあります。またテレビの美術番組で日本画の解説をされたりと、マルチな活躍をされています。実際にお会いするとお若く、とっても爽やかな方で驚きました☆
今回の企画展は3部構成。

第1部は、さくら市出身でさくら市ミュージアムにもたくさんの作品が所蔵されている荒井寛方さんの模写作品が展示されています。ちなみに荒井寛方さんと荒井経先生、同じ姓ですが血縁関係はないそうです。

第1部でわかることは、画家にとって、先人が残した作品を写すという模写がいかに大切かということ。模写することで、筆使いや描いてゆく順番などが分かる部分もあれば、その作家さんの筆運びの驚きや、謎が解けたりして、作家さんの精神性までをもよみとれるそうです。


展示されているのは、荒井寛方さんが大正時代にインドに渡って模写した、アジャンタ石窟の模写など。実際の目で原寸で描くのが模写の基本だそうですが、自分より何百年も前に画家の手によって描かれた作品を模写した寛方さんと、荒井経先生は、同じ画家の目線で模写から学ぶことが多い、ということです。

言葉で残っていない想いや筆遣いを、生まれた時代も人種も異なる「絵」というものから感じられるって、すごいですよね。画家さん同志だからこそ分かるようです・・・


(※写真↓は荒井経先生の作品です。)
(※写真↓は荒井経先生ご自身と、先生の作品「景色」です。)
第2部は、荒井経先生が実際に、研究の為に模写したという、明治19年(1886年)に、狩野芳崖が描いた「仁王捉鬼図(※写真↓)」について伺いました。

絵を描いたのは狩野芳崖(かのう・ほうがい)さん。幕末から明治へ、激動の時代を生きた日本画家です。

江戸から明治へ時代の変わる頃、時の総理大臣は伊藤博文でした。気運はヨーロッパに追いつけ追い越せムード。近代的な文化を取り入れたいと、当時西洋で生まれた印象派などの油絵を見て驚愕した政治家たちは、絵画のスタイルも日本のものから西洋のものへ移行しようとしました。

その理由は経先生曰はく、絵の具にあったそうです。印象派の絵って、確かに色が鮮やかで水面や光がキラキラ輝いていますよね。それは世界に先駆けてヨーロッパで誕生した12色の合成絵の具開発によるものだそうです。

それまでの日本画の画材は、石や植物から顔料をとるもので、油絵みたいな鮮やかな発色のものはなかったそうです。

そんな西洋の油絵と、日本画を並べてみた伊藤総理は、油絵に軍配をあげそうになり・・・「ちょっと待った!」と手を挙げて絵で勝負したのが狩野芳崖さんだそうです。その時に描いたのが「仁王捉鬼図(※写真↓)」。

仁王様が鬼を捉える図柄は日本古来のものですが、その足元のタイルっぽい模様や背景のシャンデリア風のものとか、身にまとうスカーフなどは西洋絵画から取り入れたもので。驚くべきはその色で。

つまりこの絵は、西洋文化を上手に日本画に取り入れた、新しい日本画のスタイルだった訳です。・・・これを見た伊藤総理は、「よし」とし、日本画の伝統を守りつつ、新しい文化も融合させる方向で、日本画のかじ取りを芳崖や、同時代に活躍していた岡倉天心さん(東京藝術大学の創始者)に任せた、ということです。

もしかしたら姿を消していたかもしれない日本画の危機を救ったのが、この作品ということです。

実際にこの作品を模写した経先生の作品(※写真下)。ド派手ですっ 先生は絵を模写するだけではなく、文字で残された文献を読んだり、科学分析をしたりして、様々な角度からこの作品を研究されて、芳崖の気合いなど、そこから見える精神などを感じられたそうです。

「古いものから新しい表現がうまれる・・・」経先生のお言葉です。


企画展の第3部は、作家としての荒井経先生の作品が展示されています。中でもひときわ目を引くのが、縦130㎝、横160㎝の「景色」という作品。(※写真↑↑で先生の背景にある作品です)

こちらはキャンパス全体に白い絵の具を塗って、プルシャンブルーという美しい藍色一色で描いたもの。この絵、白と藍色だけなのに、見ていると真ん中あたりにぽおーっと、赤いようなオレンジ色のような、暖色系の色が浮かんでくるんです。

実はこれ、人間の目の錯覚を利用した、つまり目の錯覚までも計算して描かれた作品です。これが夜明けに見えるか、日暮に見えるかは、見る人の感じ方次第。みささんは最初、海の絵かなって思ったそうです。でもよくよく見ると、人間の営みの小さな灯りや、木々の一本一本のシルエットなど、山里のような風景が見えてくる。
特定の場所を描いたという絵ではなくて、見る人次第で自由に思い出を重ねて鑑賞してほしい、ということです。

タイトルの「景色」とは、主語が自由に姿を変えて見る風景、とでも言うのでしょうか。こちらは画家ではないけれど、画家である経先生の絵の中に、自分の思いを重ねて鑑賞できるという、新感覚の絵です。芳崖みたいに決して奇抜な絵画ではないのに、ふと足をとめたらつい見入ってしまう・・・不思議な絵です☆

今回の企画展。紹介した作品以外にも荒井経先生の作品が数多く展示されています。例えば大きな屏風に描かれた「甲虫譚」。一見空に浮かぶ無数の雲が描かれた作品。よくみると、その雲の隙間には、たくさんのカブトムシ、およそ40匹! 
カブトムシ同志が戦っているのを、ペプシマンがジャッジしていたり。目を凝らしてみると、キティちゃんがいたり。変わった形のろうそくに登っているカブトムシあり、そこから転げ落ちるカブトムシありと。見る度に発見がある、面白い絵です。

驚くのはその写実的な描写力にもあり、一つ一つのアイテムがとてもリアルなんです。実際に足を運んでよーく目を凝らして近くでみてみてください。

古来からの絵画の伝統を取り入れた荒井経先生だからこそ達することのできた精神世界をお楽しみに☆


企画展「模写そして創造へ 荒井経の仕事」は、さくら市ミュージアムで12/23(火)までの開催です。

こちらの展示が終わると、さくら市ミュージアムは長期休暇に入ります。再開は来年の3月末の予定です。詳しくはさくら市ミュージアムまでお願いします。



美術館で、経先生の作品に、自分が今までみた景色をのせて見て・・・なんだか懐かしい気持ちにおされ、郷愁の念が胸に響きました。

美術館を出れば、枯れ木に木の葉一枚・・・ヘミングウェイさん、経先生、私もう少しがんばれそうです☆

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さくら市