[今回のSAKURA情報]2013年9月11日
常磐津がとりもつ~「京劇と日本舞踊の素敵な出逢い」~![]() どんな催し物になるのかお聞きする前に、まずは「京劇」についてお聞きしました。
![]() そもそも「京劇」とは、
18世紀末から19世紀、中国では「清」の時代に成立した中国の伝統演劇。 中国は国土も広いため、地方で様々な演劇がありましたが、それらが「北京」で 集大成される形で「北京」の「京」という字を使って「京劇」となったんです。 ちなみに日本の歌舞伎に似たような要素があり、雰囲気的にも京劇と歌舞伎は似ている そうです。 というのも「京劇」の要素として、歌・セリフ・仕草・立ち回りがあるんですが、歌舞伎 に近しいものがある。いわば「京劇」は中国版ミュージカルのようなもので、世界中の人 から愛される中国の伝統芸能なんです。 もちろん劇中の会話は全て中国語!! それではなかなか初心者には馴染めないのでは…?? と心配に。 すると鈴木さん、こんなことを話してくださいました。 「最近では字幕をつけることもありますが、字幕を見るのも結構なんですが、 舞台で行われている歌い方とかセリフの言い方や仕草とかと見ていただくと 実は言葉が分からなくても、舞台の中身が分かってくるんですよ。」 「これが伝統演劇の強さ、すごさなんです」 「だから、まずは頭で考えずに舞台で行われていることを感じてみて下さい」 この言葉を受けて、「伝統芸能」って大人のたしなみのように私は勝手に思って いたんですが、鈴木さんからこんな話を聞いて「伝統芸能」がぐっと近くに感じ、 率直に「見てみたい!」と思いました。 さらに「京劇」を楽しむために、まず注目したいのが「衣装と化粧」! 色や化粧方法でどんな役柄を表現しているため、 例えば、やさしいお姫様の役は白っぽいドレスに華やかな刺繍。 強い男の役なら全身真っ赤な衣装で金の龍の刺繍。 また、悪役の化粧は顔の筋を強調するかのようにしっかりと描いたりと 見ただけで役の雰囲気が分かるのも「京劇」の面白さ。 だから初めて「京劇」を見る人でも楽しめるんだそう。 それだけでなく、ストーリーも分かりやすく、私達日本人にも馴染みのある 「西遊記」や「三国志」を演じることも多いだけでなく、良い者が悪い者を 懲らしめる「勧善懲悪」の要素もあるので、お子さんでも楽しめる! そんな「京劇」と今回は「日本舞踊」が出会う、催し物。 鈴木さんはいかにトータルプロデュースされるのは非常に気になるところ! ![]() 当日は一部と二部に分かれていて、
まず一部では「京劇体験ワークショップ」が行われます。 今回は日本で京劇の劇団を持っている「張春祥(ちょう・しゅんしょう)」さんをお招きし 実際に京劇での歩き方や剣や槍の使い方、衣装を着たりお化粧も体験できるそうです。 スゴイ!! そして続いて二部では「解説つきの京劇の実演」。 ここでは二つの演目が上演されます。 1つはこれぞ「京劇」!といえるもの。 戦闘シーンが繰り広げられたりする見ものな演劇だそうですよ。 そしてもう一つが「京劇」と「日本舞踊」のコラボレーション!! 「京劇」の張さんと喜連川出身の日本舞踊家・花柳喜乃亜紀(はなやぎきのあき)さんが 「菊の杯」という演目を披露します。 この演目、 猩猩(しょうじょう)という中国の伝説上の生き物(オラウータンみたい)が酒に酔う 様が表現されるんですが、これを「京劇」バージョンと「日本舞踊」バージョンの一度に 表現の違いを楽しめる! これが大きな見どころで、しかもお稽古なし! ぶっつけ本番で行うんだそうです。 「練習しなくて大丈夫なんですか!?」と思わず聞いてみたら、 鈴木さんは、 「どうなるか分からない。だからこそ何が起こるかを楽しみに見て欲しい」と。 京劇と日本舞踊がコラボレーションすることはおそらく世界初! 再演もないため、今回さくら市で行われることは本当に貴重な機会! 「日本と中国の文化理解に繋がる1つの一助となればと思います。 伝統芸能を比べてみればお互いに遠い国ではないということが分かると思います。」 鈴木さんはそう最後に話して下さいました。 なかなか「京劇」や「日本舞踊」のような「伝統芸能」に触れる機会がなかった方にも 是非一度見ていただきたいと思います。 .。*゚+.*.。 ゚+..。*゚+.。*゚+.*.。 ゚+..。*゚+.。*゚+.*.。 ゚+..。*゚+ 「日中伝統芸能」鑑賞入門講座 ~常磐津がとりもつ「京劇と日本舞踊の素敵な出逢い」~ 14日(土)に氏家公民館で午後2時から行われます。入場は無料です。 |
まずはこの「常磐津」について簡単に説明しますと、
これは江戸時代から続く主に歌舞伎の伴奏音楽を担う流派のことで、
その中で「語り」という役柄を担当する
「常磐津和英太夫 鈴木英一(ときわずわえいだゆう すずき・えいいち)さん」
という方がいらっしゃるんですが、この方、実は中国の伝統芸能である
「京劇」についても知識が広い!ということで、この催し物のトータルプロデュース
をされることになったんです。