[放送内容]2021年7月22日
隈研吾さん設計「那珂川町馬頭広重美術館」![]() 左の方には、隈さん曰く「美術館に孔(あな)を開けた」
広重街道と呼ばれる通路が。 この通路の南の延長線上に、馬頭の市街地。 北には里山。 里と人とを結びつけて、 かつて里山の恵みと共に暮らしていた 日本人の生活を取り戻したい…… そんな想いが込められているそうです。 ![]() 印象的なのは、等間隔に格子状に並べられた
細長い木材たち。 ルーバーと呼ばれるもので、 屋根など、さまざまな所に使われています。 : これらは「大はしあたけの夕立」や 「東海道五十三次内庄野 白雨」といった 広重の浮世絵に描かれた雨の線から インスピレーションを得たそう。 さらに、「大はしあたけの夕立」の レイヤーを重ねた日本独自の遠近法を建築で表現しようと 外観だけでなく、屋内にもルーバーが使われ イスの背もたれも格子状です。 : 屋根などに使われている木材は、八溝杉。 壁には烏山和紙、床は那須地域の芦野石と いたるところに地元や近隣の建築材料が使われています。 また、ロビーと展示室をつなぐ アプローチ(通路)の大型スクリーンには ルーバーを通して入りこんだ 天井からの あかりが写り、 綺麗なグラデーションが見られます。 ![]() まっすぐ前を見て進むと気づかないこともあるので
展示室入口で振り返り、 少し見上げてみてください。 : 隈研吾さんは馬頭広重美術館を 「転換となった重要な作品」と語っています。 7/20(火)~8/15(日)まで行われている 「隈研吾建築展」では、 那珂川町馬頭広重美術館と 隈研吾が求めた「点・線・面」の新しいあり方 と題し 隈さんがこれまで携わってきた建築物の 模型3点と写真16点を展示。 ![]() 隈さんが求める建築物のあり方を感じ取ると共に
馬頭広重美術館の建築物としての魅力にも ぜひ、ご注目を。 【馬頭広重美術館】 住所:那珂川町馬頭116番地9 開館時間:9時30分~17時(最終入館 16:30) 休館日:月曜(祝日は営業)・祝日の翌日・展示替え期間 お問い合わせ:0287-92-1199 ▼特別展「帰ってきた!猫じゃ猫じゃ展」 前期:6/19(土) ~7/25(日) 後期:7/29(木)~8/29(日) 入館料:大人 700円 高 大学生 400円 中学生以下 無料 ▽「隈研吾建築展」 期間:7/20(火)~8/15(日) ※観覧料無料 ![]() |
那珂川町馬頭広重美術館。
建築物としての魅力から
車のCMや有名ブランドの写真・動画のロケ地としても
使われています。
設計したのは、新国立競技場を手掛けた
建築家・隈研吾さんです。
:
馬頭広重美術館は
ゆったりとした大屋根を持つ平屋建て。
後ろの里山の美しさを邪魔しないように
屋根は平べったくなっています。