[放送内容]2023年9月28日
「入江明日香展 -浮世絵が結ぶ、江戸と現代-」![]() 一見、水彩画のようにも見えますが
これらは銅版画をコラージュして作り上げたもの。 入江明日香さんは、銅版画家で 和紙に刷られた銅版画を細かく切って貼り、 さらに水彩絵具などで着色して作品を制作しています。 ![]() 間近で目を凝らしても、
すぐにコラージュとは気づけない超絶技巧。 わずかな凹凸が質感を生んで、 夢のような世界でありながらも まるでそれがすぐ目の前に広がっているかのような リアルも感じました。 : 入江さんの作品は、浮世絵など日本古美術に影響を受けているそうで、 そうした浮世絵も同時に展示されているのが 馬頭広重美術館 開催ならでは。 一緒に展示する浮世絵は、入江さん自らセレクトされたとか! 今回は、最新作が2点展示されており、 そのうちの一つが《令和 東海道五拾三次之内:神奈川》 入江さんのライフワークとなっている東海道シリーズの作品で 隣には元となった広重の《東海道五拾三次之内 神奈川 臺之景》が 展示されています。 ![]() 広重を思い起こさせる海のブルー、
通りを行きかう人々…… と同時に、手前には現代の道路や 帆船に乗った二足歩行のネコが描かれていて 両者の共通点や違いを見つけるのが楽しい! : そして、もうひとつの新作は《藤娘-花之舞-》 今回の特別展をきっかけに、 入江さんが馬頭広重美術館で出会った作品 明治~大正時代の浮世絵師・尾形月耕の《美人花競 藤娘》にインスパイアされて制作したものだそう。 《美人花競 藤娘》が 屏風から抜け出た女性が踊る様子が描かれているのに対し、 《藤娘-花之舞-》はドレスを着た少女が 藤を持ってポーズを決めています。 ![]() 美しいグラデーションのフリルのドレスも
銅版画をコラージュしたもの! 少女の脚部分も、遠目で見ると素足と思いきや タイツを履いているかのように模様が描かれています。 屏風の抜け跡から見えるのは、江戸の風景と 少女を見守るように、ひょっこり顔を出した元祖・藤娘! 賑やかな様子のネコたちも描かれ、遊び心たっぷりな作品です。 : 画像だけでも魅力たっぷりな入江明日香さんの作品ですが 間近で見る迫力や美しさは それ以上! ぜひ、美術館で直接 ご覧ください。 ----------------------------------------- ★関連イベント★ 10/7(土)は、入江明日香さんを講師にお迎えし アーティストトークを開催! 11/11(土)は、馬頭広重美術館 館長による エンディングトークが行われます。(定員20名) イベント詳細は、那珂川町馬頭広重美術館HPでご確認ください。 *・゜・*:.。.*.。.:*・☆*・゜・*:.。.*.。.:*・☆ 特別展「入江明日香展 -浮世絵が結ぶ、江戸と現代-」 8/26(土)~11/12(日) ※10/2~10/5は一部展示替えのため休館 *・゜・*:.。.*.。.:*・☆*・゜・*:.。.*.。.:*・☆ 【那珂川町 馬頭広重美術館】 住所:那珂川町馬頭116-9 開館時間:9時30分~17時 ※最終入館 16:30 休館日:月曜(祝日は営業)・祝日の翌日 入館料:大人700円・高 大学生 400円・中学生以下 無料 お問い合わせ:0287-92-1199 ↓↓↓ グッズコーナーでは、 最新作も収録された図録を販売中です♪ ![]() |
那珂川町馬頭広重美術館で開催中の特別展
「入江明日香展 -浮世絵が結ぶ、江戸と現代-」
浮世絵をメインとした展示が多い馬頭広重美術館ですが
今回は現代作家の作品にスポットを当てています。
展示室で、ひときわ大きな存在感を放つのは屏風絵。
こちらは 2023年に制作された《黒雲妖炎龍図》です。