[今週のつながる劇場]2013年11月8日
11月8日 ~SHIBUYA109~![]() 「え?ごめんなさい、よく聞こえないの。リンカにつき合って買い物してるんだけど、
もううるさくて。あとでかけなおすわ」 ふう、まったくいつまで買い物してるのかしら…。 私はナガヤマ・ミドリ、38歳。 今日は中1になる娘のリンカにせがまれ、渋谷まで買い物に来たのだけど……。 あぁ、うるさい。リンカが目を輝かせて買い物をしている渋谷109は、 私にはゴチャゴチャしてうるさいだけ。 母からかかってきた電話もほとんど聞き取れなかったじゃない。 “こっちこっち!”と向い側のショップからリンカが手招きしている。 「欲しいの見つかった? え? コレ?」 リンカが欲しいと言ってきたのは千鳥格子のセットアップ。 やだ、これ私が大学生のとき同じようなのが流行ったっけ。 「これと似たようなの、ママも昔着てたんだよ」 娘が持っていた服を拝借し、鏡の前で当ててみる。まだイケルかしら? 私の気持ちを読んだのか、リンカが呆れるようにいった“若作り!” 「ちょっと、買ってあげないからねー!」 慌てて“ウソウソ、ママかわいいよー!”とご機嫌とりに走る娘。まったく、調子いいんだから。 いくつものショップがひしめく渋谷109は、今では観光客向けのガイドブックにも掲載される、 日本を代表するファッションスポット。 トレンドアイテムがリーズナブルに揃うから、中高生はもちろん、 最近は主婦層のお客さんも増えてるんだって。 娘が試着している間に私もちょこっと物色。 今年の流行りはキルティングやツイード? チェック柄もブームなんだ。 やっぱり私の大学時代と一緒。流行りって繰り返すのねぇ…。 試着室から出て来た娘。千鳥格子のセットアップを来た姿はどことなく私と似てるかも。 やっぱ親子なんだなぁ…と嬉しく思っていたら、店員さんが声をかけて来た。 え? 今なんて? 「リンカ、聞いた? 今、店員さん“ご姉妹ですか?”って聞いたよねー! ママ、お姉ちゃんに見られちゃった♪ パパにメールしよっと!」 「“リンカと渋谷で買い物してます。今ね、店員さんに姉妹に間違えられちゃった♪ 夜までには帰るから、ご飯食べないで待っててね” 送信っと」 横でリンカが呆れて見ている。いいじゃない、仲良しの両親で♡ ちょっとのことでも繋がってられるって、幸せなことなのよ。 (メール着信音) 「パパが“うまくのせられて買っちゃったんだろー。光景が目に浮かぶよ”だって。」 買い物を終えたばかりのリンカが大きな荷物を抱えて笑っている。 はい、その通りです。バッグまで買わされちゃいましたよーっと。 「あ、おばあちゃんに電話しなきゃ! さっき途中になってたのよ」 渋谷109を後にして、思い出したように母へと電話した。 「ごめんごめん、今お買い物終わったわ。どうしたの? え? 今年も豊作なのね。送ってくれるの? ありがとう。そうそう、お母さん。私が昔着てた千鳥格子のお洋服って実家にまだあるかしら?」 母の用件は実家で大量になった柿を送ってくれるというもの。 こうして結婚後も毎年気にかけてくれるんだからありがたい。 “せっかくなら取りに行けばいいじゃん”とリンカ。 そっか。孫の顔も見せられるし、古いお洋服も探しせるもんね。 「あ、お母さん。私。せっかくだからこれからそっちに向うわ。 柿も欲しいし、昔のお洋服も探したいから。パパにも連絡して、そっちで合流するね」 電話の向こうの母は嬉しそうだ。 「リンカ、パパにメールして。おばあちゃんのとこで一緒にお夕飯しましょって」 “はーい!”とパパにメールする娘。 こうして離れていてもすぐに繋がれる。当たり前の日常が愛おしい。 「ママの昔のお洋服が見つかったら、リンカ、一緒に着てお出かけしましょうね」 “えーー!恥ずかしいよ!”と言いつつも笑っている娘。 さ、おばあちゃんちに急ぎましょう。 |

ファッションでつながる親子の姿を上演しました。