[今週のつながる劇場]10月4日~浅草花やしき~![]() ![]() ~10月4日の脚本~
私の名前はモリヤマ・タケル。34歳。 今日は妻のシホと浅草に来ている。 実は先日、つまらないことで妻と大げんか。妻の機嫌を直すために久しぶりに夫婦水入らずで 出かけることにしたのだが、妻は未だ口数少なめ。 母が気を使って預かってくれた娘、ミホのことが気になっているのかもしれない。 「おふくろに電話しようか、ミホが気になるだろ?」 プルルルルル… 「あ、もしもし。今浅草ついたよ。ミホがぐずってないかと思ってね。 え? そうか、ははは。わかった、ありがとう」 不安そうな顔で私を見つめる妻。 「ミホ、楽しそうに遊んでるって。ケンカしてるあなたたちよりとってもいい子よって、 おふくろが笑ってたよ」 ・・・あ、少し笑った。 観光客で賑わう浅草寺を抜けると、花やしきが見えて来た。 妻が何かもの言いたげな顔をして私を見ている。 「お、覚えてるよ。結婚前に一緒に来たよね。隅田川の花火大会の日に。せっかくだから入ってみようよ」 ここ、花やしきは日本最古の遊園地。決して広いとは言えない敷地内に、どこか懐かしい乗り物が並んでいる。まるでここだけ時間が止まってしまったようだ。 「ここのローラーコースター、日本現存のジェットコースターの中で一番古いんだよ。今年で還暦なんだって。60年だよ? おふくろと同じ歳だってさ。せっかくだから乗ってこうよ。大丈夫、怖くないって」 そういって、妻を引き連れ乗り場へ向ったのだが、なんだか緊張してきた。 だって、ガタガタ言ってて今にも壊れそうなんですけど?? 「バカ、怖くなんてねぇよ。お前こそビビってるんじゃないの?」 強がってみたものの、ベルト握る手に力が入る。 ゆっくりとレールを登っていく小さなローラーコースター。 おぉ、浅草寺が見えるよ。スカイツリーはどこ…… 「ぎゃぁぁぁぁ!!!!!」 一気に駆け下りるローラーコースター。今にも外へ振り落とされそうでベルトを握る手に力が入る。 「うぉぉぉ、うぁぁ」 ガタガタガタ・・・・・ アップダウンを繰り返し、ローラーコースターはゴールへ。 な、なんだよ。そんなに笑うなよ。え? 髪がボサボサ?? 「あっという間だったな。え? 叫んでないよ。全然平気だったって」 大笑いする妻。こんなに笑った妻を見るのも久しぶりだ。機嫌、直ったのかな? 「そうそう、このローラーコースター。還暦お祝いで昭和28年生まれの人は乗り放題なんだって! うちのおふくろがまさになんだよ。今度はミホも連れて4人で来ようか」 “久しぶりに遊園地に来ました。ローラーコースター、おふくろと同じ歳だって! 還暦の人は乗り放題だから、おふくろも今度乗ってみなよ”メール送信っと。 「ははは、“何言ってんの、越し抜かしちゃうわよ!”だって。そりゃそうか。 俺たちが60歳になったとき、ミホはえーっと、何歳だ?」 彼氏とかできてるのかな? 結婚とかしてるのかな? え? 泣きそうな顔になってるって? そんなこと……あるかも。 「あ、ミホの写真が送られて来たよ。おいしそうにオヤツ食べてる。そろそろ、帰ろうか。 あ、ミホへのお土産何しよう?」 “ホント、娘に甘いんだから”と笑う妻。子供を置いての2人だけのお出かけ。 こんなデート気分が楽しめるのも、いつでも家族と繋がっていられるから。 そしてこれからも、たくさんの人と繋がって行くのだろう。 「帰ろっか?」 差し出した私の手を少し照れくさそうに握る妻。 よかった、機嫌も直ったみたいだ。 「僕たち、繋がってるね。」 |

東京の注目スポットを舞台に、毎週1つの『つながる』お話をご紹介していきます。
第1回目となる10月4日の放送は、江戸時代末期の創業にして日本最古の遊園地、浅草花やしきを舞台に上演しました。
◆浅草花やしき
・住所/東京都台東区浅草2-28-1 TEL03-3842-8780
・営業時間/10:00~18:00 *季節・天候により変更あり。
・アクセス/つくばエクスプレス「浅草駅」より徒歩3分
東京メトロ銀座線/都営地下鉄浅草線 東武スカイツリーライン「浅草駅」より徒歩5分
★10/31(木)~11/6(水)『栃木県民の日』
栃木県に在住・在学・在勤の皆さまを入園無料でご招待!
※住所の証明が出来るものを持参必須