[今週のつながる劇場]2013年10月18日
10月18日~東京駅~10月18日の舞台は東京駅。大学を卒業して10年。同窓会に出席した女性の友人、元カレとのつながりを上演しました。
![]() 私の名前はサガワ・マリコ、32歳。
今は丸の内で行われる大学時代の同窓会に出席するため、同級生のリナと一緒に東京駅へと向かう電車の中だ。 (メール着信音) 「あ、お母さんからだ。 “今日はどこへ泊まるの? 飲みすぎちゃダメよ”って、子供じゃないんだから」 リナが“うちもおんなじだよー”と笑う。 大学を卒業して早10年。仕事に夢中になっていたら、あっという間にアラサーになっていた。 気付けば同級生の中で独身組は残りわずか。言わずもがな、リナはこっちサイドだ。 (ピピピ 携帯をいじる音) 「同窓会の連絡がFacebookで来るとはねー。ま、Facebookでみんなが繋がったから当然っちゃ当然だけど、時代ですな」 “オバさんっぽいよ”リナに笑われてしまった。 携帯画面に映し出された参加者リストを見て思わずため息。 「リナ、アタシとあんたくらいだよ。名字変わってないの(苦笑)。みんなに“なんで結婚しないのー?”って質問責めにされる覚悟しといた方がいいかもね〜」 “マリコがいてくれてよかったよ”と、リナ。まったく同感だよ。 ん? この名前は…。私の表情の変化に気付いたのか、リナが携帯の画面を覗き込んで来た。 “あ、マリコの元カレも来るんだ。就職で自然消滅しちゃったんだっけ?”とリナ。 ……、やっぱり覚えてました? やばい、急に緊張してきた。 久しぶりの東京。渋谷や新宿にはたまに遊びに行ってたけど、東京駅は久しぶり。 「えーー、こんなにキレイになっちゃってる! 超高層ビルの中に昔の駅舎が囲まれてて、不思議な景色だねー」 一眼レフを構えて写真撮影に夢中になる外国人観光客に紛れて、私も一枚。 (パシャ) 「お母さんに送ろうっと。“東京駅がキレイに生まれ変わってるよー!”っと」 創設時の外観に忠実に、去年改装工事を終えた東京駅。 来年で100周年アニバーサリーを迎えるその姿は、今も昔も変わらず堂々としてエレガント。 とくにドーム内部の装飾は美しく、花飾りや刀剣、鳳凰などあちこちに散りばめられた レリーフを探すだけでも楽しい。 (メール着信音) 「“新しいだけがいいってわけじゃないんだね。古き物も大切にしないと”だってさ。 で、会場どこだっけ?」 携帯で地図を見ようと思っていたら、後ろから肩を叩かれた。 “あ!”と、私より先にリナが声を上げる。 「え? 何?」 振り返ると、そこにいたのは元カレ。“よ!”なんて、いたずらっぽく笑う顔が全然変わってない。 「お、お久しぶり…」チラ。 あー、さりげなく薬指チェックしちゃう自分が情けない。でも、指輪ナシ、と。 “先行くねー!”と歩き出しちゃったリナ。 “古き物も大切にね!”って、ちょっとーーー! 「元気だった?」 ぎこちなく聞く私に、彼は笑いながらうなずいた。そして“お前は相変わらず仕事漬けなんだな”って。 どうやら、彼は私のFacebookをチェックしてたらしい。私の色気ナシの私生活が丸見えだったってわけか…。ん? 気にしててくれたの? “友達申請、くれると思ったのにな”と彼。携帯をいじってると思ったらピコンっと私の携帯が鳴った。 「あ、申請メール。えっと…、承認。これでいいかな?」 なんだか照れくさい。でもこうしてまた繋がれたことが嬉しくて仕方ない。 きっとこれからも、たくさんの人と繋がって行けるのかな。 「先、会場入ってて。あとから行くね」 お母さんにメールしとこう。 「“古き物も悪くないかもしれません”っと。」さ、昔の仲間と繋がりに行こう。 |
