[番組情報]2021年1月26日
今週は新田弁護士に「貿易保険」について伺いました。~海外就職、外国人雇用、グローバル人材を応援~
![]() 今週は、国際関係の弁護士業務が専門の 宇都宮中央法律事務所の新田裕子弁護士に 「貿易保険」 について、伺いました。 ![]() ■貿易保険とは? □貿易保険とは、取引先の国のリスクや 取引先の信用リスクに備えるための保険です。 事前に、保険に入って保険料を支払っておけば、 3か月以上代金支払いが滞った時には、 保険金の請求をすることができます。 いくら保険金が出るかは保険商品にもよるのですが、 中小企業の方が一番よく使う商品である 「中小企業・農林水産業輸出代金保険」というものだと、 代金額の95%が保証されます。 貿易保険は株式会社日本貿易保険が運営しています。 これは、日本政府が100%出資する会社で、 保険金の確実な支払を担保するために、 仮に資金調達が困難な時には、 政府が必要な財政上の措置をとることになっています。 ■保険料はどのくらい? □国のリスクの高さと、 取引先の信用状態の格付けにより異なります。 例えば、輸出金額が100万円、アメリカ向け、 取引先の格付けは民間企業で可(下から2番目)だとすると、 6340円です。 これが、パキスタン向けになると、 取引先の格付けは同じでも 16,420円になります。 ただ、いずれにしても安いですし、 この保険料は、商品価格に転嫁すればいいので、 保険料が高くて使えないというようなものでは全くないです。 更に、提携金融機関を通じて申し込むと、 保険料は更に10%引きになります。 栃木県だと、足利銀行と栃木銀行になりますので。 銀行で貿易保険に入りたい。という手続きをすれば 割引の適用になります。 それと、相手方の信用状態の格付けに関連する話なのですが、 日本貿易保険は、 取引先の信用調査を8件まで無料で提供してくれます。 これは、保険に加入しても加入しなくても、です。 外国の会社と取引する時に、この会社は大丈夫なのかな、 と不安に思うことがあると思いますが、 こういうときは貿易保険に連絡してみてください。 ■注意点。 □2つあります。 ①代金を支払ってもらえない理由が、 こちらにあるときには保険金は出ません。 例えば、商品に不具合がある場合などです。 ②保険金を請求するためには、 輸出者、輸入者双方のサインのある契約書が必要。 契約書には、目的物、代金、船積み時期、 決済方法及び決済時期などが記載されていなければなりません。 契約書は保険の有無に関わらず 必要なものなので必ず作るようにしてください。 |