[週刊かぬまジャーナル]2012年11月10日
芸術の秋![]() 川上澄生美術館は、
大正から昭和にかけて活躍した木版画家 川上澄生の作品を展示している美術館です。 驚くことにその収蔵数は約2500点。 季節ごと、または展示会があるごとに入れ替えをし、 一年を通して様々な作品に触れる事が出来ます。 洋館風のデザインは、 川上澄生の作品「日本越後国柏崎黒船館」に描かれている 建物をモチーフに設計されていて、 西洋の分化を取り入れていたころの日本の雰囲気を感じるようです。 1階は無料開放された展示ホールで、 オシャレな赤絨毯の敷かれた階段を上って2階へ上がれば、 そこは川上澄生の優作を展示する有料展示室となっています。 さて、そんなこちらの美術館で 現在開催されている「川上澄生と棟方志功 日本版ルソーとゴッホの対決」展は、 川上澄生と彼の作品に影響を受けた棟方志功の作品を見る事ができる展示会です。 棟方志功は、 青森県出身の版画家で20世紀の美術を代表する世界的巨匠の一人です。 元々は油絵の作家として活動していた棟方志功は、 ある時、川上澄生の作品「初夏の風」を見て、 感銘を受け、木版画家としての道を歩むことになります。 初めのころは、川上澄生の作品の世界観に通じる作品が多くみられますが、 次第に独自の路線を進むようになっていったとの事です。 ![]() ≪初夏の風≫
川上澄生で1926年(大正15年)の作品です。 ![]() ≪貴婦人と蝶々≫
棟方志功で1929年(昭和4年)の作品です。 ![]() ≪普賢菩薩の柵≫
棟方志功の作品です。 実際に棟方志功の作品を見させていただきましたが、 初めの頃は確かに影響を受けた川上澄生の作品のように 多彩な色彩を淡いタッチで描いた作品が多い印象でした。 が、後々の作品に目を向けていくと、 水墨画のような力強いタッチの作品が多くみられるようになっていました。 この様に二人の巨匠の作品を交互に見て、 どの様に変化していったのかが分かるのも この展示会の大きな魅了ではないでしょうか? また、実は今日この後、 午後2時から学芸員の原田さんによる作品の解説が行われます。 二人の作家がもつ世界観やその作品が生まれた時、 作家自身がどんな心境で、 どんな影響を受けてその作品を創り上げたのか、 といったお話を聞く事ができます。 普段、その作品を見るだけでは 知ることのできないような貴重なお話を聞く事ができますよ。 この展示会は、 来年1月14日(月)まで開催されています。 ぜひ皆さん、足を運んでみて下さいね。 ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ *開館20周年記念特別企画展 「川上澄生と棟方志功 日本版ルソーとゴッホの対決」展 会 期:2012年10月6日(土)~2013年1月14日(月) 会 場:鹿沼市立川上澄生美術館 2階展示室、2階ミーティングルーム 住 所:栃木県鹿沼市睦町287-14 TEL:0289-62-8272 開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで) 休館日:月曜日〔ただし10月8日、12月24日、1月14日は開館〕、 10月9日[火]、12月25日[火]、年末年始(12月28日[金]~1月4日[金]) 入館料:一般300円(200円)、高校・大学生200円(100円)、小・中学生100円(50円) ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ |
スタッフの堀です。
今週の【かぬまにあ】は芸術の秋という事で
鹿沼市睦町にある“川上澄生美術館”にお邪魔して
現在開催中の「川上澄生と棟方志功 日本版ルソーとゴッホの対決」展について
学芸員の原田 敏行さんにお話を伺った様子をお届けしました。