[番組で紹介した情報]2020年2月26日
ちいさなちいさなおんなのこ |
2020年2月20日
なまえのないねこ紹介絵本「なまえのないねこ」
文:竹下文子 絵:町田尚子 小峰書店より 2月22日はニャーニャーニャーで猫の日なので、猫の絵本を紹介します。 表紙には、こちらをじっと見つめるキジトラ模様の猫。耳と鼻には喧嘩の跡。なんとなく不安げで寂しそうな表情。きっと野良猫なのでしょう。タイトルどおり、この猫には名前がありません。靴屋さんの猫の名前は「レオ」。レオは、ライオンという意味の立派な名前だと、いつも自慢しています。本屋さんの猫は、元気由来の「ゲンタ」。お客さんたちが必ずゲンタに声をかけていってくれます。ほかにも、八百屋さん、お蕎麦屋さん、パン屋さん、喫茶店などの飼い猫たちが、みんな名前を持っています。そんな、「名前」に憧れている、ひとりぼっちの猫。 ある日、お寺の猫に「自分で好きな名前をつければいいじゃない」と言われ、名前を探すことに。自分の好きなものをいろいろと考え、探し歩いてみますが…。名前のない猫が見つけた「ほんとうに欲しかったもの」とは? 愛猫(あいびょう)家で猫が主人公の作品を多く発表している作家と、同じく愛猫家で猫の絵が人気の画家による猫への愛に溢れた絵本です。 |
2020年2月13日
サウスポー紹介絵本 サウスポー
作:ジュディス・ヴィオースト 訳:金原瑞人(かねはらみずひと) 絵:はた こうしろう 文溪堂 より いよいよバレンタイン・デーですね。今回は少年と少女の甘酸っぱい初恋絵本を紹介します。 リチャードとジャネットは大の仲良しでした。ところが野球チームに入りたかったジャネットの申し出を、リチャードが「男の子のチームに女の子は入れない」と断わったことから、思いがけず手紙によるケンカが始まります。他愛のない意地悪な言葉の応酬。「もうバスの席とってやらないからな」と少年が書けば、「試合34対0で負けたんだってね」と少女。徐々にケンカはエスカレートしていきます。お互い気になっているのに、なかなか素直になれない少年と少女。一見トゲのある言葉ですが、ちょっとだけ傷つく絶妙な悪口はお互いに相手の気持ちをわかっているからこそ出てくる言葉たち。そんな手紙のやりとりで二人は心を通わせていきます。 最後のリチャードのセリフから裏表紙まで必見です。歯切れのいい言葉とかわいい鉛筆画が、読む人の心をキュンキュンさせる絵本です。 |
2020年2月5日
とくべつなひ紹介絵本 とくべつなひ
作:山本りくお 文溪堂より 「とくべつなひ」タイトルを聞いただけでは、なんとなくお誕生日かな?何かの記念日かな?などと想像してしまいますが、この絵本は違うようです。表紙にはしろくまの親子が描かれていて、おかあさん白くまは、お布団に寝ているしろくまの子を心配そうにのぞき込んでいます。 表紙をめくると…「ぼく おきられないよ……」と、ベッドの中で、うずくまるしろくまの子。どうやら熱があるようです。おかあさんは、弟を連れて、こども園のお迎えバスを待ちに外に出てしまいました。からっぽの箱の中にいるみたいに静かな部屋では、ちょっとした時間でも、不安で、なんだか心細く感じられます。 弟を見送ったおかあさんが帰ってくると、しろくまの子はほっとして甘えます。りんごをあ~んして食べさせてもらったり、汗をふいてもらったり。おかあさんのそばで横になりながら、ぼんやりとお母さんが忙しく家事をしている様子を見ていました。 ふと…お母さんが病気になったらどうしよう…。 病気はつらいけれど、看病されるあたたかさ、お母さんを独り占めできる幸せ、弟が帰ってくるまでのちょっとだけ特別な日。そして、しろくまの子の優しい気持ち。園を休んだ日に読んであげたい一冊です。 |
作:フィリス・クラシロフスキー 絵:ニノン
訳:福本友美子 福音館書店より
もうすぐひな祭りということで、今回紹介する絵本は女の子が主人公です。
むかしあるところに、「ちいさなおんなのこ」がいました。近所の誰よりも小さく、使っている椅子、テーブル、ベッドもとても小さなものでした。ところが時が経つにつれ、「ちいさなおんなのこ」は自分より小さなものをたくさん見つけていきます。そして、ひとりでできる事もどんどん増えていきます。その表情は自信に溢れ、素敵なお姉さんへと成長していくのです。
少ない色使いのとても繊細で可愛らしい絵が、シンプルなストーリーの中で微笑ましい女の子の成長を引き立たせています。我が家は三姉妹なので、自分の娘たちと主人公の女の子を重ね合わせ、思わず顔がほころんでしまいました。
ひな祭りは子どもの健やかな成長と幸せを願うとても大切な行事です。そんなひな祭りの日に子どもたちに読んであげたい一冊です。