[番組情報]2020年12月22日
今週は新田弁護士に「輸出貿易管理」について伺いました。~海外就職、外国人雇用、グローバル人材を応援~
![]() 今週は、国際関係の弁護士業務が専門の 宇都宮中央法律事務所の新田裕子弁護士に 「輸出貿易管理」 について、伺いました。 ●「輸出貿易管理」とは 一部のものは輸出できないルールのことです。 どんなものでも自由に輸出していいのではないかと 思いますが、輸出できないものというのもあります。 なので、 これから外国への自社の商品を販売してみたいという方は、 まず、自分が輸出しようとするものが、 そもそも輸出できるのかをまず確認する必要があります ![]() ●輸出できないものの一例 輸出管理と言うのは、世界の安全のためにあります。 例えば、日本で自動車を作るために使われている機械が、 イランなどにわたると、 核兵器の製造に転用されたりすることがあります。 特に日本のような先進国においては、 高度な製品や技術が 大量破壊兵器を作っている国に渡らないように、 国として輸出を監理する必要があるのです。 これについては 「輸出貿易管理令の別表1」というところに、 規制品のリストというものがあり、 リストに載っているものは、原則輸出禁止で、 経済産業大臣の許可を取った場合にのみ、 輸出が認められることになります。 武器なんて作っていないので関係ない。と思っても リストに記載されている規制品は いわゆる武器だけではありません。 例えば、電子式のカメラ等、ロボット等、など、 危険そうでないものも色々あります。 規制品の具体的なスペックなども省令に記載されているので、 念のため確認していただくと安心だと思います。 ●キャッチオール規制 これは、リストに載っていないものでも、 ①輸入者が、大量破壊兵器の、 開発・製造・使用等に用いることを知ったとき、 もしくは、 ②輸入者が「外国ユーザーリスト」という、 経産省が作成している、 大量破壊兵器等の開発への関与が懸念される団体の リスト掲載企業のときには、 (イランなどの企業が多い) 経済産業大臣の許可が必要だというルールです。 ただし、これについては、 アメリカ、イギリス、フランス、ドイツなど、 26か国、グループAとよばれている国があるのですが、 これらの国への輸出の場合には適用になりません。 グループAの国というのは、 日本が日本同様の厳格な安全管理体制があると 認定している国です。 ●最後に この輸出貿易管理のルールが 大切な理由の一つなのですが、罰則が非常に大きいのです。 刑事罰として、法人の場合には、10億円以下の罰金。 個人の場合には3千万円以下の罰金。 関与した個人は10年以下の懲役があり、 行政制裁として、3年以内の輸出禁止があります。 違反してしまうと大変なので、気を付けましょう。 |