[番組情報]2020年12月29日
今週は新田弁護士に「輸入貿易管理」について伺いました。![]() 今週は、国際関係の弁護士業務が専門の 宇都宮中央法律事務所の新田裕子弁護士に 「輸入貿易管理」 について、伺いました。 ![]() ●輸入貿易管理とは。 輸入制限に関するルールのことです。 先週は輸出貿易管理について。でしたが、 どこの国でも、 輸出より輸入の方がルールは厳しいことが多いです。 輸入の場合には、 自国に危険な物が入ってくるとよくありません。 自国の産業を守るという意味もあるので、 輸入の方がよりシビアなのです。 〇日本にある輸入制限 ・一つは、輸出割り当てというものがあります。 これは、主にあじ、いわし、さば、たら、ほたて貝など、 18品目の水産物については、 日本に輸入できる量の上限が決まっているのです。 なので、これらの品目を輸入したい人は、 経済産業省に申請して、 輸出割り当てを受けなければ、輸出できません。 昭和63年にあった、 オレンジと牛肉の自由化というのは、 この割り当てをなくすということだったのです。 当時、日本の自動車やテレビが どんどんアメリカに輸出されて、 日米貿易摩擦というのが起きていたのですね。 このような中で、アメリカが日本に対し、 オレンジと牛肉の輸入自由化、 つまり輸入上限を外すことを求め、 ]日本がこれに応じたのです。 ちなみに、 サシの入った牛肉が作られるようになったのは、 この後、赤身のアメリカ牛との差別化をはかるため。 だったといわれています。 □もう一つは、承認というものもあります。 一定の品目については、 経済産業大臣の承認を受けて 初めて輸入できることになっています。 例えば、一定の国を原産地、または、 船積地域とするクジラであるとか、マグロなどです。 あとは、火薬・ダイヤモンドなどは、 どこの国が原産地・船積地域であっても、承認が必要です。 もう一つは、承認はいらないけれども、 確認が必要だという品目もあります。 〇諸外国の輸入制限 □例えば、 日本からEUにチーズを輸出したいというときには、 EUのルール上、日本からチーズを輸入できるのか、 ということを確認しなければなりません。 ちなみに、チーズなどの乳製品については、 2019年3月に、日本は乳及び、 乳製品のEUへの輸出が可能な国となったばかりです、 ○諸外国のルール ルールは頻繁に改正されますし、 調べるのは容易ではありません、 現実的には、 ジェトロに問い合わせるのがよいと思います。 ジェトロは世界各国のネットワークを使い 情報収集しています。 |
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