「ひとり暮らし」　最終回


＜前回までのあらすじ＞
この物語の主人公、カワシマ・アコは30歳、バツイチ。子供はいない。
栃木県内の食品メーカーに勤めていたアコは7年前、
交際1か月で電撃入籍するも2年で離婚。一旦、実家に戻ったが、
1人暮らしがしたいと思うようになり、宇都宮にマンションを借りた。
引っ越し記念に、学生時代の友達10人ほどでホームパーティをした際、
最後まで残ったのが、シイナ・ヒデキ。
いつも淡々としていて、空気のような存在にもかかわらず
彼は「ずっとアコと２人で話したいと思ってた」と告げると、人知れず結婚・離婚。さらには仕事もやめていたことを告白。
この日を境に、アコの部屋に、ふらりとやってきて泊まるようになる。
そんな折、親友のサツキがアコの家に泊まることに。
サツキと一緒に帰宅すると、エントランスにはシイナくんの姿が…。
彼は、サツキがいるのを知り、すぐにその場を去ってしまう。
結局、その日からシイナくんはアコの家に来なくなったのであった。
そして･･


サツキを連れたアコと、シイナくんがマンションの前で遭遇してから
間もなく半年が過ぎようとしている。
あれから、本当に彼は来なくなってしまった。
なんとなくホッとしたような、でもさみしいような…
そんな複雑な想いを抱えながら、アコは多忙な日々を送っている。