「同級生」　第１回


「ハァ〜…」
この物語の主人公、ヤヨイ・ハルカは、ハガキを眺めながら重たいため息を
１つついた。
今のご時世、ハガキでくるのは年賀状を除いては、DMくらいのもの。
ポストからかき出した封書の束に紛れていた１枚のハガキも、
そんなDMの１つだと思っていた。
ところが、だ。
よくよく見てみれば、それは小学校の同窓会の知らせだった。

「前略
　寒さがまだまだ続きますが、皆様お元気でお過ごしですか？
　突然のハガキに驚かれたことと存じます。
　この度、6年の担任を務められた先生が、ついに定年退職されることになりました。
　つきましては、先生への慰労の意味も兼ねて
　同窓会を開こうということになりました。
　15年もの月日が流れたことには驚くばかりですが、この先はますます忙しくなるでしょうし、
　この機会を逃すと、またいつ集まれるかもわかりません。
　可能なかぎり、皆様がご出席くださいますよう
　切に願い、また、お願い申し上げます。

　6年２組　ウヅキ・ヨウコウ